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異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第三章 新生活と弟子編
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90 新たな同居人

「リアはこのような才もあったのだな。妾の舌を満足させるとはなかなかだな」


「何がなかなかじゃ。普段は生肉ぐらいしか食っておらんじゃろ?」



天気は快晴。清々しい朝のはずなのに朝食の席では狐と龍が口論している。



「確かにレシピは私が教えたけど、作ったのはセバスだよ」


「ふむ。セバスとやら。良い腕だ。これからもよろしく頼むぞ」


「お褒めの言葉、ありがとうございます」



セバスは昨日のリーゼの接近からのくだりを知っていて、目の前で朝食を食べる人物が龍である事を知っている。初対面時は緊張していたものの、今では普通に接している。たった一晩で順応するとは…。普通の人間の執事であればこうはいかなかっただろう。



「ん?これからもじゃと?お前もここに住むのか?」


「別に構わぬであろう?リアも部屋は余っておると言っていたしな」


「別にいいよ。ただ、魔力は常に抑えてもらう必要があるけど。あと戦闘には気を付けてね。辺り一帯吹き飛ばしかねないから」



玉藻もいるし、別に1人増えたところで大差はない。人間の姿をしていると燃費が良いようで食事の量も少し多いくらいで問題は無い。

ただ、早々に身分証を発行しないと街の出入りが面倒だ。街などでは緊急時用に身分証で現在の街の人口把握をしているらしい。つまり、昨日の様に門以外から出た場合、記録上では街にいるはずなのに、実際には外に出ていていない。なんて事が発生する。

緊急時の被害報告などはこの記録をもとに行われているらしく、正確なデータ収集の為に厳しくチェックしているという事だ。


と、いう事を昨日、偶然私が空に飛び立ったのを見た衛兵に語られ、怒られてしまった。

申し訳ない気持ちと同時に、色々やらかしてしまっているのに敬遠されず、しっかり怒ってくれる人がいる事に安堵した。

ベネッサが聞いた噂とか自分が聞いた噂などを統合すると、かなりヤバい奴だと思われている可能性が高いからだ。片手間でAランクの魔物を狩れる化け物だとか、気に食わない奴がいればボコボコにして再起不能にする悪魔だとか、関わったら未来が閉ざされる死神だとか…。


ただ、最近売り出した髪の手入れ用の椿油のお陰で、女性からは高評価である。元々、レイラへのプレゼント用に試しに作った物だが、修行に来るレイラを見た近所の奥様方からの要望で商品化し、爆発的なヒット商品になっている。

要望で作って販売した為、お婆ちゃんに連絡し忘れ、商品を知った時にかなり怒られたが、ギルドの方で連絡を入れ商品の販売を止められる段階はとうに過ぎていたらしく、そのまま販売されている。

お婆ちゃん曰く、「ギルドが介入した場合、女共がギルドに押しかけて暴動が起きる」との事。


まあそんなこんなで評価は分かれている訳だが、基本的に男連中には恐れられている事が多い訳だ。ついでに言うと玉藻もたまに冒険者活動していて、私と同類という認識らしい。リーゼはさらにヤバいのだが何とかなるだろうか…

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