09 ギルドのテンプレ
ギルドに入った瞬間、座っていた男たちの視線がこちらに向いた。
「こんにちは。冒険者ギルド、マルセア支部へようこそ」
美人な受付嬢さんがにっこりと笑いこちらへ挨拶した。そしてレイファ程ではないが胸もおおきい。何だろう?この世界、巨乳しかいないのかな?滅びればいいのに。
「護衛依頼の達成報告とこちらの嬢ちゃんの登録を頼む」
アランさんはそう言ってギルドカードと丸めた紙を受付嬢に渡した。
「かしこまりました。…サインを確認しました。達成おめでとうございます。あと、こちらの女の子の登録ですね。初めまして。私は受付嬢のライナと申します」
「初めまして。リアです」
「新規の登録でしたら、こちらの用紙に…」
「おいおい!ここはガキの来るような所じゃねぇぞ!」
急にスキンヘッドの大男が大声を上げた。ドスドスとこちらに歩いてくる。
「ガキって私?一応、15なんだけど、登録出来ないの?」
「あぁ!?年齢なんざ関係ねぇよ!お前みたいなチビが冒険者なんて出来ると思ってんのか?よえー奴が登録しても邪魔なだけなんだよ!」
「ジガルさん!冒険者ギルドにはそのような事で登録をお断りする理由はありません!」
ライナさんが大男に食って掛かった。どうやらこの大男はジガルというらしい。
「受付嬢風情が!じゃあ、あんたはこんなガキが依頼に出て死んだら責任取れんのか?あぁ!?」
「そ、それは…」
「ライナさんが責任取る必要ないでしょ?冒険者なんて自己責任の世界でしょ?討伐にいって違うモンスターがいたりしたらギルドの責任かも知れないけど」
モンスターと戦う事もあるんだからギルドもいちいち冒険者が死んだ程度で責任なんて取ってられないだろう。責任だなんだと喚くなら冒険者にならなければいいだけだ。
「はっ!良く言った!じゃあこうしようぜ!俺とお前で勝負をしよう。それなりに戦えるってわかりゃ文句も言わねぇよ」
「ジガルさ…」
「お断りします」
何でそんな面倒な事をしなければいけないのか。
「なんだぁ?逃げんのか?」
「面倒。その勝負を受ける義理もメリットも無いし、時間も無駄」
「じゃあ有り金全部でどうだ?金貨で8枚ある」
「微妙じゃない?」
基本的な硬貨は全部で5種類。銅貨、大銅貨、銀貨、大銀貨、金貨だ。これ以上となると一部の大商人や貴族、王族ぐらいしか使わないミスリル貨や白金貨となる。聞いた話によるとそれぞれ10枚で上の硬貨と同等。宿一泊一食付きで銀貨3~5枚程だという。つまり金貨1枚で20日分程だ。
「そうだなぁ…。じゃあ、こちらの条件を呑んでくれるなら良いよ。当然、ギルドにも条件出すけど」
「えっ?ギルドにもですか?」
「当たり前でしょう?ちゃんと教育してくれてないから絡まれてるんだから」
リアは軽く微笑んで言った。
しかしアランは「リアちゃんの後ろにオーガよりも恐ろしい鬼が見えた」と語ったという。




