ジョーとマイキー
~とある寿司屋にて酒を酌み交わすふたり~
「なあマイキー!これからカウンターに座った客が投資の才能があるか当ててみようぜ!」
「なんだいジョー。そんなのわかるわけないじゃないか。できっこないよ!」
「見た目だけじゃ俺にもわからないさ。でも、そいつらの注文内容でたちどころに当ててみせるぜ!」
「本当かい?じゃあやってみてくれよジョー!」
「当てたら今日の支払いはお前持ちだぜ!」
「いいぜ!俺の納得がいく解答だったらな」
「よっしゃ、決まった!お、さっそく一人目が来たぞ」
「ふむ、40代半ばってとこか。ちょっと薄毛なのが気になるな。お、注文したぞ」
「最初の注文はピンクサーモンか。ふむ、こいつは投資の才能がないな」
「そうだな。ここは回転寿司じゃねえっての!大将も困惑してるぜ」
「違うぜマイキー。それは問題じゃない」
「なんだって!」
「もちろんそれは学ばなきゃいけないことだが、彼は今日それを学んだ。重要なのはピンクサーモンを頼んだことなのさ!」
「意味がわからないな」
「予言しよう彼は次にエイを注文する!」
「ははっ!そんなわけ・・・注文しただと・・・そんなもん置いてるわけないじゃないか」
「やはりそうか」
「やはりってなんなんだよジョー!教えてくれよ!」
「彼は女のことで頭がいっぱいなのさ」
「女?そうかマンコか!」
「そうさ、ピンクサーモンはマンコの色。エイは昔の漁師のオナホール代わりだ」
「女のケツを追いかけていたら億れないってやつだな」
「そういうことだ。そいつは万止まりだよ」
「お、次が来たぞ。どこにでもいそうな30代のサラリーマンか。難しそうだなジョー」
「最初の注文は、〆鯖か!こいつは才能あり!」
「初っ端からそんな貧乏くさい注文してるやつが才能あり?どういうことだよ」
「まあ、見てろよ。次は玉子かサンマあたりかな」
「そうそう当たるわけ・・・玉とサンマを続けて頼みやがった」
「やはりな。こいつは億る才能があるよ」
「億る・・・まさか玉、ぎょく、億なんてくだらねえダジャレじゃねえだろうな?」
「ビンゴ!」
「なんだよじゃあ鯖とサンマはなんなんだ?」
「青魚にたくさん含まれているのはなんだ?」
「DHA?」
「そうさ!DHAは記億力を高めるからな!あいつはきっと億るね」
「くだらねえ。よし、次だな」
「ほう、クーラーボックスを抱えたじいさんか。お、大将に中身の魚を捌いてもらうよう頼んでる」
「中身は鯛か。目出度いから億れるんじゃねえの?」
「違うなあいつは兆るのさ」
「兆だとオイオイ冗談はよしてくれよ」
「あのじいさんは今日鯛を釣ってきたのさ。素晴らしい釣果だよ」
「兆果ってか!もういいよ!」
「あのじいさんキャビアも頼んでるぜ!もう兆ってるかもな!!!」
「兆ザメの卵かよ!」
「万、億、兆と出揃ったしもういいだろ。よし、お代はお前持ちな」
「なんか納得いかねえな。じゃあ俺はどうなんだ?サーモンも鯖もキャビアも頼まなかったぜ!」
「そんなの簡単さ。俺達は何で酒を飲んでるんだよ、マイキー!」
「お兆子か!」
「そのうえ俺たちゃお兆子者さ!兆や、兆るんや!!!!!」
「払うよ、ジョー!!!」