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呼ばれたのでいきましょう

 アジトに戻る帰り道。

 シュカさんからメッセージが届いた。


『今森の中にいる?』


 と。

 私は今森から出てしまったことを告げると、今から来れないかという。

 どこにいるかわからないのに行きようがあるか。

 まあ、言ってきたってことは何がしてるんだろうな、私の力が必要なんだろうなとは分かるが。


 私は空を飛ぶ。

 この飛行、スピードはステータス依存のようで私はステータスを素早く振ってるからものすごく速い。

 あっという間に忘却の森へ戻ってくる。


「さて、まずは崖から探して……空から見た方がいいですね」


 空を飛ぶ。

 上空から確認できるようになっており、私はそのまままっすぐ進む。

 すると、崖があり、その下にはまた森が広がっていた。


 私はそのまま下の方の森へ向かっていく。


「さて、探しましょうか」


 シュカさんは目印になりそうなものを撮影して送ってきてくれていた。

 とはいっても、この場所はほとんど初めてなため目印があってもがむしゃらに歩き回るしかないが……。


「目印は高く積み上げられた石……」


 歩いていると。


「来たーーーーっ!」

「お、こちらの方で大正解でしたか」

「早かったな。もう少しかかると踏んでいたが」

「まぁ色々すっ飛ばしてきましたから」


 シュカさんたち3人と、なんか耳の長い女の子がいる。

 耳の長い女の子は私を凝視してきた。そして。


「もしかして、この気配は精霊?」

「え?」

「あなた、精霊ね!」


 と、私を指さして言ってきた。


「誰です?」

「エルフのチルミル……。ってユメミ。そうじゃなくて精霊ってなに?」

「あぁ、私精霊になったんですよ。精霊の里に行って……」

「「え」」


 シュカさんとスチルさんが驚いて固まっていた。


「行ったの!?」

「はい」

「じゃ、案内して!」

「それは無理です。場所忘れましたし」

「えぇーーー!?」


 この森の中で場所なんて覚えてられるか。

 すると、チルミルは杖を取り出した。


「大丈夫です! 私がこの方の記憶を探り場所を探ります! 少し失礼」


 杖を頭に当てられる。

 そして、分かったと言って私が来た方向に向かって歩き出した。


「なんかのイベントですか?」

「クエストよ! 精霊の里を探せっていう……。まさかすでに行って精霊になってたとは。何が出来るの?」

「何がと言われましても……」


 私は巨大化を解いてみる。

 小さくなり、私はシュカさんの周りを飛ぶ。


「こういうふうに小さくなりました」

「わっ、すごい! 私も精霊になりたい!」

「なれますかね?」


 私は大きくなり、地面に立つ。


「あとは……。闇精霊魔法」


 私はそう唱えると目の前に黒い渦が出来た。

 グイッとシュカさんが引き寄せられる。


「なにそれ!?」

「そういうのです。さ、ついていきましょう」


 チルミルさんの後ろをついていく。

 そして私は見覚えのある幻想的な光景が目に映る。

 ほわほわと浮かぶ光。その先にあるのは木の幹。


「この奥ですね! ……でもどうやっていくんだろ?」

「ユメミが来た際はどうやって行ったの?」

「案内された精霊に無理やり小さくされまして……

「なるほど。小さくならないと無理とか無理じゃね?」


 すると、木の幹から熊が顔を出す。


「おや、久しいな。エルフの顔が見える」

「わっ!?」

「それに数々の人間と先ほどの元人間。要件は何かな?」

「あ、ああ、あの! え、エルフと仲直りしてください!」


 ド直球。









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