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異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第一章 新世界編
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04 憶測

結果だけ言えば、瞬殺だった。

襲いかかってきた熊に対し、土の壁を作ったら激突した。軽い脳震盪(のうしんとう)でも起こしたのか、ふらついていた所に剣で首を落として終わった。



「なんかあっけないな。結構レベル低いエリアなのかな?」



初ログイン時にいる、始まりの街は周囲にはレベル1から高くてもレベル5程だ。次の街など離れていく程にレベルが高くなっていく。正直、最近ではレベルも上がりにくくなっていた為、かなり高レベルなモンスターが闊歩(かっぽ)するエリアにいた。



「まぁ私よりレベル高いモンスターがほとんどいないし、こんなものなのかな?」



今までの場合、敵を斬っても出血と傷のエフェクトが出る程度だ。首が飛ぶなんてことは無い。今の仕様だと首の半分も入れば余裕で絶命するだろう。自分も敵も1撃が致命傷になりうる。



(けど妙だな…。この仕様、速度特化が異常に有利だ。変なバグといい、なんかおかしい気がする)



ピンポイントに消えるメニューやアイテム、消えないモンスターの死体、当てる事が出来ないはずの攻撃で切れる木…。



「もしかしてラノベのお決まり展開?…な訳無いか!実際、ステータスとかもあるし…」



自分で言って一瞬、不安になる。思い返してみると気になる要素はある。

完全なVR技術なんて最先端技術なのに他の分野で聞いた事が無い。更にゲームの方もそうだ。世界初だというのに発売まで何の宣伝も無かった。しかも、それらについて何も思わなかった(・・・・・・・・)


普通ならどうだろうか?VR技術はあらゆる分野で有効なはずだ。軍事、医療、教育、政治、経済。どんな分野でも使い道は多くあるだろう。だというのに、VR技術を使った物が他に存在しない事に疑問すら抱かなかった。



「世界レベルの陰謀って訳は無いだろうしな。そもそも会社の名前すら何だったか思い出せない…」



ゲームのパッケージに書いてあったはずだが、その部分だけ(もや)がかかったような気持ち悪さがある。



「安易に危険に首を突っ込むのは控えとこう」



熊を収納しながら、今後について考える。ゲームではなく異世界だと想定するべきだ。幸いな事にこの手のラノベはそこそこ読んでいる。



「まずは人に会う事。次はお約束の街に入る際のイベントだね」



金が無い。身分証も無い。文字や言葉は翻訳されている事に期待しよう。そして…



「やっぱ自分で解体しないと駄目だよねぇ…」



お腹が空いてきているがログアウトは存在しない。当然、食べずに生きてもいけない。ナイフを片手に最初に吊るした狼の元に歩いて行った。

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