イベント開始!
森の中を駆けてゆく。
「獲物みーっけ」
私は獲物を殴り殺す。
倒れて、経験値とゴールドがドロップされたのだった。
今現在、イベントが始まっていた。
運営が用意した今回専用の箱庭に転移させられ、先ほどルール説明があった。そして、今に至る。プレイヤー同士で争うというのは序盤ではあまりやりづらい。
レベル差でごり押すということがしづらいから、純粋な戦闘スキルが有無をいうことになる。
たぶん、みんな最初は魔物を倒すことに注力するのだろう。
私も例外なくその一人ではある。
「レベルは今現在5……。不安ではありますが、プレイヤーをそろそろ狙ってもいいかもしれませんね」
そういう話をしていると、プレイヤーの姿を視認。
私はそのまま戦闘を吹っ掛けることにした。
木々の合間を縫い、プレイヤーの背後に近づくと、私は背後から思いっきりドロップキックをかますことにした。
大きく飛びあがり、両足で思い切りプレイヤーを蹴り飛ばす。
「ぐぬばぁ」
変なやられ声を出して吹き飛ぶプレイヤー。
そして、そのプレイヤーは私のほうを見た。剣を取り出し、いかにもやる気満々そうに私をしっかりと見据えている。
相手のレベルは7か。私より2レベル高い。
まぁ……。
「余裕ですね」
だから何だという話ではあるが。
プレイヤーを瞬殺し、私はとりあえず1ポイントを獲得した。
細かいルールは特に知らないが、プレイヤーを倒したら1ポイントが入る。
このポイントを集めて、一番ポイントが高いプレイヤーが優勝ということだ。参加するにはもちろん優勝を目的として私も動く。
そういえば、イベント専用スキルがあったはず……。
私は確認しようとスキル確認画面を開こうとすると、背後から殺意を感じた。私はかがむと、剣で虚空を切り裂く剣士の姿が見える。
不意打ちをしようとしていたらしい。
「残念でした」
アッパー。
プレイヤーの顎に私の拳がぶち当たる。
「クソッ、油断してたくせに……」
「獲物を殺すときには気配を消しましょうね」
私は距離を詰める。
そして、相手の顔面に渾身の右ストレートをかました。
「今の私は主人公ですよ? 油断してやられるわけないじゃないですか」
「どこが主人公だよ……。ちっ、逃げるしかねぇ……」
背を向けて逃走しようとするプレイヤー。
私は近くの石を拾い、思い切りぶん投げるとプレイヤーの後頭部に直撃。プレイヤーはその衝撃で転んでいた。
私は馬乗りになる。
「ひぃっ!?」
「そう簡単に逃がすわけありませんよ。では」
私は拳を構える。
「タコ殴りじゃぁあああああ!」
何度も何度もぶん殴る。
顔面に私の拳が何発も当たり、攻撃する暇もなく相手は死んだ。また1ポイントゲットである。
幸先がいい。
今のレベルなら多少相手のレベルが高くても大丈夫だろう。プレイヤー狩りも同時にしていこうかな。ただ、プレイヤー狩りだけをしていてもレベルが上がらないので魔物も倒していかないと。
私は再び森の中に入り、魔物を見つけて狩り続ける。
その瞬間、私はとあるプレイヤーの存在が目に入ったので、戦闘を仕掛けることにした。
「殺気?」
「せいやっ!」
私はシュカさんの顔面に蹴りを加えようとして、気づかれたシュカさんに避けられる。
「うひぃーーーーっ!? 容赦ねえ!」
「殺し合いですからね。私は今現在変なテンションになってるんです。やりましょう」
「やだやだやだ! なんで強い奴と戦わなくちゃならないのさ! やだやだやだ! 見逃して?」
「嫌だと言ったら?」
「全力で逃げる」
「じゃ、やりません。他探します」
残念だ。




