第十一話「生きるめに僕は死ぬ」
目の前で妹を殺された。
まただ、また何も成せなかった。
そいつは俺の表情を見て満足そうに告げた。
【やっぱり君、やり直しているでしょ。】
俺の髪を掴みながらやつはそう言った。
「変だと思ったんだよねー
君たち部室で話していた計画とは全然違う動きをするし、来るのが予想以上に早かったし、遊園地で足止めさせようとしたんだけどな。」
「何が目的だ....!」
それを聞くと、「ふふふ」とやつは笑いだし、
「君たちが知ってるじゃないか。我々が望むのは神の再興、ツムグを手に入れる。もしくは君を手に入れ、研究する。」
俺に指を差しながらそう告げた。
その後にわざとらしく頭を抱えて、
「しかし君の能力は危険すぎる。世界に干渉する力、人が持ってはいけない力だ。それこそ神のね.....」
「だから君を洗脳し駒にしたが、
どうやら条件を満たして解除されちゃったらしいね。」
「能力ってのは救いから生まれるものだ。救われたい、助けてほしい、助けたいなどの感情から生まれるのが能力だ。」
「本来はそうやって手に入るんだけど、君やツムグは違う。だからこそ神の器に相応しい。」
「だがまあ」と、君は例外だと言わんばかりにこちらを見た。
「ペラペラご苦労さん。」
「そんなに自慢話がしたいのか?
神の器の俺を簡単に洗脳できたのがそんなに嬉しかったのか?
は!そんな奴なら今回の出来事は簡単に終わりそうだ。」
俺が鼻で笑い飛ばしたのを見て、
奴の額に血管が浮き出ているのがわかる。
「お前さ、今の状況わかってる?絶体絶命、
今君に能力をかけたら、君は永遠に僕のものになるんだよ。」
「──やれるもんなら、やってみろよ。」
俺はそう挑発し、「そうか」と奴は言いながら、能力を使った。
「.....お前は僕の奴隷か?」
「私はあなた様の──」
「奴隷な訳ないだろバーカ」
そいつを突き飛ばし、過去に戻る能力で、自分の頭だけ戻しつつ、暴走している少女のもとに向かった。
「お前には殺されてやらねぇよ。
俺は生きなきゃいけないんだ。」
俺はその瞬間、少女の能力によって、皮膚を反転されボロボロになり、血が辺りに噴き出した。
血に染まっていくコンクリートの上「コツコツ」と奴が歩いている。
「あなたを手に入れる男の名前を覚えていて下さい。」
「私の名前はネクロ」
【それでは次の世界で会いましょう。死にたがり野郎。】
そこで俺の意識は完全に途切れた。
*
変わらない電車、戻れた。今度はその安堵感が僕を支配する。
「はあー良かった。助かったー」
正直、出来るかどうかは半々で、力をほぼ使い果たしているから、アホずら晒して洗脳されるだけの可能性もあった。
「戻ったのか?」
「はあー全く、お前はいつも気づくよな。俺の頭の中、そんな見えてんのか?」
一人称が変わってるな、相当なことがあったんだろう。トウマはそう思考した末に、
「今のお前の頭は、霧がかかっているんだ。戻ったその事実は聞こえるし、わかる。だがお前がその世界でしたこと見たことがわからないんだ。」
.....世界の修正力か。小さい時、前の世界の話をしたら巻き戻ったけ。
「まあ、ともかく今回は俺が決めた通りに動いてくれ。」
その言葉にトウマは頷きで返して、
「みんな話がある──」
*
「あ、足がイタイヨー」
泣いている振りをしながらユイナは歩いていた。前の世界だと出来ていた癖になぜ出来ないんだ?演技が下手すぎる。
「私遊園地行きたい(ワクワク)」
ツムグはいかにも行きたそうにしていた。キョウは考えるそぶりをしながら
「まだ時間はあるし良いよ!」
「私も行きたい!」
とレイは手を上げて、もう片方の手でトワの腕を引っ張った。
「わかった、わかった、僕も行くよ。」
頬が赤いから少し照れているのがわかる。
.....リア充が。
「わかった、俺らはユイナとサクと行動するからそっちは頼んだぞ。」
「ああ了解。」
「ミスんじゃねぇーぞ」
「お互いにな」
と、まるで青春漫画の1ページ見たいなトウマとキョウはしてこちらに来た。それに俺は──
「ミスんじゃねぇーぞ(照れ)」
と茶化したら、殴られた。
少しからかっただけじゃないか、
チキショー。
*
僕らは前に暴走していた少女を探すことにした。
どこにいたかはわからないが、
恐らくあの廃墟にはいないだろう。
前に見た時、そのような影は見えなかった。
なので俺たちは、トウマの思考を読む能力とユイナの集める能力で、情報を集めることにした。
「頑張れ、トウマやれトウマ負けるなトウマ!」
「トウマ頑張ってー!」
と俺は熱烈な応援をし、ユイナは飲み物を飲みながら応援してる。
「うるせぇな!せめてユイナは集める能力で情報探してこいよ!」
「探してるわよ、でも私がわかるのは声を集めてるだけだから、何もわからない人を探すとなると難しいのよ!」
「はあー使えねー奴らだ」
トウマは頭を抱えて、ユイナの声をフル無視している。二人とも急に場所がわかったのか、
『わかった!』
と言った。仲が良いのか?悪いのか?わからないなと考えていたら。
「急ぐぞ、サク!恐らくアークが
誘拐をしようとしている。」
*
僕らは走って、ゲームセンターのところで、少女と少年を攫おうとしている男たちがいた。
「はあ、はあみんな早いー」
と呑気に喋っている。ユイナを横目に僕は
「やあやあ犯罪者供。牢屋はあちらですよ。」
そう茶化すように言って能力を使い、誘拐犯を倒そうとした。




