withマンダラ先生
「このゲームでは僕のことはマンダラとお呼びください!」
「はい。私はユメミとお願いしますね」
「はい! ユメミせんせっ!」
「呼び捨てでいいですよ」
ゲーム内で曼荼羅先生と合流。曼荼羅先生はいつものおかっぱヘアではなく、スラーと長いロング髪。アバターも多少なりともいじくっているのか超美形である。現実は三枚目といったところなのだが。
まぁ、ゲームだしリアルモジュールでやるほうが少数派だろう。
「ユメミは始めたばかりなんですよねっ!?」
「そうですね。つい先日に」
「レベルも低いでしょう! 僕がレベリング手伝いますよ!」
「頼もしいですね」
ということで、私のレベリングに付き合ってもらうことになった。
キャローを狩るのはもう手馴れてきており、黄金キャローと再び出くわした。
「あ、あいつは……!」
「黄金キャローですね」
「に、逃げましょうユメミ! あいつは敵う相手じゃない! あいつは味方によってレベルが変わるんです!」
「味方によって?」
「複数人で行動している場合、一番高い人のレベルより10高くなって現れるんです! つまり、僕が今現在25レベルなのであの黄金キャローは35レベルということに……」
「そうなんですね」
私は喧嘩を吹っ掛けた。
「ユメミさーーーーーん!?」
「もったいないじゃないですか。目の前に敵がいるのに戦わないで帰るのは」
「か、敵いませんよ!?」
「そうともいいきれません。私でもきちんとダメージは通っています」
微々たるものではあるが。
だがしかし、こういうのは積み重ねである。コツコツと削っていけばいつかは勝てるのだ。
楽してレベリングをしようというのが甘え。ジャイアントキリングで稼ぐのが手っ取り早い。
「マンダラ先生は回避に専念しておいてください」
「は、はいぃっ!」
私は前回戦ったやつより強い黄金キャローと戦った。
1時間程度かけて討伐が終わる。まぁ、最高率とまではいわないが、それでもレベル差が結構あるのでがっつりと経験値が入ってくる。レベルが15まで上がり、ツワモノを倒した時の快感を得た。
「た、倒しやがったよ……。すご……」
「動きが単調なので動きが分かれば攻撃が当たることはないです。二回目なので慣れましたね」
「え、二回目なんですか……?」
「はい。一回目は瀕死になりましたけどね」
「それでも勝ってる……。すごい……」
レベルも結構上がった。
レベルを上げることなんて簡単だな。
「あ、すいません。僕、何もできませんでした……」
「そうですね」
「情けない……」
「ふふっ」
マンダラ先生はがっくしと落ち込んでしまったのだった。
いや、まぁ、仕方ないことなんじゃないだろうか。10レベルも上の相手には誰だって委縮してしまうものだし……。
「まぁ、落ち込まないでください。この世界を案内してくださいよ」
「ま、任せてください! ではいきましょう! ユメミ!」
「はい」