82 領主の娘
リアは大きな屋敷に来ていた。領主であるジェイクの住む屋敷である。ある日、セバスが「手紙が届いた」と渡された手紙を開封したところ、ジェイクからまだ来ないのかという催促の手紙だった。急に弟子が出来て、何を教えるかと考えたり時間がかかっていた。
「すいません。こちらに呼ばれたリアという者ですが」
「リア?今日、そんな名前の客人が来るとは聞いてないが…」
「あ、じゃあ帰っても良いですかね」
「ちょっと待ってくれ。ジェイク様より話は聞いている。入ってもらって構わない」
若い感じの門番との会話でなんとか帰れないかと思ったが、年配の門番は話を知っていたようだ。いや、急に来れば門前払いされるとか考えてないよ?ちょっと希望はあったけど…
門番の人が使用人らしき人を呼び、その人に案内されるまま領主の所に連れていかれた。
「遅かったではないか。何をしていたのだ?」
「なんか弟子が出来たから色々教えてた」
「そうか。それよりも門で帰ろうとしたそうだな。そんなにここに来るのが嫌だったか?」
「面倒事は避けるタイプなんだよ。貴族との関わりとか…」
「はっはっは。貴族と関りを持つのが面倒だという者はそうおらんぞ?権力のある者とは繋がりを持ちたがるものだ」
普通はね。けど私、知らない所で国王から認められてるんだよね。ホント何でか知らないけど。
「で、娘の遊び相手なんでしょ?ここにいないの?」
「リアが来たら呼ぶように言ってあるから、すぐに来るだろう」
ちょうどその時、部屋のドアがノックされた。ジェイクの一言でドアが開き、そこからメイド服の女性と金髪の女の子が現れた。軽くウェーブのかかったロングヘアでお姫様っぽい感じだ。どこのお嬢様もこんな感じなんだろうか?
「紹介しよう。娘のレイラだ。どうだ?最高に可愛いだろう?」
「お父様!お客様に毎回そういって紹介するのは止めてくださいって言ってるでしょう!」
ジェイク、すでに嫌われる目前まで来てるんじゃない?娘さん、顔を真っ赤にして怒ってるけど…。いや恥ずかしくて赤くなってるのかな?どちらにしても危ないけど…
「初めまして!レイラ・ルーヴァスと言います。リアさんですよね?お父様から色々お話を聞いてずっと会いたかったんです!さあ、私の部屋に行きましょう!」
「なんだ?私も話に混ぜてくれないのか?」
「お父様はお仕事を頑張ってください」
うわ、この娘…。すっごい笑顔で言ったぞ。参加させる気は完全に無いな。まぁ普通、女の子同士の会話に男が混ざるもんではないから私は助かるんだけど…




