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新入りが来たのですが?

 ふざけた神々さんと始まりの町へ戻るための道を歩む。

 こういうの、なんとなくだが少年漫画っぽい。強敵と戦った後、仲間たちと帰るべき町へ戻る。傷ついた仲間たちと笑いながら……。

 

「ユメミはその、ナイチンゲールっていうクランに所属しているのか?」

「はい」

「白衣の天使か。なんでその名前に?」

「途中から加入したので私も知らないんですよね」


 なぜナイチンゲールという名前にしたのだろう。

 それはシュカさんのみぞ知るというやつだろうか。


「入ってなかったら俺らのクランに誘ってたんだけどな」

「即戦力になるわね」

「だがパーティ編成は四人までだろ。無理じゃないか?」

「いや、パーティ編成組んでないでもやれてんだからできるっしょ」

「無責任な信頼よね。あんなの見せられたらできないとは言い切れないけど」


 そうこう話していると、始まりの町へ到着したのだった。

 ふざけた神々の皆さんとフレンド交換だけしておいた。何かあったら協力し合おうということで。私のゲーム仲間が増えた。

 仲間が増えるほど、キャラクター作成の参考も増えていく。順調順調。ネタ集めもだいぶ順調だし、ゲームも楽しい。初めてよかったなァ。


「戻りまし……た?」

「お、ユメミ帰ってきた……なんか装備変わってねえか?」

「黒づくめになっているな。いいセンスだ」

「あぁ、職業に就いたので……。見知らぬ人がいますが」


 少し若そうな男性と気弱そうな女性がソファに座っていた。

 男性のほうには見覚えがないが、女性のほうはどこかで見た感じがする。


「おかえりんごー! 新入りの紹介だよ!」

「誰っすか、この女」

「綺麗な女性だなぁ~……。おらもこんな女性になりたいだぁ」


 私は椅子に座る。


「じゃ、全員そろったし自己紹介! どぞ!」

「おらh」

「俺の名前はヒャッキ! 漫画家の木島 百鬼とはァ、俺のことよ!」


 漫画家? 

 私はヒャッキの顔を見るが、見たことがない。ジャッツに連載しているなら新年会で顔を合わせたことはあるだろうし、ほかの雑誌で連載していても有名なら私は普通に知っているんだが……。


「どこの雑誌で連載を?」

「そりゃもちろん天下の少年ジャッツ様だぜ!」


 ジャッツで連載?

 知らないな。タイタンさんたちは私を見てくるが、私は首を横に振る。


「漫画家の卵……とかですか?」

「……違うね! 俺は連載をすでに抱えている! くそつまんねー都市おいを追い出す形でなァ!」

「…………」


 あぁ、この人嫌いだ。

 私はシュカさんを見る。


「反対です。私はこの人を入れるの認めません」

「あァん?」


 私を睨みつけてくる。

 私自身、作品には誇りをもって描いている。名も知らないやつが私の作品を「つまんねー」などと評するのはものすごく気分が悪い。

 私は面白いと思って描いている。


「うーん、一人でも反対意見が出たらだめだよね」

「ちょ、なんでだよ! あんなやつが反対したところでいいだろ! 入ったってよ!」

「みんな仲良くしてほしいのウチは。連れてきて申し訳ないんだけど君はやっぱ私も認めないわ」

「ちっ……じゃあどうすりゃ入れてくれるんだよ」

「あの女性から認めてもらうこと」

「はぁ?!」


 納得がいっていない様子。

 シュカさん、問答無用で入れると思ったけど……。


 意外だったのか、ほかの二人も驚いた顔をしていた。


「とりあえず、二日。二日間猶予を上げる。認めてもらってね」

「んであいつの許可を」

「あれはねー、うちのクランでも最年長なの」


 最年少だが?


「私と一緒に始めた子が気に入らないっていうんなら、身内びいきでその子を尊重するんだよ。どうにかして許してもらってきなよ」

「……わかりました」


 ヒャッキは私に近づいてきた。


「悪かった。これでいいだろ?」

「だめでーす」

「なっ……」

「私はログアウトするので。明日、私が納得できるような感じでお願いしますね」


 私はそのままログアウトする。

 さて、ヒャッキのことを調べるか。










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