第11話 「声」
この小説を読んでくださる方に、心からの感謝をお送りします。
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最終同意確認後、骨髄採取の施設が決定され(僕の場合は最終同意確認を行った病院となった)、その施設で採取の28日から42日前に2、3時間の採取前健康診断が行われる。
最終同意後でも、この健康診断でドナーに異常が見つかればコーディネートは保留もしくは中断となる。
僕は、みたび病院を訪れた。Iさんが先に待っていて下さって、僕に健康診断の流れを説明してくれた。
お医者さんの問診、診察があり、採血し、採尿した。
身長と体重を計り、肺機能の検査のため肺活量チェックをした。以前実家で飼っていた猫に似た看護師さんが、それらを案内してくれた。
胸部のレントゲン撮影があり、簡単な踏み台昇降の後、心電図を取ってもらった。幼い頃たびたび不整脈の検診を受けたので、体に貼り付ける装置の冷たさが懐かしい。
これらの検査を一通り終わらせて、Iさんと待合室で合流すると、Iさんが入院のしおりという冊子をくれた。入院に必要なもの、書類、施設の案内などが記載されていた。(この時既に入院の日時は僕の希望を考慮していただいた打ち合わせの上、決まっていた。)
入院当日何時に病院に入る、飲食はいついつまで大丈夫、骨髄提供者には5000円の支度金が出るが後払いなので立て替えておく必要がある、と言った事務的な説明をIさんや入院受付の看護師さんから受け、その日は解散となった。
入院はその日から4週間ほど後の、12月某日の予定となっていた。
僕は職場の上司に以前から骨髄提供の件を相談しており、入院の日程について報告した際、快く了解してくれ、皆勤手当も無くならないように取り計らってくれるとのことだった。僕は自分の周りの方々に心から感謝し、気合いと念を入れて入院のための準備を始めようとした。
いつも落ち着いた声のIさんから、普段と違うトーンで電話が掛かって来たのは、採取前健康診断の一週間ほど後の事であった。




