14 商業ギルド
ドルトさんが熱くなり商業ギルドのギルマスも巻き込もうという話になり、ドルトさんと共に商業ギルドに向かった。
「でか…」
商業ギルドについての感想はコレだった。冒険者ギルドも他の建物に比べて大きかったが2階建てだったが、商業ギルドは4階建てだった。しかも正面からは見えないが奥に向かって大きな倉庫も付いているらしい。
「おや?ドルトさん、いらっしゃいませ。どういった御用ですか?」
受付嬢がドルトさんを見て挨拶を交わしている。知り合いの様だ。そこそこ大きい商会って自分で言ってたし常連なのかな?
「ギルドマスターに話があるんだが、会えるかな?」
「確認してきますので少々お待ちください」
そう言って受付嬢は別の職員に受付を任せ、奥の扉に入っていった。数分程待った後、先ほどの受付嬢が帰ってきた。
「お待たせしました。ご案内します。あと、そちらの子は…」
「ああ。すまない。この子も話に関係があるんだ。リアさんだ」
「どうも…」
「どうもこんにちは。受付のミリアと言います」
軽く挨拶をしてミリアさんの案内のもとギルマスの部屋に向かった。そこにいたのはいかにもやり手ですと言った感じの眼光の鋭いお婆さんだった。
「久しぶりだね、ドルト。もう少し顔を見せたらどうだい?」
「普段は王都にいる事が多いもので…。それに今は倅に色々と教えながらあちこち行ってますので」
「ふん。そうかい。で、話ってのは何だい?あとお前さんには娘はいなかったと記憶してるけど?」
「娘ではありませんよ。先日、マルセアに来る途中で会いましてね。良いウルフの素材を売ってもらったんですよ」
「どうも、リアです」
「ほう。私はギルドマスターのアマンダだよ。で、話ってのは何なんだい?」
ドルトさんは先程、私が話した内容をギルマスに説明した。
「冒険者ギルドがねぇ…。たしか、ギルドマスターはカルーノの小僧のとこの三男だったかね?迷惑な事をしてくれてるもんだ」
「それで先程の話なのですが…」
「そうさねぇ…。面白い話ではあるが、嬢ちゃんの実力が分からないから何とも言えないねぇ。嬢ちゃんが他の冒険者を遥かに超える実力が必要になるし、時間もかかる」
ギルマスの考えは当然だろう。他の冒険者が多少苦戦すれば獲れるような素材では意味が無いし、素材を売りに出し始めて、話が広がって冒険者に依頼が行くまでにもかなりの時間がかかるだろう。
「どっちも問題無いよ。特に目的とか無いから時間はかかっても問題無いし、実力の方も試せば良いだけだよ」
「なかなか強気じゃないか。気に入ったよ、ちょいと欲しい素材があってね。そいつを持ってこれたら全面的に協力しようじゃないか」
こうしてギルマスの欲しい素材とやらを探しに行くことになった。




