バランス
僕は「強さ」を、「強さ」だけを求めていた
かれこれ三年、ただそれだけを
「弱い」その一言で
「強いって何なのか」
固い頭で考えて 考えて 考えて
「強くならなくては」
自分の感情を捨ててまで、強くなることに執着していた
思い描く強い人間になれなくて
苛ついて 苦しくて 辛くて 死にたくて
それでも、強くならないといけなくて
でもよく考えてみて
その固い頭で考えてみてよ
弱さを抱えたまま
弱い僕を否定したまま
強くなんかなれるのか?
弱さなど必要ないというのか?
それなら強くなる意味などないね
要はバランスが大事なんだ
強さと弱さ
どちらも必要だということ
弱い僕を愛しいと、そう思える僕が強いのだと
弱い僕を苛めるのはもう止めよう
僕が守ってあげよう
「弱い」その一言で、僕は強さに執着していた
僕はその、弱い僕を守るために
強くなろうとしている




