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異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第五章 魔王編
136/150

133 決着

剣聖と戦いながら、ある魔法の準備をしていた。アレスならば警戒して、2度目はまずかからない。チャンスは一度しかない。



「どうした!?先程と打って変わって、防戦一方では無いか!」


「うるさい!ていうか、ギャップが激しいのよ!」



剣を教えてもらっていた頃はこんな風に戦闘中に話す事なんかなかった。それ以外では割と喋る方ではあったが、戦闘では神経を研ぎ澄ましている、と言った感じで精々短い言葉を口にする程度だった。

戦い方もそうだ。ステータスの低下が原因かも知れないが、剣技のみに頼った戦い方をしていたが、現在は周囲の木々などの地形的な物も利用している。



「仕方ない…」



ゴーレムを3体召喚した。オリジナルの魔法『軍団』の無詠唱。元々、魔法としては規格外なこの魔法は、MPの消費が他に比べると高い。そして、オリジナルの魔法の欠点1つ。それは、『規定された詠唱を省略した場合、MP消費量が2倍に上昇する』だ。

ただでさえ消費の多い『軍団』は無詠唱になると、名前の通りの軍団を出せない欠陥魔法だ。それでも重宝してきたし、相手の足止めをして詠唱を完了出来れば、ほぼ最強だ。



「ゴーレムか!」



召喚出来たのは300程度のゴーレムだ。だが十分だ。



「私の剣に合わせて来るか…。面白い!」



合わせているのではなく、合うのだ。このゴーレムの基本剣術は目の前のアレスが教え込んだのだから。

ゴーレムには2種類ある。1つは運営の用意した完全なパターン行動をとるもの。これは敵のゴーレムにも使われているもので、同じ動きしか出来ない為に対処も簡単だ。そして、もう1つが学習型AIのゴーレムだ。

非常に面倒ではあるが、剣や槍などプレイヤーの思い通りに教える事が出来る。ただ、最初は1つ1つこちらから指示を出さないと動く事も無い。

このシステムを知ったアレスは、面白そうだと私のついでにゴーレムにも技を教えて行った。最終的には私より教えてたが…。結果、プレイヤー最強の剣技を扱うゴーレムが生まれた。



「悪いけど…終わりだよ」


「な…んだ?…これは…」



剣聖アレスの胸から真っ黒な腕が伸びている。その腕は背後に繋がっていて、その先には全身を真っ黒に染め上げた私が居た。



『憑依召喚』



召喚魔法の内の1つのスキルだ。契約した相手を自分に憑依させるように召喚する事で、召喚体の能力を自在に扱う事が出来る。その上、私自身のステータスに上乗せする形で召喚体のステータスの1割が加算される。欠点は召喚体のレベルやステータスの高さで憑依時間が変わる事だ。おそらく今のリーゼや玉藻で使ったなら1分も維持できないだろう。


今回使ったのはシャドーマン。ゴーレムを召喚し、気配遮断を使うと同時に潜影で影に潜り、アレスの影から出て、背後から胸を貫いた。

アレスの胸から腕を引き抜いて、憑依を解いた。横たわるアレスは、動けはしないものの意識はあるようだ。死霊術の効果だろう。というか、胸にデカい穴が開いてるのに血も出ないのが逆に気持ち悪い。

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