表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第五章 魔王編
137/150

134 黒幕は…

目の前で横たわっているアレスから少し離れた場所に座る。



「はぁ…はぁ…。…ふぅー」


「随分、お疲れなようだな」


「当たり前でしょ?魔力ほとんど持ってかれるんだから…」



今の回復速度なら2~3分もすれば動けるくらいには回復するだろうが、それでも戦闘中に切れれば致命的だ。これはかつて対アレス用に考えた不意打ちコンボだ。ただ、前回は扱いが完璧じゃなかったから失敗した。ゴーレムの召喚、気配遮断、憑依召喚からの背後からの奇襲。今でこそギリギリで成功したが、前回の時は気配遮断は完璧じゃなかったし、憑依召喚も時間が短かった。おかげで影から出た所でボコボコにされたものだ。



「なぜ、私を殺さない?」


「魔力切れだって言ってるでしょ?」


「動く事ぐらいは出来るだろう。私はもはや動けん。止めぐらい刺せるぞ?」



死霊術によるアンデットは肉体の損傷率で動きが鈍くなる。腕や足では大した事は無いが、胸を貫いた状態なら動く事は難しいだろう。近くに術者がいれば回復も可能だが…



「あんたを動かしてる術者は?」


「それは…。…どうやらそれは喋れんようだ。言葉が出てこない」


「情報の秘匿はやってるか。まぁそんな事出来るやつ、そんなに多くないんだろうけどね」



少なくとも人間サイドにはいないだろう。という事は魔族サイドにいる何者か。アレスの状態を考えればレベルは500前後程だろう。



「他に術にかかってるヤツは?」


「知らないな。私が目覚めた時、周囲には誰もいなかった」


「は?術者は?」


「見ていない。だが、自分のなかで強者を斬るという思考だけが渦巻いていた。大分、自分の意思で動けるようにはなったが、今もそれは変わらん」


「遠隔で死霊術とか、無いわー。戦場とか最強じゃん」



後方の安全地帯から手駒を量産できる。それこそ敵も味方も死んだ人間ならば無差別に。



「そんな事が聞きたくて、生かしているのか?術者が近くにいれば私は復活するぞ?」


「近くには誰もいないよ。てか、流石にもう戦うのは勘弁。でもまぁ弱体化してるとは言え、やっと1本取ったんだから」


「やっと?前に会ったか?それならば覚えているはず…」


「1000年前。まだこの世界がゲームだった頃に」


「1000年前?ゲーム?お前は…うっ!?」


「アレス!?」



急に苦しみ始め、アレスの体が表面から溶ける様にボロボロになっていく。数秒程で完全に体は無くなり、私は1人その場に残された。



「…動かなくなって、負けたと判断したかな…。情報は少しでも漏らさない方が良いし、術を解いたか…」



頭ではそう理解出来ても、胸の内では複雑な思いが駆け回っている。

とりあえず、術者を見つけたらぶん殴る。そう心に誓い、少し休んだ後にマルセアに向けて歩き出した。

最近は随分と暑くなってきましたね。各所で30℃越えもあるようです。この時期に30℃って、夏はどうなるんでしょうね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ