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おもっていたより気持ちがいいぞ

 人の顔を持った生物を殴るのは思ったより気持ちがいい。

 こう思ってしまう私はどこか感性がおかしいのだと思う。これがゲームの中の出来事でよかったっていうことぐらいしか感想はないが。


「はい、おしまい」


 7ポイントを獲得し、私はざわーくらうどさんの戦いのほうを見守ることにした。

 ざわーくらうどさんはものすごく攻めるスタイル。私はどちらかというとカウンターを狙う守るスタイルなので真逆だと言える。

 自分から突っ込んでいき、多少のダメージは気にせずぶん殴っているようだ。火力にパラメータを割り振っているのか、一撃一撃の火力は高そう。


 そして、最後の一人をぶん殴り倒してレイドバトルは終了していた。


「っし。7ポイントゲットだぜ」

「お疲れ様です」

「おう。お前もな」


 ざわーくらうどさんは再び岩に腰を掛ける。


「なぁ、ユメミせんせーは追加ルールなんだと思う?」

「追加ルール?」

「まだあんだろ。まだまだ追加するとか言ってたし」

「あー、そうでしたね。追加ルール……。考えられるとしたら、手に入れられるポイントが二倍になるとかそういうのでしょうか」

「……あるかもな。今のうちもっと集めておいたほうがいいかもしれねえ。じゃ、アタシはいくからよ。お互いがんばろーぜ」

「はい」


 ざわーくらうどさんは行ってしまった。

 私は順位を確認してみる。1位のアジュラさんとはまだ順位は入れ替わっていない。むしろ上位3人はいまだに不変である。

 こうも上位が変わらないとつまらないというのはあるな……。もうちょい変動はあってもいいと思うが。


 そう思うなら私は少し動くのをやめるべきだろうが……。まぁ、参加したからには……。


「参加したからには勝ちたいですからね。少年漫画といえば、友情、努力、そして勝利です」


 こうしちゃいられない。

 次の獲物を探しに行こう。


《レイドバトル:ユメミ を開始します》


「せいやぁあああ!」


 木から飛び降りて私を殺そうとするプレイヤー。

 私は回避し背後に回り込む。


「えっ、消えた?」

「それは残像です」

「ひい!?」

「気配を消すのが甘かったですね」

「そうでもないよ」


 女の子がそう言った時だった。

 私の左わき腹に矢が突き刺さる。ゲームだから血は垂れていないものの、人体に矢が突き刺さっているというショッキングな光景。

 

 初めてのダメージ。防御は高くないのでダメージもそこそこ受けてしまったのだった。


「この方は囮……?」

「キエエエエエエ!」


 背後から猿叫とともに県が振り下ろされる。

 私はギリギリのところで躱した。


 囮に気を取られてしまうなんて私はまだまだだな。

 私は戦闘態勢を整える。まず先に狙うべきなのは私を狙撃した弓矢の人だろう。あちらのほうから飛んできたということはあちらにいるというのは確実。

 私はそっちのほうに向かおうとすると、背後から気配を感じる。


「行かせねえよ! あんた対策のためにめっためたにガンメタ貼ってきたからなァ!」

「まぁ……対策はしますよね」


 私は闇の精霊魔法を使用。

 剣を振り下ろしてきた相手を引っ張りよせる。だがしかし、剣をこちらに突きつけてくる彼女。私は思わずスキルを解いた。


「やることはぜーんぶお見通しだぜ。てめえのポイントいただきだ」

「私を狙うぐらいなら他者を狙ってポイントを稼ぐほうが楽ですしお得だと思いますけどね」

「強いプレイヤーを倒してみたいっつーのはよくある思想だろ?」

「ジャイアントキリングがお好きなようで」











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