125 盗賊
弟子たちの休息の為にしばらく休んでいた。怪我をしている訳でも無いし、少し休めばすぐに動けるようになるだろう。
「おっ?こんな所にガキが集まってるぜ?」
「武器は持ってるけど、年齢的に見習いか?」
4人の男が近寄ってきた。まぁ気付いてはいたんだが、動きからして魔物じゃ無かったし、冒険者かと思ったが…
「ラッキーだな。ちょっとした小遣いになりそうだ」
「待て。確か見習いにはDランク以上の冒険者が付き添いに付くはずだ」
まぁ、私がそうなんだけど。見た目的には成人してるようには見えないか…。というか、成人してても女相手だしな。
「小遣いねぇ…。盗賊が舐めた事言ってると痛い目見るよ?」
「盗賊ぅ~?俺らはただ、子供を見つけて保護する。そして、親が見つからず世話も出来ねぇから奴隷商に売り飛ばすだけだ」
「話しぶりからして、初犯じゃないね」
「ぎゃっはっは!ああ!今まで100人くらいのガキは売ったんじゃねぇかな?」
「はぁ…。ゴミだね。弟子たちがいるのに感謝しなさいよ。流石に子供の前で殺すつもりはないから」
「はっ!お前もガキだろうが!!」
男が腰に差した短剣を持って、襲ってきた。相手がガキだと思って真っすぐ来ている。
「は?」
男は間の抜けた声を出した。まぁそうもなるだろう。男の手を肘と手首の真ん中辺りから消し飛ばした。まぁ単なる高火力による焼失だが…。火を使った事で傷口は焼け、出血は無い。
「次は?」
目を向けてやると、男たちはビビッて逃げ出した。逃がす訳ないでしょ?逃げ出した男たちの足元に大きな落とし穴を作ってやる。深さは5m程だ。打ち所が悪かったのか、穴の中から悲鳴やうめき声が聞こえる。男の悲鳴って気持ち悪いな…
「うるさい。私に喧嘩吹っかけといて何逃げてんの?逃げない様に足、消しといた方が良い?」
軽く威圧も使って相手を黙らせる。面倒な事だ。予定より早かったが、まぁ弟子たちに人間の危険性も見せられたし良いか。私に対して恐怖心を抱いてなければ完璧なんだけど…
「今日はここまでかな…。帰るよ」
「せ、先生…」
「ごめん。怖かった?」
「少しだけ…。でも、先生が良い人だってのは知ってるから大丈夫」
ちょっと恐怖を与えた様だが、まぁ及第点だと思おう。
その後、土魔法で檻とゴーレムを作り出し、盗賊共を放り込んで街まで帰った。衛兵に渡した際に怪我も治そうかと思ったが、こんなゴミの為に力1つ見せるのもどうかと思って止めた。欠損回復までやると、色んな相手に狙われるようになりそうだ。




