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公衆電話少女(テレフォン・ガール)
それは、夜の道を紫のオープンカーで走っていた
開け放たれている車内と言う言い方はおかしいが
その上の無い車内からは、軽快なジャズが誰もいない荒野に流れる
ふと車が止まりその車の戸を開けて
長い薄緑の蛍光色をなびかせた少女と言っていいほどの体型と細さを兼ねた女が地面に足をつけてトコトコと歩き始めた
それ実に歪と言うか場違いであったが、その荒野と夜空と道路しかないようなそこに突如として歪なもの、すなわち緑色の機械が中心に鎮座するいわば、公衆電話(電話ボックス)が建っていた・鎮座していた・板・ゐた・痛・[居た]
とにかくその中にさも自然に、さもありなんと、吸い込まれるように
携帯の普及したこの時代、吸い込まれるかのごとくその扉を開けた。




