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伝説の始まり

 私の名前は芥屋あくたや 夢見ゆめみ。職業は漫画家である。

 

「うん、最高の終わり方だ!」


 私の担当編集であるアフロヘアの喜谷きたにさんが原稿を封筒にしまう。

 週刊少年ジャッツで6年間、"都市伝説おいてけ"という作品を6年間掲載させてもらっていた。人気もあり、巻頭カラーは数回ほど、アンケートでは何度か1位を経験したこともあり、アニメも2期ほど放送された。3期はすでに決定している。


「で、先生は次回作の構想などは出来てるのかな?」

「サッパリです。都市おいは処女作で、打ち切り前提で最初描いてたのが人気が出てしまい持ちうるネタを全部注ぎ込んでしまったんですよね」

「あー、確かに予想外だったからな。俺も良くて9位前後を彷徨いてドベを競うかもしれないと考えていた。先生の同期作は基本打ち切りになっていたのもあったからな……」


 私と同じくらいに新連載を抱えた新人は軒並み打ち切りを喰らっていた。

 そのことを告げられたのもあり、打ち切りにならないように頑張って話を練ったおかげか人気も出た。それはよいが、飽きられないために持ってるネタを注ぎ込んでしまい、ネタが枯渇している。


「ジャンルだけはどうだ? あまりこういうことも言いたくないが、女性漫画家はラブコメを選ぶ人が多い」

「も、アリなんですが私は心が少年みたいなものでして。またバトルものを描きたいなぁと」

「そうか。新作ができたらネームでいいから見せてくれ。じゃあ俺は入稿してくる」


 喜谷さんが帰っていった。

 まだ寒さが残る三月下旬。私は新作を描くためにネタ探ししようと思うのだが、それでも大まかに何を描くかだけ決めておきたい。

 喜谷さんにはバトルと告げた。ラブコメを描くつもりはないし、ギャグは時折挟むのはいいが、それで描き続けるのは無理だ。ギャグにはセンスと才能がいる。


「現実異能バトルはもう描きましたから……。異世界バトルファンタジー……。王道バトルものではいきたいかもですね。


「……ゲーム」


 私は最新号のジャックを開く。

 たしかつい最近広告が載っていたはず。VRMMOゲーム"Fantsia world Online"。通称FWO。

 コンセプトはもう一つの世界。異世界転生したような感じでゲームが始まると聞いている。その世界ではどんなことも出来る。戦闘、制作、採取。あらゆることが。


 インターネットを開き、レビューを眺めてみる。

 評価も上々。いいんじゃないか?


「ネタ探しのためにゲーム、始めてみましょうか」


 思い立ったが吉日。

 私は自宅の駐車場にある車を出し、最寄りの家電量販店へ向かったのだった。

 

「まずはアバター設定からですね。まぁ、ちゃちゃっと終わらせてしまいましょう」


 私はアバター設定をまず開く。

 見た目は別にこのままでもいいだろう。弄る手間が惜しい。

 名前はユメミでいいか。軽いアバター設定と名前の設定だけでいいようだ。

 なんとも簡単な設定。私はそのままゲームの世界へ飛び出して行った。










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