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翡翠色の魔法師  作者: さくらもち
3/4

出会い

遅れましたすみません。

ガタン

馬車が道の石に引っかかり揺れた。その衝撃でボロボロの少女は、目を覚ました。


「ん、ここは、、、馬車!え、え、えっと、」


この少女は馬車に乗ったのは初めてなのか?いや、それともこの状況を把握出来てないのか、どちらにしても困っている様子だった。


「初めまして。私、アイシャって言いますの。アイシャ・クローツィオ。あなたは?」


こんな非常事態なのにアイシャは自己紹介をしていた。なぜなのかは分からない。優しい表情で、少女を安心させるかのように。


「え、えと、私は、フィナって言います。」


フィナは奴隷だった。名前を名乗ることなんてなかった。だからちゃんとした名前もなかった。

動物達と話す時に呼ばれる名前を名乗った。

領主様に覚えさせられた。名前。


「失礼します。お嬢様。」


「なんですの。せっかくフィナと話していたと言いますのに。そんなに重要なことなんですの。」


「殺人猪がすぐそこまで近づいています。このままでは追いつかれます。どうしますか。」


「では、魔法師達に追い払って貰いましょう。もちろん乗ってますわよね。」


「このような事態は想像していなかったので、魔法師1人で、さばききれるか怪しいところです。」


すぐそこまで猪達が迫っていた。フィナは恐怖でどうにかなってしまいそうだった。アイシャさんは私の名前を呼んでくれた。そんなのは久しぶりで、暖かい気持ちでいっぱいになった。閉ざしていた奴隷時代の思い出の扉をこのアイシャという少女はこじ開けてしまった。

今まで誰も開けられなかったのに。


「私がなんとかする。」


とっても怖いけどこの隣にいるアイシャを失うのはもっと怖かった。あって数分なのに、それでも助けたいと思った。


「何言ってるですの。そんなの自分の命を捨てるのと同じなんですのよ。私はに会うのは初めてでしょう。それなのにどうしてそこまでするんですの。」


アイシャは怒ったのかも知れない。でも、領主様は言っていた。それが あ た り ま え だと。

だからフィナは馬車に乗ってる人達に優しく微笑んで、走り出した。


「私なら大丈夫ですからぁぁぁ」


馬車は止まらない。どんなにアイシャが叫んでも声は届かない。その場に崩れ落ちて泣いた。


「どうしてですの。どうしてこうなるんですの。」


そのままアイシャは動けないでいた


「どうするどうするどうする」


思い切って飛び出した物の、フィナはどうしていいか分からずにいた。相手は殺人猪だ。困るのも仕方がない。


「そうだ!猪さんと話してみよう。それくらいなら、簡単だよ!」


フィナは数秒のあいだに怖い気持ちなんて吹き飛んでいた。どんな姿をしていても生き物は生き物。簡単に仲良くなることができるきがした。


「猪さん。そんなに怖がらなくていいよ。大丈夫だよ。あなた達にはこの美しい場所がどんな風に見えているの?教えて欲しいな。」


フィナは優しい声で表情で殺人猪に話しかけた。

猪達はフィナに近づいた。先程までは、ギラギラしていた猪の目がまるで幼い子供のように輝いていた。そしてフィナは聞いた。


「猪さん達はどうしてこんなことしてるの?こんなことしたら仲間たちも傷がついちゃうし、痛いよね?」


猪達は話す。まだ悪さをしていなかった頃、作物を盗む人間を捕まえようとしたら、勘違いされたそうだ。殺人猪だ。と。とっても辛かったがこのままでは行けないと思い、人間達にその事を伝えようとしただけだったらしい。1人も殺していないそうだ。


フィナは猪達と話し、状況を整理した。

凶悪な猪は悪事をしているとは思えなかった。


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