いきなり部屋から声が聞こえた
いきなり部屋から声が聞こえた
初めは僕の空耳かと思ったが、それはないだろ、ともう一人の僕が言う
それは確かに間違いがない、僕にしては間違いが起こるはずがない
少なくとも声が聞こえるはずのない場所から聞こえるなどそれなのだ
「おい起きとるか青年」
それは酷くキンキンする声でようやく目を覚まして辺りを見渡す
昔の物語に非現実的いわゆる奇談、怪談、幽霊、お化け、妖怪そのたぐいの中にそんな話がある、しかしそれはねーだろうよ
ともう一人があきれて言う、それは僕としても珍しく意見が同じで気色悪い、まるで僕たちがどちらかを浸食しているようであるが
果たしてもう一人は僕がこう思っているのが分かるのだろうか、じゃあそのもう一人はどこに存在しているのか、、、、
「オイオイ聞いてんのかよ坊や」
それはいよいよ若い声を張り上げて僕くらいのはずなのに坊やと言って来た
「あのどちらさんでしょうか・・」
僕が次の言葉を探している間に
「そんなことはどおでも良いがいちお言っておく、俺はフランス出身の
ギンナ・ブルタンクス、超微小生物的金属個体物、殺し合いの仲間(選手)だよ、よろしくは言わないぜ、よろしくな」
酷くトンチンカンな言葉に感じたがしかし話相手は世界の宝、僕は飛びつくように話す、しかししばらくはなしもしていないので大丈夫かと思ったが口が勝手に心配事を余所に喋り出す
「私の名前は、、、」
喋り出した物の恐ろしいことが分かった
名前がない
それは実に恐るべき概念
そういえば今まで話す相手も個体認識することもなかったから
必要が無く記憶になかったがしかし
名前ってなんだと思う前に名前の概念が僕の中に流れ
おいおいお前名前も知らないのか、適当に0号機とでも言っておこうぜ、とそんな血も涙もないクールな名前を僕に示した
彼が言うのだからそうインプットされているからにそんな名前なのかもしれないがしかし、始めて呼ばれた「狼」と言う物は少なくとも固有名詞であり個別の名前ではないはずだ、だからこそ名前なんて物が出なかったはず、、、だとしたら、、、だとしたら何だ
「もしかしてお前まだ完成せず機ここに来たとか」
奴は酷く哀れむようにそんなことを言う
しかしその心配しそうな顔がどうも苦手で僕は
ともったらもう一人が、それなら「零子」ゼロコと呼んでレイコだ、どうだ良いネーミングだろ
僕はそれをとっさに言おうとしたが止めた
なぜだか分からないがしかし、だとすると僕のほかに何体もいるのかもしれないなんて思ったりしたがしかし
(何で俺オスなのに女なんだ)ともう一人に叫んだ
「いや俺という物がありながら女々しい
「どういうことだ
「いやだからお前は俺がいればいいのにワザワザちんけな方へ行く
「何が悪い冷徹君
「だからその意味の分からない某占い師みたいに呼ぶな、そのダジャレ自体不要以外にない
「いやお前のダジャレのセンスだし
「いやそれはないわー
「何がないだ、そんなこと言ってる暇はないんだ早く返事しないと




