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青と緑の転移劇  作者: 鴨鷹カトラ
冒険物語、開演!
7/11

集う者たち

女神討伐。


前代未聞の依頼を受けた冒険者たちが、魔界都市ゴネフェに集まってきた。




「女神討伐の依頼を受けた人へ。明日午前8時、ペ=ホジャムニャ広場に集まってください?」


祐樹が見せた紙を紅王が読み上げる。


「顔合わせと、お知らせがあるらしい」


「でも、女神が結界を破壊する推定の日まであと2か月はあるよ。ちょっと早すぎやしないか?」


「それは知らない・・・」


三人がゴネフェに来てから10か月が経った。


「行く?」


「そりゃ行くでしょ」


すっかりゴネフェ慣れしていた三人だった。




午前8時。


強者が広場に集まった。


「よろしくね!私【大虐殺の奇術師】ベルリよ!」


黄色の髪の少女が話しかけてくる。


(耳がとんがってる・・・)


「この耳?私エルフなのよ~」


何だこの人のテンションは。


エルフってことは僕らよりも遥かに年上なのだろうが、見た目、感じ、全てが幼く見える。


「日比谷めろんです・・・」


「紅王だよ」


祐樹だけが挨拶しない。


「おい?」


肘で小突く。


祐樹が後ずさりする。


「どうした?」


「【魔力探知】してみろ・・・」


震える声で祐樹が言う。


「!」


魔力探知で人を探知した場合、スキルパワーの満タン時の量が頭上に表示される。


スキルパワーの上限は修行をすることで増える。


祐樹の頭上には〈121〉と表示されている。


では、ベルリの頭上には何が表示されているかというと・・・


〈19856〉


「おいおい・・・」


喉で声がつっかえる。


それに、周りにピンクの板がある。


【魔力探知】をやめると消えた。


「祐樹・・・これは?」


「多分、スキルの展開準備をしてるんだ。いつ何が起きてもいいように・・・」


じ~っとベルリを見つめるめろん。


ベルリはこう解釈した。


(私の事見つめてる?もしかして、私に惚れた?よく見たらこの子イケメンじゃない!)


「若いのはいいのぉ」


後ろからおじいさんが歩いてくる。


「いや私今年で15690歳なんですけど・・・」


ベルリが言う。


「そうじゃったな。ベルリ」


「ベルリ『さん』だよ!断然私の方が年上なんだから!」


「フォッフォッフォッ。すまぬのぉ」


豪快に笑うおじいさん。


「あの、このおじいさん誰ですか?」


ベルリに聞くめろん。


「彼?彼は【轟の断頭台】アイトよ。まるで断頭台の刃のような大きな斧を振る戦士で、つい最近魔物討伐数記録を更新したわ」


「その記録更新はちなみにいつ頃・・・?」


「40年前」


ヨンジュウネン・・・全然つい最近じゃない、14610日も前じゃん。


まぁエルフだからそんなもんか、さっき5730772日生きてるって言ってたしな。


その時。


円形のペ=ホジャムニャ広場が沈んでいく。


まるでエレベーターのように下がって、地下でストップした。


地下の大きなドームと連結する。


豪華な作りで、まるで神殿のようだ。


そこにいたのは体長3mほどで角が生えており、剣を担いだ人だった。


「なぁ・・・これは試験だと思うか?」


めろんが呟く。


「我はオンヴィズィ・バーカイト。別名、不敗の魔術師なり」


人に似ている・・・


「くじら、あれは?」


「魔物の中でヒトに最も酷似した外見をしている魔物『アバーハイト』ですね!」


それに不敗・・・負けた事が無いということか?


アイトが斧を構える。


「久々じゃのう・・・斧を振るのは!」


そう言って前に飛び出すアイト。


「【断頭斬】!」


振り上げた斧が地面に刺さる。


轟音が響き、土煙が舞う。


「【憑依】・・・」


紅王がチーターを憑依させて前に飛び出す。


祐樹も飛び出していく。


「僕は後方支援と行こうかな・・・【金剣】」


黄金の剣が多数めろんの周りを浮遊する。


大図書館のバイト報酬だ。


土煙が晴れる。


黄金の剣をオンヴィズィ目掛けて飛ばす。


確かにみぞおちに直撃したはずなのにダメージは確認できない。


「え・・・?【魔力探知】・・・」


薄い光がオンヴィズィを包んでいる。


「バリアってことなの・・・?ベルリさん!」


近くにいたベルリに声をかけようとした。


「ベルリさん?」


いない。


前に飛び出して行ったのか?


オンヴィズィを見ると近くにベルリがいる。


「【骨牌散】!」


トランプカードが宙を舞う。


そしてオンヴィズィに刺さる。


「バリアを貫通した・・・!」


オンヴィズィの胸元から血がしぶく。


「面白い・・・」


そう言ってオンヴィズィは剣をベルリ目掛けて振り下ろす。


「危ない!」


そう言って金の剣を飛ばそうとした時。


オンヴィズィの振るう刀が止まった。


「私が何年生きてきたと思ってるの?」


ベルリが下からオンヴィズィを見やって言う。


「まさか・・・そんな芸当が・・・」


オンヴィズィは呆然としている。


言うなれば、スキルパワーの盾。


スキルパワーを防御したい部分に集中させることで『厚み』を作り出す。


「だがここで躊躇しては不敗の魔術師とは言えぬな・・・」


剣を振り上げる。


「この神殿ごと葬り去ってくれるわ!」


そう言って剣を力いっぱい地面に叩きつける。


神殿の床、壁、天井全体に亀裂が走る。


天井が落ちてくる。


おかしい。天井がまるでスローモーションのように落ちていく。


「【時間操作】」


ベルリが呟く。


「だが、いずれは落ちる!儂は受け止めることができるが、貴様らは人類だ!」


オンヴィズィが大声で叫ぶ。


アイトが後ろに回り、高く飛ぶ。


オンヴィズィの首に刃が当たる。


「人類なめんなクソ野郎」


笑顔でそう言うベルリ。


それはオンヴィズィが人生最後で聞いた言葉であった。


「よろしい・・・」


落ちていく天井が止まり、男性がゆっくり降りてくる。


「私は試験官のソリティア」


「やっぱり試験だったのか」


アイトが言う。


「合格おめでとう・・・君たちは女神と戦う素質がある」

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