老人が私を制した
老人が私を制した
彼の羽織っている茶色いうす汚れたマントを一瞬翻すとそ世には裏面一体にビッシリと老人の体というか財政的にはにても似つかわないほど高価そうなメスやら刃物がひしめきあい、シャラシャラと良い音をさせたが今はそんなことはどおでも良い、あの狼の胸にナイフが挟まっているせいで今の私には後ろにあるライフルしかない、しかもほとんど銃弾が残っていない、この老人なら体術で何とかなりそうだがしかし
今一瞬にして私の前に庇い出たそれは
何のオーラいいや空気すら感じなかった
そうまるでふらりと通りすがったとでも言うように
「なああんた、何の恨みがあるかは知らないがこいつの何が恨めしんだ」
「・・・」
「なああんたを殺しても良いが、こいつを助けなくちゃ行けねえ、
そうなると後でと言うわけにはいかない、先に言って逃げて貰うか
今言わずに今死ぬかどちらか選ばしてやるぞ」
男はそれこそ淡々と空気を感じさせない普通さで言うがその言葉の鋭さが彼女との格を重い知らさせた
「母と」
「速くしろ、恨むか恨まないかを聞いている」
「てぇめーー」
それは今までの感情の上下がない明るい人とは思えない重い叫びだった
彼女はライフルを取ると男から距離を取ろうとするが男の投げたナイフが女の腕に食い込み、その白くはないが綺麗な二の腕に赤い汁を滴らせた
しかし女は顔色一つ変えずいや更に濃い憎しみの色をしたその顔は悪鬼にもまた狼にも見えた
「くぅううそぉーおー」
ズキンは二の腕に刺さったままライフルを構えると距離を考えずただただ体中にナイフが突き刺さるのも気にせず
ものすごいスピードで駆けると男に銃口を向け思い続く限りその弾を発射したが、次第に薄れる意識の中、赤くくすみ何なのか分からない絨毯に壊れるように突っ伏した、男には銃弾は一つもかすることはなく後ろの壁に命中した
それは別にアカノズキンの腕が悪かったのでも、私情の中でぶれたわけでもない、それどころかいつもよりも的確だったと言ってもいいだろう
しかし奴はそれを発射する前から見事に避け予想した
その腕だけでももの凄い深層心理の把握者だとも思えるが更に凄いことに男は、今の今まで一歩もそこから動いていないのである
男はアカノが倒れると見向きもせずにそこでようやく一歩歩くと背後で倒れている銀と青の混じったような色の狼の胸の前にしゃがみ込んだ




