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動画配信者、はじめました

「はっじめまーしてー! シュカちゃんでーす!」


 カメラを回し、シュカさんが元気よく挨拶。

 しろんちゅさんは撮影と聞いて張り切っているのかものすごく禍々しい衣装を着ているし、タイタンさんはため息ばかりだった。

 最初は生配信でしょ!ということで全員で回しているわけなのだが。さすがは人気女優のシュカさんというべきか。彼女のネームバリューで見に来る人がちょっとだけ多いようにも感じる。


「うちら、クランナイチンゲール。今日から動画投稿はじめまっす! いえー!」

「いえー」

「ふははははは!」


 ラーさんとしろんちゅさんは意外と乗り気である。


「テンション高くないですかいつもより」

「いつもこういうもんだぞ。昔から」

「じゃ、メンバー紹介! みんなも見たことのある顔ぶれが多いけど! はい、まずはしろんちゅ!」

「しろんちゅだ。よろしく頼む」


 美人だというコメントが流れる。

 まぁ、たしかに美人ではある。


「タイターン!」

「どうも」


 タイタンが頭を下げる。

 やはり気づく人はいるようで、プロ野球選手の台田 寛二!?という驚きの声で染まっていた。引退を発表してすぐにゲーム配信をやるとは思っていなかった人も多そうだ。

 

「俺は言っておくが基本は裏方だからな」

「でもいいんだよぉー。次、ユメミ!」

「どうも」


 私に関しても驚いている人が多く、つい先日の同人活動と顔出しのおかげでだいぶ反響を呼んだ。その影響もあり私が一緒に活動するの!?という声も多い。

 ラーさん、ヒャッキさん、スチルさんも紹介されていく。

 今日の配信はいろいろ説明することになると思ったのだが……。


「なんでここに来てるんですか?」

「最初の配信! 難しいところに来るべきっしょ!」


 目の前にそびえたつは忘却の森。

 私は以前ここに来たことがあるし、ずるみたいに木の上を走ってショートカットもどきをした記憶がある。

 そして、キマイラと戦った場所なのだ。


「忘却の森、どこまで進めるでSHOW!」

「なるほどな。私としてもここは挑戦したことがない。どこまで難しいかは未知数。楽しみだ」

「4人パーティとはいえオラが来てもええのでしょうか……」

「うちに遠距離攻撃もちはラーさんしかいないからねっ!」

「人材不足ですね」

「大方近接にまとまってしまったからな。ではゆこう」


 私たちは忘却の森へと足を踏み入れていく。

 忘却の森、最初のほうは雑魚ばかりだった。奥に行けば行くほどレベルが上がっていく。どこまで深い森なのだろう。

 順調に進んでいき、結構奥のほうまで進んでくると開けた場所についた。


「大きな花畑?」

「ねぇ、ユメミ。こんなところあったの?」

「いえ……。私が以前来た際はこんなもの確認しませんでしたが……」


 おかしい。

 まだキマイラが登場するような奥深くまで来ては居ないはずだ。どうなっている?

 

 私が考えていた時だった。

 殺気を感じる。私はダガーを構えようとした瞬間、ものすごい速度で何かが私に突っ込んできたのだった。

 咄嗟にダガーでガードするが、吹き飛ばされる。私は地面に思いきりたたきつけられ、ダメージを負ったのだった。


「うわぁ!? いきなりなに!?」

「牛?」


 鼻息の荒い大きな角をはやした牛が怒りの形相でそこに立っていたのだった。










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