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姫様が行く!  作者: キース爺
登場編
2/23

狩り狩り狩り偵察

■どこかの森(続き)


「モグモグ」

「もぐもぐ」

≪ペロペロ≫


「月も出たし、そろそろかの。リコ、飯食ったら偵察してきてくれるか」

「おー」



「偵察、してきた」

「ご苦労。どうだった?」

「ヘビ、昼間のまま、動きなし。周りの索敵範囲、魔物、いない。ヘビだけ」

「いるだけであの威圧じゃもんな。近くに寄ってくる魔物はいないわな」

≪エサになるだけだもんね≫


「作戦じゃ。リコは最後まで3人の増幅維持。初撃は儂。気絶・麻痺・混沌を混ぜながらとにかく拘束。ドレインとホーリーは拘束してから。拘束前、リコは精神系のデバフ、ルールーは儂の障壁維持とヤツの魔力発動打消し。2人ともヤツの体長より遠く、ヤツから儂への射線から外れる位置取りで。拘束後、リコはヤツの自動回復阻害デバフを維持しながらドレイン、ルールーはホーリー、意識戻って魔力発動あらば打消しも。儂の障壁の維持は不要。儂は麻痺・混沌と拘束の維持しつつドレインかホーリー。拘束の前も後もやつの頭の方向に気を付けろ。何か飛ばしてくるかも知らん。ヘビは体丸めたら体長以上の間合いから飛び掛かってくる。拘束前に体丸めたら一旦距離とれ。長丁場になるからあまり気張るな」


≪りょ≫

「おー」


「一旦ヘビの上空に。儂が空中で隠蔽結界張った中で強化。最初にリコの増幅を3人に。その後に強化系かけて散開。3人準備良しから儂が仕掛ける。移動開始」



≪隠蔽結界張った≫

≪増幅、かけた≫


≪儂準備良し≫

≪ルー準備良し≫

≪リコ、準備良し≫

≪儂突撃≫


・・・・・・・・・


≪さすがに掛かりが悪い 生意気じゃああああ≫

≪頭 姫に向いた≫

≪魔力気配≫

≪止めた≫


・・・・・・・・・


≪あるじ、尻尾、尻尾≫

≪のわああああ≫

≪魔力気配≫

≪止めた≫


・・・・・・・・・


≪起きたああああ≫

≪尻尾、拘束、メリメリ≫

≪先に首じゃあ≫

≪魔力気配≫

≪止めた≫

≪縛り上げたるううう おとなしゅうせええええ≫


・・・・・・・・・


≪拘束できたっぽい?≫

≪もうひと巻きしとく≫

≪あるじ、できる子≫


・・・・・・・・・


≪よし、ドレイン ホーリー 開始≫

≪りょ≫

≪おー≫


・・・・・・・・・


≪削れてるよね?≫

≪ちょっぴり、づつ、減ってる≫

≪見た目もアレじゃが体力も化け物じゃの≫

≪がんばるううう≫

≪おー≫

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・



≪ひゃっほー おつー≫

「じゅる」

「なんちゅう体力じゃ。上位龍クラスってだけあるな。2時間以上か」


≪1匹だけでなら今までで最長じゃない?≫

「龍の時は首切り飛ばしじゃったからの」


≪やっぱ姫の魔力量異常≫

「あるじ、できる子」

「そうであろう そうであろう ふぉふぉふぉ」


「結界張ったから一休みじゃ。夜食にするか」

≪りょ≫

「おー」



「モグモグ」

「もぐもぐ」

≪ペロペロ≫


「さてと。この後じゃが。まずは朝まで移動、明るくなってから少し狩りして昼営、また夜に移動、暗いうちに森の南の端かの」


≪ふむふむ≫


「儂の結界破れる者がおるとは思えんが、気づく者はおるかも知らん。森の浅い所は出入りもあろうから野営も昼営もせん方がええ。昼間に森の端近く飛べば儂らを見通せる者もおろうから、南の端が近くなれば飛ぶのは夜の方がええじゃろ」


≪なる≫


「いきなり儂らに手を出してくる者はおらんだろうが、警戒しておくに越したことないしな。儂らから先に発見・偵察できる方がええじゃろ。見つけられて誰何でもされたらそれはそれで構わんが」


≪だね≫

「おいしい魔物、いたら、狩る?」


「おいしそうなのは狩るが、ザコの獲物の種類を増やしときたいな。ここ何処か分らんからの。儂らの国でなら買ってくれる獲物をここでも買ってくれるか分からんじゃろ? 小さい村じゃとヘビは別格としてもデカイ熊と猪あたりは買い取れるだけの金がないかも知らんし」


「安くても、どれかだけでも、買ってくれるの、狩っとく、ね?」

「うむ」

≪なるー≫



「リコ、索敵しながら先導してくれ。暗いうちはザコ無視でよい。少し距離とって付いてく。ルールーは儂が抱えていくから速度出してよい」

「おー」

≪姫 よろしくー≫



≪あるじ、止まる。魔物の群れ、なんとかウルフ、まっすぐ前、ちょっと左、ボスっぽい強そうなの1、ザコ20ちょい? ボス、デカイ熊、より、強い≫


「確認した。この森おいしすぎるな。ダイアウルフじゃな。ボスは固有種か」

≪ボス 名前付き?≫

「うむ。珍しいな」


「眷属以外で、名前、つく?」

≪あー ほんとだ。眷属じゃないね≫

「自分で付けたんじゃな」


「魔物が、自分で?」

「長く生きて上位種から固有種に進化するなどしてそれなりの知能もつけば、自分で名前名乗ることもあるそうじゃ」

「ほほー」


≪名前付きのワニの魔物狩ったことあったよね? あれは誰かの眷属だったっけ?≫

「うむ。あれは儂らにちょっかい出してきたヤツの眷属じゃったから気兼ねなく狩ったが。このダイアウルフが誰かの眷属なら喧嘩売ることになるんで手は出さん。コイツはおいしくいただくがの」

≪りょー≫

「おー」



「ダイアウルフは額の赤ダイヤと皮じゃ。肉はマズイから売れんかの。ボスも含めて首切り飛ばすでええじゃろ」


≪赤ダイヤも皮も結構高く売れたよね?≫

「うむ。ザコでもそれなりじゃの。皮は森ウルフなんかより高く売れるな。名前付きは涎が出るの」

≪やりー≫

「じゅる」


「ボスはなんか飛ばしてくるかも知らんがザコに飛び道具ない。3人ボスの上空に位置取り、初撃は儂。全体に拘束撃ってからボスへの絡め手、ボスの拘束と意識飛ばすのに専念。ボス気絶させたら、一旦低空を移動して拘束できとらんザコいたら釣りにかかる。リコは隠蔽待機。ボスの気絶待ち首飛ばせ。ボス気絶までルールーは儂の障壁維持。ボスやった後は適当にザコ狩り。ルールーは射線に儂らを入れんように。リコ、一応増幅くれ」


≪りょ≫

「おー」


「キリがいいとこで死体拾え。後から拾って回るの面倒じゃからの。拾う時は頭も忘れんように。赤ダイヤあるからの。では位置取り開始」


≪儂準備良し≫

≪ルー準備良し≫

≪リコ、準備良し≫

≪儂突撃≫


・・・・・・・・・


≪ボス寝かした、離れる≫


・・・・・・・・・

・・・・・・・・・


≪もう、いない≫

≪おつー≫

≪自分が倒したヤツ拾ってリコのところに集合≫

≪全部、拾ってある、おー≫

≪ルーも。すぐ行くー≫



「んじゃ移動開始。少し飛ばして距離を稼ぐか」

「おー」

≪よろー≫



≪リコ、ストップじゃ。上空から森の先に街か村かあるか探してみてくれ。だいぶ明るくなってきたんでもう見えるじゃろ?≫

≪おー≫


・・・・・・・・・


「儂でも南の端が微かに見えるな」

「あるじ、森の南の端、西、岩山っぽいの、分かる? あれ、城」

「んー そう言われて見れば。四角いもんな」


「平べったい、城郭都市、かな?」

≪真ん中のゴツゴツしてるとこが城?≫

「たぶん」

「なるほどの」


「あの、城っぽいとこ、から、森の南の端、沿い、まっすぐ、東、かなり遠く、同じような、城郭都市っぽいの、ある」

「多分あれかって程度にしか見えん」

≪ルーも≫


「近い方の西の城郭都市を目指すことにするか」

「おー」

「一旦降りて休憩しよう」



「モグモグ」

「もぐもぐ」

≪ペロペロ≫


「あそこなら、ここらで昼営しても今夜飛べば十分じゃよな?」

「だいじょぶ」

「んじゃ、適当にザコ狩ろう」

≪りょ≫


「あるじ、弓、試してみたい」

「ええぞ。それ伝説級じゃから所有者刻印できるな。手に持って魔力流せ。刻印したる」

(ん(ん))

「ありがと」



≪適当に散開して狩る?≫


「うむ。ザコ追うならその方が効率ええな。リコの動きに合わせる。儂はリコの東、ルールーはリコの西。集まりたい時や強そうなのいたら声かけろ。頭ぶち抜くか首切り飛ばすかで。頭から素材とれそうなのはぶち抜くなよ。頭ぶち抜いたやつは拾う時に首落とせ」


≪りょ≫

「おー」


「無理に進む必要はないが、どちらかと言えば南、西に動け。どうせなら少し距離縮めよう」

≪りょ≫

「おー」


「んじゃ散開」



≪リコ、オガ、狩ってる≫

≪儂、熊狩った、今サイクロプス狩ってる≫

≪ルー 鹿狩ってるー≫


・・・・・・・・・


≪牛、なんとかバイソン、弱い、群れ、狩りながら、西へ、ルー、も、ね?≫

≪りょー≫


・・・・・・・・・


≪牛きたー ありー≫

≪儂、オーガ狩ってる≫


・・・・・・・・・


≪あるじ、蜘蛛、なんとかスパイダ、いぱい、強くない、けど、メンドイ、集合?≫

≪糸玉とれるやつか?≫

≪それ≫

≪狩ろう。あれは値打ちある。リコのとこに向かう≫

≪ルーも行くー≫

≪そこそこ数も狩ったじゃろ? その蜘蛛片づけたら昼営かの≫

≪りょ≫

≪おー≫



「モグモグ」

「もぐもぐ」

≪ペロペロ≫


「疲れたじゃろ。飯食ったら寝て、風呂は起きてからにするか」

≪りょー≫

「おー」


≪魔物めっちゃいるねー≫

「探さなくても、見つかる、らく」

「入れ食いじゃもんな。ザコ狩りだけでも儲かるな」


≪誰も狩りにこないのかなー≫

「この森の近くに住んでる者は飛べない種族かもの。地上を進んだらここまで4~5日かかるんじゃないか?」

「森、地上、全部狩りながら、1週間でも、無理?」

≪姫の結界みたいの使えなければ野営も大変だろうしねー ここまではこないかー≫


「そろそろ寝るぞー」

≪おやー≫

「リコ、爆睡。おー」



≪森の中でお風呂に入るのってうちら位じゃない?≫

「土使い、闇使い、水・火使いがいればこの程度は難しくないじゃろ?」


≪結界なしで入る勇気はルーはないなー≫

「そこか」


「あるじ、石鹸が、ちょびっとに、なった」

「街で魔物素材売ったら道具屋じゃな」

「おー」



「リコ、弓どうじゃった?」

「かなり、よい。400なら、オガの頭、ぶち抜ける。500だと、刺さるだけも、あった」

≪すごおおおお≫


「前の弓の倍か?」

「うん。前のは、200超えると、ぶち抜けなかった」

「戦力アップじゃな」

「リコ、もっとできる子に、なった!」


≪ルーのバレットやランス 400は無理だなー≫

「400くらい届くじゃろ?」

≪届くけどー ちっちゃいとこにロックできないー 必中なら200くらいー リコの遠視欲しー≫

「そっちか」


「リコ、ルー、を、超えた!」

≪くうううう≫


「4属性系魔術師の見せ場は遠距離広範囲殲滅じゃからの。森の狩りでリコと比べてもな」

≪燃やせないしー 焦がせないしー 傷付けられないしー≫


「金稼ぎの狩りなんじゃから。風呂出て飯じゃ」

≪りょー≫

「おー」



「モグモグ」

「もぐもぐ」

≪ペロペロ≫


≪ひめー さっき周り調べてたら薬草っぽいのいっぱい生えてるの見つけた≫

「ポーションの材料になるやつか?」


≪国の北の国境近くの森でお小遣い稼ぎしたの覚えてる? あれと同じ草だと思う≫

「それじゃ。ポーションの材料。2~3株で飯代、10株あれば宿代くらいにはなるはずじゃ」


「薬草、どこ?」

≪西にすぐの小川沿い≫


「飯食ったら日があるうちに採集するか」

≪りょー≫

「おー」



「あるじ、この先、狩りは?」

「おいしそうなのいれば考えるが、多分ザコばっかじゃろうな」


≪森の中心から段々と弱い魔物になってきてたしねー≫

「ザコは全部無視しよう。明るくなる前に森の南の端まで着きたいからの」

「おー」


「森の南端の東西に城郭都市っぽいのがあるんじゃから、森沿いに街道が走ってると思うんじゃよな。今から向かう西側城郭都市のちょい東、城郭都市の東側の出入りを偵察できるような場所を目指そう」


「おー」


「ルールーは儂が抱えるで速度上げていこう。んじゃ出発するか」

≪よろー≫

「おー」



≪あるじ、街道、発見。街道の手前、まで、進む≫


≪了解。こちらの姿隠せて視線が通るような場所見つけてくれ。リコの索敵範囲にある程度街道がおさまる距離がええの≫


≪おー≫


・・・・・・・・・


≪いい、場所、見つけた≫

≪了解。向かう≫


・・・・・・・・・


「ええ感じの場所だの。結界張ったから朝飯にしよう。一休みしとる間に日も出よう」

「おー」

≪りょ≫



■街道手前 偵察地点


「モグモグ」

「もぐもぐ」

≪ペロペロ≫


「まずは道行く者たちを偵察じゃ」

「解析、なし、ね?」


「うむ。解析するは抜くと一緒じゃ。それなりの使い手ならば解析されたの分かろうしの。解析以外でも喧嘩売ってると思われるようなことはせんようにな」


≪すぐそこ城郭都市だしねー 解析されたの気付いたら一個小隊くらい飛び出てきてもおかしくないもんね≫


「索敵で種族は分かろうし、騎士や軍属ならば装備でどこの国か見当つくかも知らん。まずはそれらの情報じゃな」


「おー」



≪うちらは姫の解析返しが掛かってるんだよね?≫

「うむ。3人とも、儂ら3人以外が解析すると滅茶苦茶な精神波で反射する。儂苦心の魔術じゃ」


≪そんなの仕込めるの姫だけ≫

「あるじ、できる子」

「そうであろう そうであろう ふぉふぉふぉ」



「馬車、商人、かも?」

≪引いてるの何? 細っこいけど≫

「あれ、『馬』、獣」

「獣とな」

≪バトルホースでもゴーレムでもないのに引かせてる国ってどこだろ?≫



「あああ」

「どした?」

「あの、馬車の上、御者、種族 『人』」

「なんとっ」

≪まじい?≫

「馬車、全部、同じ。『馬』と『人』」


≪人がいる国ってどこだろ?≫

「分からんが…… 人が住む国あらば耳にせんはずないよな」

「人、大陸に、これない、よね?」

「人魔結界が張られとるからのお」


≪人魔結界がなくなった?≫

「それはなかろう。どの国の神官も気が付かんということは考えられんし、伝わってこないとは思えん」


「狩人っぽいの、何人か、一人、背低い、髭もじゃ、あれ、『ドワーフ』、あと、『人』」

≪ドワーフ! 鍛冶得意な種族だったっけ?≫

「ほほう」

≪ドワーフも人側の大陸だったよね?≫


(((・・・・・)))


「ここ、人の大陸、かも?」


(((・・・・・)))


「そう考えるのが妥当かの。あの者たちはここらに住みついとる振る舞いじゃ。海辺に流れ着いた船に人が乗っておったら人魔結界がなくなったことも考えられようが」

≪どっひゃー≫

「ルールーの遠隔念話が届かんのも当たり前じゃな」


「転移、人魔結界、超えられる?」

「結界など関係ないな。転移は空中を動いて移動じゃないからの。所有者刻印の装備を呼び戻す時に壁だろうが結界だろうが関係なく現れよう? あれ転移じゃから」

「リコ、わかた。おー」


≪古代遺跡って人の大陸にもあったのかー≫

「儂らが転移してきた場所の崩れた遺跡か?」

≪うん≫

「もちろんあってもおかしくない。古代遺跡が作られたのは人魔大戦の前じゃからな」



≪うちらを転移させたオーブ、割れたよね?≫

「魔法陣、展開した時、砕けた、見た」


≪でさ、人魔結界がそのままってことはさ、あっちから来れないってことじゃない?≫

「ふぉふぉふぉ。儂もそれ考えてた。転移のオーブが他にあれど、こちらの大陸に飛べるのは滅多になかろうし、転移魔法か魔法陣の解析ができたとしてもかなり時間が掛かろうしな」


≪てことはー 爺は追ってこれないってことじゃん!≫

「じゃな。ふぉふぉふぉ」

「リコ、神の声、聞いた!」


≪爺がー 死ぬかー 弱るまでー 逃げ続けよー≫

「爺、死んだり、弱ったり、する?」

「そういえば…… 母さまから、母さまが生まれた時から爺は爺だったと聞いたような」


(((・・・・・)))


「リコ、悪魔の声、聞いた……」



「人、魔物、買う?」

「牛や猪の肉くらいは買ってくれるじゃろ?」

「人、魔物、食べる?」


(((・・・・・)))


≪魔草や薬草は買ってくれるんじゃないかな?≫

「錬金の術がなくば食えもせんただの雑草じゃからな」


(((・・・・・)))


「革とか、毛皮、着てた。売れる、かも?」

「売れてもおかしくはないが…… リコ、狩人っぽい奴等の強さはどんなもんじゃった?」

「弱い。魔術師っぽいのも、弱い。どっちも、オク、くらい、かな?」

「オークとタイマン張れる程度か。儂らが狩る獲物を普段狩っとるとは思えんな」


「獣、狩ってる?」

≪だろうねー ゴブリンやオークあたりが襲ってきたらやっつけられても、それ以上は自分が獲物になっちゃうもんねー≫

「うむ。となるとじゃが、普段狩ってない魔物の皮を買ってくれるか、値を付けてくれるかが……」


(((・・・・・)))


「魔物の死体を丸ごとそのまま買ってくれるかも心配じゃ。剥ぎ取りした皮なら買ってくれるとしてもじゃ。魔物の死体出したらビビッて騒がれるだけかも知らんし……」


≪剥ぎ取りか…… できるけど…… できるけど……≫

「リコ、できる子、だけど…… だけど……」

「儂かてヤレ言われたらできるが……」


(((・・・・・)))



「あるじ、後ろに、野ウサギ、何匹か、狩ってこようか?」

「おっ おお。ええな。頼む。野ウサギなら血抜きさえしとけば剥ぎ取りしとかん方がええはずだしな。ナイスじゃリコ」

「リコ、できる子、おー」


・・・・・・・・・


「ええ腕じゃ。威力押さえたら頭吹き飛ばさんで済むのか」

「獣は、頭貫く、くらい、で」

≪さすが≫


「5羽とも太ってるの。肉もいっぱい取れようし毛並みもよいな。これは売れるじゃろ」

「リコ、できる子」

「儂が血抜きしとく。これぶら下げてく蔓かなんか見つけてきてくれ」

「おー」


≪収納は見せない?≫


「馬車には荷物山盛りじゃし、狩人っぽいのも鞄背負っとるし武器も下げてる。収納使えるとは思えん。ここらの狩人が使えん技見せんほうが警戒されんじゃろ。魔物丸ごと買ってくれるなら収納見せるしかないが、まずは野ウサギで飯を買わんと。弁当さっきので終わりじゃで」


≪なる≫

「弁当 おー」



「血抜きが終わったらあの城郭都市に旅の者として訪れることにしようかの。友好的にな」

≪ルーは隠れた方がいい?≫


「隠れんでええ。精霊や妖精は人魔の住み分け関係ないんじゃから人の大陸でも妖精はおろう。いくらなんでも魔物と間違える馬鹿はおらんじゃろ」

≪りょー≫


「この後のことも考えれば、最初から姿現しておいた方がよかろう。毎回隠れるわけにもいかん」

≪だね≫


「儂もリコも聞かれたら種族を隠さずじゃ。根ほり葉ほり聞かれるのも嫌じゃから丸めて魔族って答えることにするか。


 儂らは解析はされんが、魔力感知で人族ではないってことくらい分る者はおると思っといた方がええ。人じゃと騙って言いつくろうより堂々と魔族じゃと告げるのがよかろう。悪さしに来たわけじゃないしの」


「おー」


「殺気放ってきたら首飛ばしてええが、威嚇で抜いてきた程度なら意識刈り取る程度にしとけ。とにかく友好的にじゃ」


「おー」


≪なんか 姫 大人になったね……≫

「うるさいわい。いくぞ」


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