80 子供たちの決意
「こっちも色々準備もあるしそっちも後処理大変だろうから、ちょっとしたら遊びに行くよ。家にいない日とかってある?」
「いや、しばらく無いな。来月に領地の視察に周る予定はあるが…」
「娘も連れてくの?」
「基本的に家から出ないからな。たまには羽を伸ばさんといかん」
「なに?娘って引きこもりなの?」
「いや本人は活発な方だ。ただ稀に貴族の娘を狙う者もいるからな。用心の為だ」
確かに貴族は金持ってるだろうし、派閥?とかもあるだろうし、1人で出歩くのは危険かな…。専用に結界でも組んだ魔導具でもあげてみようかな?
「そう。門番の人に言ったら入れてくれるものなの?」
「門番には伝えておくが、一応紹介状でも書いておくとしよう。後日、お前の家に届くようにしておく」
そう言って領主ジェイクは帰っていった。私も色々準備が必要だな。何を用意しようか?トリートメントとかリンス系なら髪も綺麗になるし喜ばれるかな?うまくいけば商品化も出来るし、多少値が張る様になればお婆ちゃんにでも預けて、貴族相手に売ってもらえるか。
「待ってくれ!」
「ん?」
子供に呼び止められた。教会と一緒に引越してきた子たちだ。4人勢ぞろいである。
「なにか用?」
「俺達を弟子にしてくれ!」
「馬鹿!してくださいでしょ!」
「してください!」
弟子?なんの?何で私?、と混乱していると子供たちは言葉を続けた。
「ねぇちゃん、強い魔物とかと戦ってるんだろ?今の俺達じゃ魔物どころか、さっきみたいなおっさんにも勝てない。俺達、拾って育ててくれたシスターを守りたいんだ!」
「さっきのおっさんは下手に手を出したら、むしろ危ないよ」
「けど、お金があれば自分たちで暮らしていけたでしょ?」
「それはどうだろうね?やってたのは嫌がらせ程度だったけど、ベネッサ狙いだったからねぇ」
「それも戦う力があったら何とか出来てただろ?」
「場合によるかな?相手が普通のチンピラならそれでいいけど、裏で金持ちと繋がってて賄賂とか渡してたら反撃したらアウトだし。まぁ自衛が出来るのは良いから教えるのは構わないよ。ベネッサが許可してくれるならだけど」
そう言ってベネッサに目を向けると、子供たちの行動が意外だったのかうろたえている。
「わ、私としては危ない事をしてほしくないのですが、子供たちの将来の事ですし選択肢が増えるのは良い事だと思います。リアさんの言ったように自衛が出来るというのも大事ですし」
「じゃあ!」
「構いませんよ。ただし、リアさんに迷惑をかけるようなら帰ってきてもらいます」
こうして教会の子供たち4人が弟子になった。ついでだからアリスも鍛えてみようか?年も近いみたいだし(見た目的に)、友達も出来ればやりたい事も見つかるかも知れない。




