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ファンタジーマフィア  作者: 青茶
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なんてことはない日常


空は雲ひとつない快晴で

今太陽は真上にある。



ただ広い広場の真ん中で

不思議な人と喋っていた。


「ねえ、なんでいつもここにいるの?」


「それはねえ…追い出されたからだよ」


「何か悪いことしたの?」


「そんなことないと思うんだけどね~」


「それじゃあバカちんなの?」


「……そんな言葉覚えたらダメだよ….」


「テレビで見たの!

家はどこ?詳しいからあんないしてあげる!」


「家はねぇ…まだ君には案内できないや

いつか招待してあげるよ」


「ほんと?」


「ああ、ほんとだとも。楽しみにしておいて

それより、あれは君の母親じゃあないのか?」


「あ!ほんとだ!」


少年は広場を駆け抜けて手招きしている母親の方へと向かっていった。


「お母さん、あのね!今不思議な人とおはなししてたんだよ!」


母親は笑いながら少年の頭を撫でながら言った。


「もー、何言ってるの?誰もいないわよ!

さあ帰りましょ~」


「鵬!!起きてるの?」


「ああ、今起きたところ」


2階の質素な部屋のベッドからおり、着々と着替えをしている。

この着々と着替えている少し茶髪の普通そうな感じの顔をした少年。

平均的な身長、平均的な体重、平均的な座高。

全てが普遍的で普通である。


おれの名前は美月 ミツキホウ

ごく普通の大学に行きとてつもなくパンが好きだ。


「鵬!まだなの?」


さっきから叫んでいるこの人はおれの母さんだ。

母さんは普段から色々気を使っているからか最近白髪が何本か見え隠れするようになってきた。


「今いくよ」


階段を下りて1階のリビングに向かう。

家は大きいとも小さいともいえないような普通の家だ。

母さんがこつこつためて買った家らしい。


「もうご飯さめてるわよ」


「なんで毎朝ごはんなんだよ…」


「おいしいからいいじゃない」


そう母さんは大のごはん好きだ。

とあるイタリアンレストランで母さんがいったんだ。


『すいませーん』


『はい』


『ここって、ごはんあります?』


『いえ、こちらには…』


『ないって?なんで?ここ日本でしょ?』


『ここはイタリアンレストランなので』


『イタリアンレストランだからなに?お米ぐらいあるでしょ?そもそもリゾットとかあるじゃない。それなのにお米がないってどうなの?リゾットだせませーん、お米無いからだせませーん。なんてバカみたいなこと言うの?どうなのよ、返事しなさいよ、店長呼びなさいよ、シェフ呼びなさいよ』


『シェフゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ』


と、バイトであろうその若者が泣かされるほどの勢いで言ってしまうほどごはんが好きなのだ。

なのでほとんど毎朝白ごはんが出てくるのである。


「あなたもいずれわかってくるわよ、ご飯のおいしさがね!」


「いや、まあ、おいしいとは思ってるよ」


実際ご飯もそこそこに好きなので別にこれといって文句はない。

昔からパンが大好きなのでパンがいいだけだ。

母さんは一向にパンを食卓に出そうとはしないが…。


「ごちそうさま。

それじゃあバイト行ってくるよ」


「気をつけてね」


「行ってきますっと」


自転車に乗り駅前のスーパーへ向かう。

なぜスーパー?パン屋さんじゃないの?

とよく聞かれるが、なんせ時給がいいからだ。


ただ、面倒なのもいるんだけども。


「あ!鵬さん!」


ほらきた。


「…ちょっと!?無視ですか?」


面倒だから無視するに決まってる。

おれは自転車のスピードを上げて行く。


「ちょっ!早いですって!!」


それについてくるお前は何だ?


おれは自転車でまあまあの速さでこいでいると思うんだが、あいつは走っている……


「…はぁ、はぁ、やっと止まってくれた」


怖い、怖すぎる。


「こんなか弱い私をおいて行くなんてさすが鵬さんですね!ほんとに!」


御機嫌斜めかよ。


「蒼井さんは大丈夫だ」


「うわ!さん付け!いつも名前で呼んでって行っているのに」


この異常な脚力のやつは

蒼井シェリー(アオイシェリー)

高校生で、ハーフ?なのかは知らないがとても整った顔立ちをしている。

身長はまあ160前後で体重が大体5

「はい!ストップ!何か失礼なこと考えてるでしょ!」


と、まあ、読心術も心得てるようなやつだ。


「もう、鵬さんはすぐにエッチなことを考えるんだから!」


前言撤回、読心術もクソもない。


「そーですね」


「ところで!鵬さん!」


「なんでしょー」


「今週の日曜ってあいてますか?」


「あいてない」


「うわー、即答。泣きたくなっちゃう」


なんでこいつのために予定を空けなきゃ行かないのか、そもそも何もないが行く気がしない。


「行きましょうよー、帰りにエッチなホテルに行っても私は…問題ないですよ?」


「あいてない」


「ほ、ほら、その、私を好きにしても問題ないし」


「あいてない」


「ぐずっ、なんで?なんでそんなに断るの?」


「あいてない」


「なんなの!もー!家行くから。家行くから!待っててくださいねぇぇ」


あいつは全速力(自転車より早い)でどっかへ消えて行った。

いや、マジで困るんだけど、ていうか家知ってるって何?怖い、怖すぎる。



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