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七不思議脱出ゲーム

 3話分のネームは2週間で完成した。

 連載会議は年五回、3か月に1回ほどで、3月の物はもう過ぎたから次は6月になるか。今現在は4月なので2か月ほど猶予がある。

 とりあえずネームを喜谷さんに見せてみた。


「なるほど……。異世界ファンタジーか。いいんじゃないか? 記憶喪失の魔法使いが自分の記憶を取り戻すために旅を……。ふんふん」


 ネームを読み終わった喜谷さんはいいんじゃないかと好評だった。


「だが……次の会議は難しいかもな。今回で終わって3か月かそこらでまた連載させるのはどうだろう。少し休んでもいいんじゃないか? これなら手直しはいらないし、次の次出してもいいが」

「次の次ですか」

「もちろん次出してもいい……が、ここまで低スパンで新作というのは体力的にどうだろう? 芥屋先生はまだ20代で若いとはいえ、漫画家は激務。それに単行本などの売り上げもあったから多少休んでも編集部には文句言う権利はない」

「私はどちらでもいいのですが……」

「そうか。だが、次はやはり出せんな」

「なぜですか?」

「編集長が変わったんだ。次の編集長は新人育成に力を入れると言っていてね。芥屋先生が出しても新人が来た場合そっちが優先される可能性がちょっと高い」


 なるほど、編集長の方針か。それならあまり無理は言えないか。

 喜谷さんはこれは預かっておくと言っていた。


「俺としてもこの作品はぜひとも連載させたい。必ず連載をもぎ取る」

「はい」


 喜谷さんはじゃあなといって靴を履いて出ていった。

 少しがっかりしながらも、私はゲームにログインする。そろそろコラボが始まる時期……というか、ちょうど今日から開始じゃなかったか?

 私はログインすると、シュカさんの顔が目の前に迫っていた。


「遅い~! 2週間何してたの!?」

「……ネーム描いてたんです」

「新作!? 連載するの!?」

「まだしません。先ほど編集の方に見せて、次の次の連載会議に回してもらえるそうです」

「そうなのか。次の次っていうのが気になるが」

「つい先日私の連載が終わったばかりですからね。少しは休めと」

「なるほどな……。それで、役者はそろった。いくだろう?」

「もちろん!」


 シュカさんたちはコラボが楽しみのようだ。

 私としてもちょっと楽しみである。都市おいがどう落とし込まれているのかがとても気になっていた。運営の人は原作者がやっているとは思わないだろう。

 以前シュカさんといった花園には、たしかに私が原作に出した高校が鎮座していた。森の中に高校とはなんとも似合わない……。


「桜木下高校だ!」

「これはどこの高校モチーフなんだ?」

「私の母校です」

「へぇ」


 私の母校が丸々この世界にやってきたみたいだ。

 中へ入るには校門を通り、玄関ホールを通るらしい。そして、体育館でルール説明があるようだった。


 ルールはもちろん私は知っている。つい一週間ほど前、ゲーム会社の人が尋ねてきてこういうイベントにするつもりですと述べてきた。

 おかしい点を指摘してほしかったらしく、特に矛盾もなかったのでそれでと通した。


「脱出ゲームかぁ。7体の怪異を倒して出るまでのタイムアタック……。最大六人で挑めるタイムアタック……」

「さっそくレッツゴー! まず最初の怪異は何にする~? 原作者考案のやつからいく?」

「それだけは出現方法分かってねえんだろ?」

「いやいや、わかるお方が……」

「言ったら面白くないですよね? 私はそのことに関しては口出しませんから」

「えぇ~!?」


 えぇって……。


「まずは七不思議を整理してみるのだ。トイレの花子さん、音楽室の幽霊、理科室の人体模型、校庭の動く二宮金次郎、死体が埋まっている校庭の桜の木、プールの中に潜む霊、あと一つは最後のものなのだが……。最終話付近の話はやらぬだろうさすがに」

「はい。なので六つですね」

「となると、行く場所は女子トイレ、音楽室、理科室、校庭、プール……。あと一か所か。二宮金次郎だけは原作で行かなかったよな?」

「うん。確かいかなかった。その二宮金次郎の枠が新たな枠になってるんでしょ?」

「はい」

「原作者がそう言ってる! じゃ、まずわかる範囲から終わらせていこうか!」


 ノーヒントではたぶんないんだろう。都市伝説研究部の部室にたぶん部員のメインキャラ4人がいるはずだ。ロッカーの幽霊と出くわすためのヒントを教えてくれたりするんだろう。

 まぁ、とりあえずはここから一番近い女子トイレへいくことになった。










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