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ファンタジーマフィア  作者: 青茶
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目覚めてしまった

「見て見て!お母さん!」



「どうしたの?」



「あそこに変な人がいるよ!」



「そうね、近寄ったらだめよ?」



「なんで?さっきから危なくないよって言ってるのに?」



「誰が言ってるのかな?」



「あそこの変な人だよ!頭の中がグワングワンしてるんだ!」



母親は笑いながら少年の頭を撫でながら言った。


「もう、そんな訳ないでしょ?さあ、帰りましょ」

.......現在.......



「あら、目覚めたのね」


奥の部屋からかわいらしい声が聞こえる。


「えぇ、ここはどこでしょう」


「私の家よ」


そう言って、その子は姿を見せた。











筋肉の塊じゃねぇか。


きれいに盛り上がった上腕二頭筋。

どこから首なのかわからないほどの僧帽筋。

どれぐらい水泳をやったらそうなるの、広背筋。

一般女性より大きいであろう、胸筋。

そして見事に割れたシックスパックの腹筋。

木の幹のような太もも。

めちゃくちゃ筋が入りまくっている脹脛。




もう一度言おう。筋肉の塊じゃねぇか。



「ねぇ、私を見るなり急に黙り込んじゃってどうしたの?」


声と顔はもう天使のようだ。ミラジョボビッチのような美しく綺麗な青い目をしている。


体と顔があってなさすぎる。


「いや、何もないです。本当に何もないです」


「そう?ならいいけど」


「あ、すみません。ここはどこでしょうか」


「ここ?プロックっていう集落みたいなものよ」


プロック、聞いたことない地名だな

そもそも地理があまり得意ではないからわからないのも当然か


「ところで、あなた名前は?」


「鵬です、美月鵬です」


「変わった名前。私はルイリ・エンジャーよ

 歳は21才!ルイリって呼んで頂戴」


まさかの一つ違いだとは思いもよらなかった。


ていうか、思いたくなかった。

こんな筋肉つきまくりの顔だけ美女だもの。


「ところでホウはどこから来たの?」


「ああ、そうです..っ!!!」


なんだこれ!?

頭が割れるように痛い!おれは何でここにいるんだ?もともとおれはどこにいた?なんで何もわからないんだ?


「あ、えっと、思い出せないなら別にいいわよ。ここにいる人たちはわけありが多いからね」


尋常じゃない頭痛だ。

まるで誰かに脳をいじくられているような、そんな痛み。


「あなた家の場所とかわかる?なんなら送ってもいいけど」


「ああ、えっと東区の辺りなんだけど」


「ヒガシク?聞いたことない地名ね。ちょっと待ってね」


そう言ってルイリは小さいポーチから2m四方の地図を取り出した。


「え?ちょっとどうなってるんですかそれ」


「これ知らないの?家とリンクしていて、任意のものを引き出せるポーチよ。結構市場に出回ってるものなんだけどなー」


いわゆる、四次元ポケット!?

ほしい!ほしすぎる!


「ん~、ホウが言っている地名はないわね」


「そんな、地図見せてもらってもいいですか?」


そう言っておれはルイリが拡げた地図を見た。


え、なにこれ。


おれが見たことある地図とは大違いだった。

まず、陸が多い。

べらぼうに水の面積が少なかった。


「なんだこれは…日本ですらないし、もしかして縮小された地図なのか?」


「違うわよ、世界地図よこれ」


嘘だろ、どこだよここ。


もうわけわかんねえよ。


「まあまあ、落ち着きなさい。今必死に考えてもわからないものはわからないのよ」


なんだよ、こいつは知った風な口を聞いて。


「うるさいな!知った風な口を聞くなよ!本当に何が何だかわからないし、起きたら筋肉ゴリラがいるしさあ!!」


「あら、ホウ。誰のことをいってるの?」


「はあ?鏡見ろよ!クソマッチョゴリラが!!」


「それ以上言うとアウトよ」


ルイリはそう言うとおれの前にいた

瞬きはしていない。断じてしていない!


「ねえ、ホウ?」


なんだよこいつ。


「なんだよ、クソマッチ」


「ねえ、ホ ウ ?」


おれがクソマッチョを言いかけた瞬間、首を掴まれ持ち上げられた



「言っていいことと、悪いことの区別もつかないの?」


「ゲブォッガバァッ」


現在進行形で首を掴まれている、正確には片手で首を絞められている。


「ねえ、何か言ったらどう?」


「ザダブォアナ」


ちなみに「死ぬ」と言いました。


「あら、やだ。私ったらついカッとなっちゃうのよ。ごめんなさいね」


ルイリは手を離してそう言った。

もう少し遅かったら逝っていただろう。



「そんなこと、女の子に言っちゃだめよ、傷つくからね」


おれが傷ついて死にかけたんですが。


「じゃあ、ホウはこの辺を全く知らないわけね」


「そうですね、なんでここにいるのかもわかりません」


そういうと急に筋肉ルイリが震えだした

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