122 ゴブリン戦感想
近付いてきた魔物はちょうどゴブリンだ。これでウルフとかだったら子供たちにはきつかったかも知れない。
威力を落とした風弾で2匹を後方に吹き飛ばした。
「あの2匹は私がやるから。残りの1匹は頑張ってね」
それだけ言い残し、追加の風刃で2匹を仕留める。初撃でも普通に倒せるのだが、ゴブリンは近くで味方が死ぬと逃げ出す事がある。折角のチャンスだし、逃がす手は無い。
弟子たちは教えられた通りに隊列を組んだ。盾を持ったグースが先頭に立って敵を引き付ける。
(うん。練習通り上手く捌いてるね)
盾を上手く使い、ゴブリンの攻撃を流してる。慣れない相手だからか、時折受ける事もあるが及第点だろう。エリンは弓を構えているが、放つことは無い。ゴブリンの動きが捉えられていないのか、グースに当たる危険を回避しての事か…。後で聞いてみよう。
ハイルも突撃せずに機会を伺っている。前だったらいけそうなら行ってたのに。成長したなぁ…。マリーは…うん。ヒーラーだから特に出番が無いな。グースが上手く捌いている間はやる事少ないな。ただ、いつでも魔法を展開出来るようにしてるみたいだ。
アリスは様子見の様だ。まぁ魔法1発で終わるし、私の意図を汲んでくれてるのかも知れない。
それから数分後。グースの盾に弾かれたゴブリンが転倒し、エリンの矢が1発、ハイルの攻撃が1発でゴブリンは倒れた。
「お疲れ様。思ったより時間かかったね」
「すいません、先生…。ゴーレムやハイルと動きが違ってて…タイミングが…」
「そうだね。普段から同じ相手ばかりだと慣れちゃうからね。まぁこれからは実戦も経験出来るし、色んな相手と出来るよ」
「はい」
「エリンはなんで攻撃しなかったの?」
「ゴブリンがずっとグースの近くにいて…」
「うん。じゃあ良いよ。味方に当たるリスクがあるなら、無理に攻撃しなくて正解。ただ、そういうのは結構いるから、近くに居ても狙えるように練習かな」
「はい!」
「ハイルは…」
「はい!ちゃんと言われた通り敵を観察してた!」
「あー、そうだね。でも、もう少し積極的に行っても良かったかな。相手によっては後ろからの攻撃の時だけの動きとかもあるから。けどまぁ初めての戦闘としては上出来」
「あの…私はどうですか?何も出来なかったんですけど…」
「マリーはあれで良いよ。特に怪我してないのに回復する意味ってあんまり無いし。魔法もいつでも展開出来る状態だったし」
調子に乗って教えたが、実は魔法を即時展開出来るようにキープするのは高等技術だったりする。マルセアの冒険者で出来るのも、もしかしたらマリーぐらいかも知れない。意外に向いているのかも知れない。今度、同時展開でも教えてみようかな?




