お出かけ2
「お前はいったいなんなんだ?」
もふもふしながらそう尋ねるとそいつは、チュンと鳴いた。
その時かすかにこいつが振動していたため本当にどこからか声を出していると分かった。
おれはこの不思議な生き物をどうしようか迷ったあげく、ルイリに見てもらうことにした。
「ルイリこれ、なに?」
おれはルイリの目の前に手の上に載っているもふもふしたやつを出した。
「え...あなたこれに触れてなんにもないの?」
ルイリは非常に驚いた顔をして、そしてかなり距離を取ってからそう言った。
「特に何もないが」
「説明するけど驚かないでね」
どうやらこいつは魔物の一種らしく特に人に害を与えることがないそうだ。
だが、触られると興奮状態になりもふもふした毛が鋼鉄のようにとがり尚且つ、時速120㎞オーバーで飛び回るらしい。
それを聞いたおれは即座にそいつを思いっきり投げ捨てた。
そいつは窓からきれいな放物線を描いて飛んで行った。
「あなた何してるのよ!!興奮させたら駄目じゃない!!」
「いやそうは言っても焦るだろ!ふつう」
ルイリとあーだこーだ言いあっていると。
チュンチュン♪
そいつが木枠の割れた窓にちょこんといたのだ
二人は目を疑った。
確かに先ほど俺が全力で投げたこいつは野球選手も顔負けなスピードで彼方に飛んで行ったはずだ。
それにもかかわらずこいつは平然とそこにとまっていた。
「おい!ルイリ!なんだ!」
「私も知らないわよ!!」
再び騒ぎ出した二人の間にそいつが割って入ってきた。
「チュン」
「「ぎゃああああああ!!」」