102 いざ謁見へ
その後、勇者たちと無理やり分かれて一直線に玉藻たちと合流。さらに時間をかけないように敵を無視してダンジョンを出た。
「随分急いでおるがどうしたんじゃ?」
「ダンジョン内で勇者にあってね。多分、私達より先に入ってたんだろうけど、どうもきな臭くてね。それに面倒事もあるし早めにね…」
そのまま冒険者ギルドでグラマスへの報告、ミスリルを5kgほど渡した。あれだけあればダンジョンの報告としては上等だろう。
さて、ここからが面倒事だな。王城に行かないと…。逃げても良いんだけど、マルセアに住んでるって知ってるし、もう少し王都も楽しみたいしね。
「2人はどうする?一応、呼ばれてるの私だけだし、自由にしてもらって良いんだけど」
「儂は適当に依頼でも受けとこうかのぅ。こちらはマルセアより物が高いようじゃしの」
「妾は適当に散歩でもするとしよう。こうして地に降り、人の生活を見ると言うのもなかなかに面白い」
誰も付いてこないのか…。薄情者たちめ!いや、良いんだよ?自由にしていいって言ったし、正直勝手来ても城に入れるかも分からないし。
「じゃあ玉藻、リルお願いできる?多分、中まで入れないからさ。場合によっては送還するかも知れないから」
「場合によっては…のぅ。リアよ。楽しそうな事なら念話を飛ばすのじゃぞ?」
「何考えてるか分からないけど、そこまでの事は無いよ」
ちょっと一部の人間が敵対する可能性があるってだけ。だからって国と喧嘩するつもりは無い。ちょっと脅すくらいはするけど。
適当に会話を打ち切って、1人王城までの道を歩く。懐かしいものだ。ゲームではよくこうして歩き、未発見のクエストが無いかと探したものだ。王城もただ存在しているだけで、門の内側には入る事が出来ない背景のような存在だった。そう考えると結構レアな事に遭遇しているのかも知れない。
そんな事を考えながら歩いている内に王城の城門まで辿り着いた。門の両端に鎧を着た門番が立っている。あの門番には話が行っているんだろうか?
「すいません。王城まで来るように言われたんですけど?」
「む?君のような子が?何か紹介状はあるかな?」
「え?そういや無いな…。来いって言われただけで渡されてないし…。あれ?もしかして、入れずに帰れるんじゃ…」
「そんな訳無いでしょう?入城許可はありますよ」
門の向こうから前にマリーナで会った騎士さんが声をかけてきた。確か…レイナード…いや、レイアードだっけな?
「ここからは私、ライアードが案内いたします」
ライアードでした。いや、結構前だったし、名前1回聞いただけだし、そもそもあの一瞬しか絡んでないからね。それっぽい名前が思い出せただけでも十分だよね?
心の中でそんな言い訳をしつつ、ライアードについて行って王城に入っていく。
何気なしにアクセス解析を見たら、1日2000とか3000のアクセスの中、4月24日だけ960という数字が…
いったい何があったんだ?




