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冬の王女様の悩み

作者: よつば
掲載日:2017/01/16

冬童話2017投稿作品です。

人々が春を心待ちにするので

冬の王女様は悩んでいました。

冬は嫌われているのでしょうか?

あるところに春、夏、秋、冬、

それぞれの季節を守る4人の王女様の住む国がありました。

国の真ん中にある塔に、1人の王女様が3ヶ月入ります。

王女様が交代すると、1つの季節が終わり、

1つの季節が始まるのです。


今は冬です。

冬の王女様が塔に入っています。

冬の王女様は、塔の中で悩んでいました。


なぜなら毎年、冬から春になると人々は喜ぶからです。

自分と冬が嫌われているような気になってしまいます。  

それだけではありません。

春から夏になる時も、人々は

「海や川で泳げるぞ!夏が楽しみだ!」

と、喜びます。

夏から秋になる時も、人々は

「秋は食べ物が美味しい!秋が楽しみだ!」

と、喜びます。


しかし、秋から冬になる時は

「寒くなるなぁ、億劫だなぁ」

「雪かきしなくては、大変だなぁ」

と、嫌な声ばかり聞こえます。


それともう1つ悩みがありました。

冬の王女様以外の春夏秋の3人のお姉様達の事です。


春のお姉様は明るくて、人々の人気者です。

見ていると華やかで、楽しい気持ちになります。


夏のお姉様は情熱的で、人々の人気者です。

見ていると元気を貰え、やる気が出てきます。


秋のお姉様は穏やかで、人々の人気者です。

見ていると気持ちが落ち着き、安らぎを感じます。


それに比べると、冬の王女様は大人しく、

あまり話したり人々の前に出たりしません。


冬と私は人々に必要なのだろうか…

お父様、お母様は3人のお姉様達と比べて

私を情けなく思ってはいないだろうか…

冬の王女様は、塔の中で悩んでしまいました。


そんな冬の王女様には塔に入ると、必ずやる事がありました。


歌です。

冬の王女様は歌を歌うことが大好きなのです。

いつもは恥ずかしくて、大きな声では歌えませんが、

塔の中なら誰も聞いていません。

いつも冬の始めには塔の中で、思い切り歌う事にしていたのです。


♪ララ~ラララ~


今年も思い切り歌いました。


そして3ヶ月が過ぎようとしていました。

いよいよ明日は交代の日です。

春の王女様は支度をして、塔の扉の前にやってきました。


しかし交代の日になっても、冬の王女様は塔から出てきません。

冬の王女様は、まだ悩んでいたのです。


人々に冬は必要なのだろうか、この国に私は必要なのだろうかと悩むうちに、冬の王女様はもう少し人々に冬を楽しんで貰おうと考えました。


「もう少し冬を楽しんで貰おう。

そして私が塔にいれば、お姉様達は塔に入らなくて済むし、

お姉様達が外にいる方が人々も喜ぶわ」


そう考えた冬の王女様は、

しばらく塔から出ない事に決めてしまいました。


交代の日から3日たっても、1週間たっても、

春はやってきません。

人々は、長く続く冬に困り出しました。


春、夏、秋の王女様達が、

塔の扉の前にやってきて言いました。

「いったいどうしたの?順番を守らないと困るわ」


しかし、冬の王女様は出てきません。


春夏秋冬の王女様達の父である王様と母であるお妃様が、

心配して塔の扉の前にやってきました。

「いったいどうしたのだ?出てきておくれ」

「寂しいわ、かわいい顔を見せてちょうだい」

 王様とお妃様が言いました。


それを聞いた冬の王女様は


(お父様、お母様は私の顔が見られず、

寂しがってくれているんだわ)


と知り、嬉しくなりました。

しかし、まだ塔から出てはきませんでした。

困り果てた王様が、国の人々に言いました。


「どうか冬の王女が出てくるよう、説得しておくれ」


それを聞いた人々は、みんな塔の扉の前にやってきて、

冬の王女様に順々に話しかけました。


「王女様、寒くてたまりません。

どうか春の王女様と交代して下さい」


「王女様、花が咲きません。

どうか春の王女様と交代して下さい」


「王女様、雪がやみません。

どうか春の王女様と交代して下さい」


人々が春を心待ちにしている声を聞き、冬は必要なのかと

冬の王女様はますます悩んでしまいました。


次の日も、その次の日も人々は塔の扉の前にやってきて、

冬の王女様に話しかけました。

しかし、冬の王女様は出てきません。


王様もお妃様も王女様達も人々も、みんな困ってしまいました。

すると、遊んでいた子ども達が扉の前にやってきました。

子ども達は冬の王女様が聞いているとは知らず、

話し出しました。


「冬って寒いけど、雪合戦出来て楽しいな」


「冬って息が白くなり面白いよね」


「寒い外で遊んでから家でスープを飲むと、

いつもより暖かくて美味しいんだよね」


冬の王女様は、嬉しくなりました。

もっと冬の良い所を聞きたくなり、

扉の前で聞き耳をたてました。


「でもさ、このまま冬が続くとつまらないな」

 1人の子どもが言いました。

それを聞いた冬の王女様がまた悩んでしまい、

扉から離れようとした時、子どもは続けて話しました。


「だって、ずっと冬だと次の冬が来ないもん。

毎年冬が来るのが楽しみなんだ!

冬の初めに、塔から歌が聞こえるだろう。

僕、あの歌を聞くと元気が出るから毎年楽しみにしてるんだ」

 

それを聞いた冬の王女様は嬉しくなりました。

(こっそり歌っていた歌を楽しみにしてくれていたなんて。

私でも人々に元気を与えられるなんて嬉しいわ。

でも、歌なら塔の中にいて歌えばいいんだし…)


冬の王女様が悩んでいると、また子どもが言いました。


「毎年一緒に冬の王女様の歌を聞いていたお母さんが

病気になっちゃったんだ。

冬の王女様の歌を聞きたがっていたから、

冬の王女様が出てきたら、うちに来てお母さんの前で

歌ってくれないか頼んでみようと思ってるんだ。

きっと元気が出て、病気も治ると思うんだ」


それを聞いた冬の王女様は、決心しました。


(あの子の家に行き、あの子のお母さんの前で歌を歌おう。

こんな私の歌で元気になって貰えるなら私は歌いたい)


塔の扉がそっと開き、中から冬の王女様が出てきました。

王様もお妃様も人々も子ども達も、みんな喜びました。


そして春の王女様が塔の中に入り、無事に春はやってきました。

王様もお妃様も王女様達も人々も、みんながホッとしました。


冬の王女様は、すぐに病気のお母さんがいる

子どもの家に行きました。

そこで歌を歌うと、子どももお母さんも喜んでくれました。


「私は冬が好きです。

凛とした雪景色を見ると、心が洗われますもの。

それに冬の王女様の歌を聞いていたら、元気が出てきました。

冬の王女様は冬と同じ、凛としていらっしゃいますね。

私は冬も冬の王女様も大好きです。

今日はありがとうございました」

 子どものお母さんは頭を下げながら言いました。


冬の王女様は嬉しくなりました。

それから毎日お見舞いに行き、歌を歌いました。

少しずつ体調も良くなって、子どももお母さんも

喜んでくれました。

元気の出る歌の評判を聞いて、私も歌を聞きたい、僕も歌を聞きたいと、人々は冬の王女様に頼みました。


冬の王女様は

(私にも人々の為に出来ることがあるのだ)

と、嬉しくなりました。


王様とお妃様は塔の前に夏、秋、冬の王女様達を呼びました。

塔の中にいる春の王女様にも聞こえるように、扉の前で話し始めました。


「どの季節も大切な季節。

どの季節が欠けても、人々は困ってしまう。

これからも順番に季節を守っておくれ」


王様が言うと4人の王女様達は

「はい」と返事をしました。


「それにね…」

 小さな声でお妃様が王女達を見ながら言いました。


「王様も私もあなた達の顔を3ヶ月見られないのは、

とても辛いのよ。

でも、大事な役目だから我慢しているの。

3ヶ月たったら元気な顔をすぐに見せてちょうだいね。

4人とも大切な私達の娘ですからね」


冬の王女様はとても嬉しくなりました。

お姉様達は冬の王女様を見てニッコリと笑いました。


それからは3ヶ月ずつ、きちんと季節が来るように

なりました。


この国には4人の人気者の王女様達がいて、

いつまでも人々は幸せに暮らしました。



おわり


なかなか話がまとまりませんでした。

春が来ると気持ちがウキウキしてきますが、

空気の冷たくなる凛とした雰囲気のある

冬も良いですね。

日本には四季があり、それぞれ素敵な所があり

、どの季節も素晴らしいです。

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