115 紹介
「この人たちも一緒に私の修行受ける事になったから」
「この兄ちゃんたちが?」
今後一緒に修行する事になる勇者たちを、子供たちに紹介する。子供たちは週3回程度だが、まぁその都度会う事になるし、早めの方が良いだろうと言う事で連れてきた訳だ。
「親睦会も兼ねてうちでご飯にしようと思うんだけど、シスター連れてきてくれる?」
「先生、シスターじゃなくてベネッサ先生だよ」
「いやベネッサは知ってるけど…」
「あそこは教会じゃなくて、しゅーかいじょ?なんだって。だから、シスターがいるのはおかしいからって」
ベネッサあの言い訳通すつもりなんだ…。そのうち教会関係者に話を通しとこうと思ってたのに…
「まぁなんでも良いよ。ベネッサ個人である事が重要だから。呼んできて」
「はーい」
子供たちはアリスを除く全員が走っていった。呼びに行くだけなら、1人で良いのに。
「その子はいかないんだな」
「アリスは教会じゃなくて、ここに住んでるからね。一応、セバスと同じ奴隷だよ」
「奴隷…」
「そんな殺気飛ばさないで。アリスが怖がるから」
恐慌状態になったり泣き出したりしないだけ凄いが、テーブルの下では私の服を強く握りしめていた。
いくら吸血鬼っていってもレベル差があるし、多分勇者なら殺せるような技もってそうだしな。
「私1人で住むには大きい家だからね。かと言って、どこの誰かも分からない人間を雇うつもりも無かったから放置してたけど。玉藻が奴隷の事を教えてくれたからね」
「あの狐の獣人か…」
「ふさふさ尻尾のおねぇさんね」
いや、確かにふさふさ尻尾のおねぇさんだけど…。何をやってるんだ、彩音。
「私個人としては先程のシスターの話が気になるのですが…」
神官少女リリアが急に会話に参加した。彩音が紹介の時に聖女とか言ってたっけ?教会関係者かな?
「元シスターらしいよ。どうでも良いけど」
「詳しいお話を知っていればお伺いしたいのですが…」
との事で、ベネッサとの出会いから今の教会もどきの状況までを、かいつまんで説明した。リリアが何か考えている様だ。やはり教会関係者なのだろうか?
「こんばんは、リアさん。すいません、私までご飯に呼んで頂いて…」
初めて見るベネッサの私服姿である。普段のシスター服同様にグレーを基調としたワンピースタイプの服だ。
そして、シスター服では分からなかった巨乳が…
「ベネッサ…胸、大きかったんだね…」
「へ?ああ…教会学校に通ってる頃に大きくなり始めて…。基本的に教会関係者は清貧が美徳とされてますから、あまり大きいのはどうかと普段は布を巻いてるんです」
衝撃の告白である。
そこまで大きくないと思ってたから、味方だと思ってたのに…。いや、別に敵って訳ではないけど。




