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すべての女の子は強敵

こんにちは。今回は悠が強くなったり・・でも勝てなかったり、みたいな感じです。

以外と書きたいこと多くてダンジョン攻略書けない・・

ダンジョンは次回くらいにがっつり入りそうです。

こんな感じですが、始まります。



自己鍛錬することは少なくとも自分にとっては必ずいいことがである、なぜなら訓練に励んでいると、気付くことがたくさんあるからだ。


一つ目は、筋力が隠しステータスのような形でついたかもしれない、ということ。

この世界に隠しステータスのようなものがあるのかどうかは知らないが、起きて、剣の素振りしていたら昨日より幾分か軽く剣が軽く感じられるのである。そして、素振りの後、昨日のように訓練ー正しくいえば金と経験値稼ぎーをしに行き、湧いたモンスターに一振りお見舞いしてやったところ、昨日までは一撃では体力の削りきれなかった初期レベルモンスターが一撃で絶命したのである。さすがに裏ステータスとやらに何か筋トレが関係しているかどうかはわからなかったが、それでも俺は素振りのトレーニングは有効であると確信したのである。これに気づいたのは大きな一歩かもしれない。


二つ目は特殊スキルを習得したということ。

なぜなら、訓練している最中にレベルが上がって自然に習得したのだろう。敵モンスターの不意打ち攻撃もある程度は感知できるようになってきたからだ。一見地味そうに見えるこのスキルだがとても重要なのである。

この世界では、敵モンスターから不意打ち判定の攻撃を受けると、ダメージが1.5倍に増加することがわかった。

また、暗い場所にいるモンスターも感知できたりもする。

だからこちらも有利に戦闘を進める上でかなり大きい一歩である。



今日も、昨日と同じように俺はずっと訓練所にこもってレベリング兼金稼ぎをしていた。

だいぶ時間はたったしそれ相応のモンスターは倒しただろうか。

今日だけでもレベルはかなり上がった。

ステータス的にも街の外のダンジョンにも安定して挑めそうなレベル、いわゆる安全圏に到達したはずである。


「ここの施設のモンスターの経験値ではもうレベリングがはかどりそうにないな」


そこで悠は訓練所生活に終止符を指し、危険だが高効率なダンジョンに行き、レベリングをすることにした。

以前出会ったトトは覚えているだろうか、彼女は実はかなりの高レベルプレイヤーなのかもしれない。

今の俺のレベルは36なのだが、彼女はおそらくレベル60は超えているだろう。なぜなら、掲示板によれば、魔法の森はレベル安全圏が60はないといけないらしい。今の悠が現時点でできる最高の装備を装備して行ったところで、遭遇して歯が立たたなくて殺されて終わり。それほどの高レベルダンジョンなのだ。

だから魔法の森はやめて、街から遠くにある森よりレベルの低いダンジョンを狙おうと思う。


その準備にまず行商人から、麻痺結晶という投げつけて使う大変便利なアイテムや回復、俊敏化のポーションなど、いろいろと便利そうなアイテムをたくさん買い込んでおく。ちなみにこの時点でさっきまで溜めてあった12万円の所持金が7万円ほどにガクッと減ったのは内緒である。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ー洞窟最深部・ボス部屋前ー


はぁ・・は・ぁ・・・危なかった、安全圏が今の自分のレベルより10も下と聞いて完璧に慢心していた・・。

確かに聞いた通り、普通に出てくる敵はかなり弱く、アイテムを使うことなく楽に倒せた。だがボス部屋の前まで来て、

少し休憩をしようかと思い岩の上に座った瞬間にその岩がモンスターで自爆してくるとは・・・。


このダンジョンはポーションや結晶なしで攻略をできると思っていただけに、なかなか精神的なショックが大きい。

次のボスで最後だが絶対に慢心しないように心がけよう、先ほどのような愚行で死んでしまってはトトにもらった恩を繋げなくなってしまうからな。


ギイィィ、と重そうな音を立てて開いたそのドアの中からかなり悍しく禍々しい雰囲気の不穏な空気が漏れてきて、少し背筋がゾッとしてしまう。

そしてドアを開き切った瞬間、真っ暗闇の部屋の中から、2つの岩石がものすごい速さで飛んできた。

そこですかさず俺はサッと2つの岩石を華麗に避ける・・・ことはできず1つを回避して、とっさにファイティングスタンスになり残った1つの岩石を腕を盾にして受ける。さすがに受け切れないか、その衝撃で俺は壁に叩きつけられる。受け身の態勢で壁に激突してなかったら死んでいたかもしれない・・と思わせるほど、体力が一瞬で半分まで削られる。

内心ヒヤッとしたが、もう感知能力で敵の場所を把握したので大丈夫だ。


俺は相手の隙をを逃さずに瞬時に光源結晶を地面に叩きつける。するとフロアが徐々に明るくなっていく。そこでやっとボスの姿を目でとらえて思わず一歩後に下がってしまう。


「・・・マジかよ・・?」

そこにいたのは半透明で巨大な手の様な2本の尻尾を持つ黒髪の赤い目をした少女だった。

おそらくさっきの危うく死にかけた2つの岩石もこの2本の尻尾から繰り出したものだろう。

俺はまた攻撃が来るんではないかと構える・・が、


「・・・何もしてこない・・?」

「チッ・・構えて損をしたなっ!」

舌打ちと同時に少女に向かって迅速に最大に狙いを絞って麻痺結晶を投げつける。

しかし、それも虚しく、片方の手によって弾かれてしまう。

そしてすぐさまもう片方の手が悠を切り裂くために刃物に変形し、斬りかかってくる。

「おいおい、変形できるなんて・・聞いてないぞ」

だが訓練を何十時間も積んでいたため、そこまで鈍くは無かった。

悠は片腕の攻撃を飛んで避け、瞬時にダンジョン潜入前に購入した剣、『ライト=ブレイド』を跳ぶのと同時に抜刀し奴の片腕を斬る。

その瞬間悠の攻撃は凄まじい速さで空気を切る。そしてすぐに違和感に気付く。


「・・・何も、いない・・?」

そんなはずはない。ついさっきまで、視界にとらえていた敵だ。消えた?いや突然消えるなんてことがあるはずがない。

だが、明るいままの部屋の中央にはさっきまでいたはずの少女がいないのだ。


そして次の瞬間、悠が気付くのが一瞬早かったか、とっさに上からの攻撃を感知して避けた。

攻撃を外す・・というより避けられたことに少女は少し悔しそうな表情を浮かべている。

すぐに少女は攻撃の態勢に入り悠に向け、なぎはらいをかましてくる。

だがそれも間一髪で回避すると、攻撃の反動で少女がよろめいた、悠はその隙を逃さずすぐさま畳み掛けるように連撃に入る。

その狙いは一撃たりと違わず、立て直そうとしている両腕を四発の連撃が切り裂いた。


「・・・やったか?」

その少女の尻尾のような2本の腕は切り裂かれたと同時にポリゴンの欠片となって分解され消えていく。

そしてその少女は腕にエネルギーを吸い取られていたのか、支えがなくなった瞬間にバタンと倒れる。

悠の頭の中にはトトの助けてほしいという言葉が浮かび、急いで悠は少女が倒れている広場の中央で少女を抱える。


「おい・・大丈夫か?」

当然だがモンスターである少女の返事はない。

どうやら死んでしまったようだ。その死んだ少女は徐々にポリゴンと化して消え、広場は何もなかったように元どうりの広場に戻った。悠はトトに申し訳なくなる。・・モンスターだからしょうがないよな、と自分に言い聞かせる。

やがて目の前で大量の経験値と結晶やらポーションが立体化されていく、それを無心でアイテム欄にしまう。

・・・部屋の奥には空気を読まないかのように転移結晶が光っていた。

悠はどこかやるせない気持ちとともに転移結晶を使い、ダンジョン入り口に戻った。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ー夜ー

ー悠の部屋ー


悠は何もなかったような表情でボスからドロップしたイメージした記憶を忘れられる最高級アイテム、忘却結晶を叩きつけ、劣等感とともに今日起こった出来事を忘れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


神木 悠

レベル:43

体力:250

攻撃力:380

防御力:340

魔力:320

所持金:340000z

職業:冒険者



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ー次の日ー


「・・・ぇ・・ねぇ、ねえってば!」

何だかやかましいな・・

「お!やっと気づいてくれたんだ~」

朝目をさますと、そこには見覚えのある女の子が自分の顔を覗き込んでいた。

「何をやってるんだよ、トト。ここは一応俺の部屋だなんだが」

何故かキリキリと頭が痛む、だがそれが何なのかどうしても思い出せない悠。

「ごめんごめ~ん、なんか最近つまんないから街の人に聞いて遊びに来ちゃった!。それより大丈夫?何かあったの?うなされていたけど」

トトはちょっと心配そうに聞く。

「まぁ、ちょっとした風邪かもしれないけど大丈夫だ」

「なら良いんだけどね」

「それよりさ!この街にすっごく強い人が来たって聞いたんだけどさ、それって君のことかな?」

「いや、知らんな。それってお前のことじゃないのか?」

「私はさっき来たばっかだから違うよ~、でも神木くんって最近この街に住み着いてすっごく頑張っているらしいじゃない?何でも、少し離れた場所にあるオリントの洞穴を一人で攻略しちゃったとか。あそこってボスの難易度が桁違いに高くて、4人の精鋭討伐隊でもあっという間に壊滅させられちゃったらしいし。」

さらっと言われて自分で自分に驚く。

「そうなのか?でも道中はみんな弱いしボスもそこまで強くなかったと思うんだが」

「いや~、それは・・ね?君が強くなってる証だよ」

「お・・おう、そうか」

どこか言いくるめられている感じがしてなんとなく納得のいかない悠。

「ところで君って今レベルはいくつなのかな?」

「俺は・・・そうだな、今レベルは43だな。それがどうかしたのか?」

「・・へぇ、思ったより頑張っているんだね」

「ううん、やっぱなんでもないよ」

「そうか?実は俺もお前のレベルが気になっていたんだが」

「言うほどのことでもないよ」

「・・そうだな」

ソロで貫こうと決めたのに重度のゲーマーの癖からか、パーティーを組んで一緒に戦ってみたいと思ってしまう悠。

「じゃあ私はもう行くよ。またね!」

「またな」

そう言い悠の部屋を後にするトト、悠はそれに軽く返す。


(そういえば昨日はダンジョンでかなりの金を入手したな)

「今日はダンジョンで消費したアイテムとかを補充しなくちゃな」

そう一人でつぶやきつつ、ベッドから出る。

顔を洗い歯を磨き、軽く朝食をすませる。

そして準備を整えると部屋を後にし街へ出かける。


道に迷うことなく以前に利用した行商人の店に着くと店のおじさんに

「在庫の結晶とポーションすべて欲しい」

と言うと

「本当に言ってんのか?お前、これ全部で18万zだぜ?」

「ああ。今日は34z万持ってきたからな」

「おいおいまじかよ、どんだけ稼いでんだ?お前」

「さあな、ダンジョン攻略したらいつの間にか、ってとこだな」


相変わらず威勢のいいやつだ、もしこいつがもっと若かったら話しやすくていい友達になっていただろうに・・と思いつつも聞く。


「で、在庫はどのくらいあるんだ?」

「おう、この前お前が買っていったやつに加えて新しく入荷した魔法結晶も大量にあるからな。こいつはちょっとばかし高価だが効果は絶大だぜ?もう一度言うが、こいつも含めて結晶とポーションの在庫全部で18万zだぜ?いいんだな?」

「当たり前だろ?お前の店の品ぞろえがいいからこっちはわざわざこんなところまで買いに来てんだよ」

「お・・おう、そうか。毎度あり」

と、気持ち悪いが照れながら店のおじさんは言う。

ちなみに悠はそういう系ではない。

「また買いにくるぜ」

そう言い店を後にする俺をおじさんが呼び止める。


「おい、買ってくれたお礼にとは言わんが、そういえば昨日から訓練場に上級モンスターが湧くようになったらしいぜ、お前なら上級モンスターでも狩れそうだし行ってみたらどうだ?」

「そうだな・・ありがとう、行ってみることにする」

と言いつつ、今度は本当に店を後にする。


すぐさま俺は掲示板まで行き訓練場についての新しい通知を受け取る。

(・・・まじかよ)

内心でつぶやき、自分の目を疑ってしまう。


「冒険者の皆様、いつも訓練場を利用していただいてありがとうございます。

事前の通知はしてなかったのですが、この度この訓練場に熟練者向けのモンスターが湧く、『熟練者コース』

というものを新しく開設いたしました。改めてお知らせしますが、全コース共通、この訓練場では負傷または死亡が起きた際は自己責任での利用をお願いしています。挑む場合は装備やアイテムを完璧にそろえてご挑戦してくださいませ。」


(・・・あのオヤジ、何が上級者向けだよ!!上級者どころか熟練者向けじゃねぇかっ!!!!!!)

と内心思うが、実際はとてつもなくワクワクして今にでも挑みたい悠だった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


(・・ん?いつもの親父じゃない?初めて見たな、この青色の髪の女の子)

改装した直後の真新しい訓練所に入った悠は気付いた

「はい、あら?お客様は初めてのご利用でしょうか?」

「いや、いつもはここの親父に世話になっているんだが」

「それよりここの新しく出来た熟練者コースに入りたいんだけど」

「はい、承りました。本当に気をつけて欲しいのですが、同時に3体しか湧きませんがモンスターが強いの無理はしないようにしてくださいね?」

「わかってる」

そう言い改装され出来た新しいドアの中にはいる。

「・・行っちゃった」



(うわっ・・真っ暗だな、こんなのは久しぶりだ)

初めて訓練所に入った時のピリピリとした緊張感を徐々に思い出す悠。


(・・ん!?)

何かが飛んでくる、飛んできたと言うべきか。

いきなりの敵モンスターの攻撃があまりにも不意打ちすぎたので防御の姿勢を取りつつも食らってしまう。

「うぐっ!!」

そのせいで体力がわずかであるが、以前とは比べ物にならないほど一気に減る。

三割ほど削られただろうか。

(なんだ?レベルアップしているから当たり前だが攻撃力がいつにも増して高いな、それにこれは・・アーチャーか?)


すかさず真っ暗なフロアに光源結晶を叩きつける。

明るくなったフロアにいたのはたった青髪の女の子の言った通り3体のアーチャー。

(この程度ならいける!!)

すかさず俊敏化のポーションを飲み干し、力が湧いてくるのを感じる。

そして走り出し、一体目のアーチャーに狙いを定め斬りかかる

(喰らえ、二連斬り!!!)

そう心の中で叫びつつ敵に喰らわせる。

すると一体目のアーチャーはバラバラになって爆散する。


しかし次の瞬間、一瞬の隙を作ってしまった悠をもう一体のアーチャーが魔力によって加速された矢で正確に撃ち抜く。

敵を視界で捉えていたため、かろうじて不意打ちにはならなかったがそれでも4割くらいの体力がガクッと減ったのが確認出来る。

(まずいな・・)

すぐさまバックステップをして数歩分後ろに下がると回復ポーションを一気に飲み干す。

だがその隙を逃さずアーチャーがまたもや矢を的確に、さばきにくい腹の中央めがけて放ってくる。

(こいつら・・モンスターのくせに!!)

それもすべてさばききれないないとみて、回避する悠。

バック宙でヒラヒラと避けきる。


着地した瞬間と同時に残った2体の元へ全速力で走り出す。

その瞬間にもアーチャーたちが矢を放ってきていたが、体力が減るのはお構いなしでそれらを剣を持たない方の腕で受けながら近づき、これでもか、と言うくほどに迅速に正確に鮮やかに2体の敵の体を切断する。

残ったアーチャーたちは数回斬られると2体同時に爆散する。

(・・・これでもまだ3体かよ・・)


経験値はこれだけでもかなり入ったのだがまだ悠のレベルアップには少なかった。

(思ったより経験値がしょっぱいな、これを後何回繰り返せばいいのやら・・・)

そんな思いにふけているうちにすぐに3体のゾンビが出現する。

そして速攻で容赦なくすぐに斬りかかる悠。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

(さっきのアーチャーとは違い遠距離攻撃がないからか?随分楽に感じられるな)


当然である。この訓練場ではアーチャーはボスを除いた最上級モンスターの中の一種で強さは桁違いで、ゾンビとは比べものにならない戦闘力を誇る。また、アーチャーは全く出現しないレアモンスターでもあるため、ドロップする経験値と金の多さが随一を誇る。悠はゲーマーとしてあろうことか掲示板の情報も見ず、女の子の話もあまり聞いていなかったためアーチャーは頻繁に出現するモンスターと勘違いしてしまったのだ。

ちなみに訓練所のお姉さんが言うには改装した当初から情報を見てアーチャー目当てにここにこもってレベリングをする奴も少なくないとか。


(おいおい・・さすがに弱すぎはしないか?まさか、まだ何かあるのか?)

人の話を聞かなかっためにビビっている。そう、ただのバカである。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そんなこんなをして敵を斬りまくっているうちにやっと訓練所の仕組みに気づいた頃、既にレベルは50を越していた。

ちなみにこれは今のステータスである


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


神木悠

レベル:56

体力:340

攻撃力:460

防御力:430

魔力:420

所持金:410000z

職業:冒険者


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(いつの間にか時間は午後3時を過ぎていた)

悠は訓練をしていると時間を忘れていることがよくある。

(さてと、まだ時間はあるし新しいダンジョンの攻略を進めようかな)


その前にやりたかったことを思い出した悠。

(訓練所でも意外と苦戦したし防具と武器を新しく調達しなくてはいけないな)

以前から分かっていたが案外忙しくて、実を言うと忘れいて、防御力はレベルの自然上昇値に、攻撃力はそれに加えて武具屋で買っただけの剣に委ねるというだけのとても貧弱な装備をしているからだ。

だからこの空いた時間こそそのような身の回りのことに気を使わなくてはならない。

(やっぱりゲームの経験上、一番に俊敏、回避能力が上がる靴を買うべきだな)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ー加冶屋ー


(加冶屋は初めてくるな)

「あの~すいません、いらっしゃいますか?」

・・・・・・・・・

「「「おーい!!!!!!」」」

「はいはいっ!???すみません! お客様!!」

いかにも加冶屋のような格好をしているが、加冶屋とは思えない青みのかかった黒髪のポニーテールの女の子が店の奥から驚いたような顔をして表に出てくる。驚いたのは悠の方なのだが。

「いや、こちらこそすまない。大声出して」

「いえ、ところで今日は何の御用でしょうか?」

「今日は防具を今まで作ってなかったもんだから特注のとびきり頑丈な防具と武器も弱いから抜群な切れ味の剣を頼むよ。防具はできるだけ軽く、剣は重くても構わないからな」

何やら一生懸命に注文のメモを取っている少女


ひと段落ついたのか、何やら考え始める。

「・・・・えっと、じゃあ必要な素材は防具には超ジュラルミンで、剣にはダイヤモンドとタングステンが必要になりますね。」

アイテム欄を見る悠。

(やっぱ素材は必要なのか。マジで素材全部売却しなくてよかった・・てか、俺っていつの間にか洞窟のモンスターからダイヤモンドとか・・超ジュラルミン?ってのも手に入れてたのか、今度から鉱物は売却しないように気をつけよう)

「これでいいか?」

「あ・・はい!毎度あり!会計は作って渡した時にいただきますので・・えっと・・また明日お越しくださいね!」

(明日?ふざけんな、待ってられるか!いや、でも今度は高レベルダンジョンに挑むことになるはずだからそれくらいは待ちってやるか)

これは正直な感想である。

「わかった、じゃあまた明日取りに来るよ」

「承りました、お願いしますね」


(よく分からないがこういう仕事って男が普通やるんじゃないのか?)

(・・さてと、珍しく何もすることがないな・・)



「神木く~~~~~~ん!!!!!!」

(なんか来た)

「おっ!?・・ゼェ・・神木くんじゃん!!・・ゼェ・・き・・奇遇だね?」

(まさか俺を探していたのか?めっちゃ息切れてんじゃねぇか)

「何か用か?」

「もちろんだよ、実は君と前から一緒に冒険してみたいな~、何て思ってたんだけど・・ダメかな?」

上目遣いで悠の顔を覗き込んでくるトト。

「うっ・・まぁいいけど、突然何で俺?」

「何か君最近楽しそうじゃん?」

「それに私ってばね、あんな場所に暮らしてるもんだからさ、冒険したくても君しか知り合いがいないんだよね~」

と、楽しそうにケラケラ笑う。

(なんだそんな理由か、でもちょっと面白そうだし少しくらいいいかな)

「いいぞ?俺もちょうどダンジョンに挑もうと思ってたところだ」

「ホント?ならよかった!じゃあ私はいつでも準備オッケーだから神木君はゆっくり準備してね?」

「分かった、だが今は鍛冶屋に注文してきたところなんだよ、だから明日な」

「そっか~。じゃあ今日は神谷くんの家に泊まるしかないよね?」

トトはニコニコしながら言う

「・・・は? ちょっともう一回言ってくれないか?今疲れているんだ」

「だ~か~ら、今日は私神木君の家に泊まりたい、って言ってんのよ、それとも何か不満でもあるの?」

「マジか・・別に断る理由もないしな、いいけど」

「そうと決まれば早速行こ?」

「悪い、先に行っててくれよ、俺は明日の準備があるからさ」

「うん、わかった!じゃー先に行って待ってるね?」

「おう」

そう言うと男子高校生にとって嵐のようなあの人物は去っていった。

(はぁ・・表情に出さないだけで精一杯だ・・てか、いつの間にこんなに打ち解けたんだよ)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ー夜ー


(ふぅ・・いろいろ考え事をしているうちに家の前まで来てしまった・・)

「って、俺は何で緊張してるんだよっ!!!」

自分で自分に突っ込んでしまう


いつも通り玄関に入ると、キッチンの方からいい匂いがしてきた。

(まじかよ・・これって彼j・・いかん、何を考えているんだか・・)

つい唾を飲み込んでしまう悠。


悠の帰宅に気づいたのかエプロン姿のトトがわざわざ玄関まで来て

「おかえりなさいませ、ご主人様!」

「・・えっ?」

つい赤面してしまう。

「ごめんごめ~ん!ちょっとからかっちゃった」

赤くなる悠の反応が面白いのか、笑顔で謝るトト。

「それよりいつまでそこにいるの?」

(・・はっ!!俺としたことが、トトのペースに乗せられてしまうなんて!)

「そうだな、俺の家だしな」

「おかえりなさい」

「あぁ、ただいま」

なんか違う・・と思いつつも悠は返す。



「おぉっ!!本格的だな!」

正直に思ったことを言う、最近の悠の食卓には夕食に限らずいつも調理済みの現実世界でいう『コンビニ弁当』が並んでいたからだ。

「えへへ~、すごいでしょ~」

照れながら言う。

「こう見えても、私って案外なんでもできるんだよ?」

ニコニコしている彼女の笑顔は俺には眩しすぎる光景である。

「お前みたいな嫁をもらったやつは幸せ者だな」

「・・・・そ・・そうかな~」//////

あえて顔が赤くなっているのは突っ込まない悠。

(決してトトが可愛いなんて1ミリもたりとも思ってないからな!)

と、内心叫ぶ。


「・・それより夜飯作ってもらってありがとな」

「うん!泊まらせてもらうのにこれくらいしなくちゃ・・ね?」

(そろそろ飯食いたいでござる)

「そうかな?冷めちゃまずいしもうそろそろ飯食わないか?」

「うん、そうだね」



「それにしても本当にトトは料理うまいな、店の料理みたいだったよ」

(よし、コツは掴んだ。トトは褒めれば赤くなって言い返せなくなる。だいたいこっちのペースになってきたぞ)

「そうだ、うちはベッド一つしかないから俺は床で毛布敷いて寝るよ」

「え?一緒に寝ないの?あの時みたいにさ・・」///

思い出したのか、自分で言って自分で照れているトト。

(一緒に寝る?何を言っているんだ?こいつは。なんでもないんだ、そうだ、俺は何も聞いてない。正気を保つんだ、俺)

「いや、いいよ。・・とにかく!俺は床で寝るから」

「仕方ないなぁ、神木くんがそこまで言うなら私も一緒に床で寝るよ?」

(こいつ耳はついてんのか?)

「もう勝手にしろ!」

顔を赤らめながらもクスクスと笑って言う。

「じゃあ一緒に寝てもいいよね?」

「知らん!!」

「本当にいいのか?」

「うん、神木くんと、だからいいんだよ?」

(何てこった、なんか頭痛くなってきた・・)

「・・おう」

その日の夜、2度目だが同じベットで一夜を共にした。

          

          

          

「おはよ、神木くん」

耳朶をくすぐる、その甘い囁き声で悠は眼を覚ました。

(・・はっ!?なんかどこが、とは言わないがスースーするのは気のせいか?)

「あぁ、おはよう。というより本当に一緒に寝たのか」

「え、私昨日言ったよね?」

「・・そうだな」

(参った、完全に向こうのペースに戻された。やっぱり俺が女の子に勝つのは当分早いってことか。そんなことより体がだるいな・・)

すぐ隣には、悪戯っぽい表情で悠を見つめるトトのいつも通りの笑顔があった。


その日から熱でダンジョン攻略を4日先延ばしにした上、その間すっとつきっきりで看病してもらったのは言うまでもない

どうだったでしょうか?まだまだ文章にぎこちない感じはするのですが・・大目に見てください。

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