3
椅子に座ってユーチューブを見ていた。
すると俺の身体が突然立ち上がった。
――えっ?
俺はそのまま車のカギと財布を取ると部屋を出て、車に乗り込んだ。
そしてエンジンをかける。
――なんだ。俺は一体なにをやっているんだ?
わからないがそのまま車を運転し続けた。
――どこへ行くんだ?
自分で車を運転しているのに、行先がわからないのだ。
こんなことありえない。
そして途中でホームセンターにより、包丁を買った。
ますますわけがわからない。
車は走り、同じ街でも俺が通ったことがないわき道へと入って行った。
そして止まった。
知らないアパートの前だ。
ここはどこだと考えているうちに、気づけば二階に上がっていた。
手には買ったばかりの包丁が握られている。
そしてある部屋の前に立った。
しばらくすると玄関が開き、中から男が出てきた。
男が俺を見て、えっ、という表情を浮かべた。
次の瞬間、俺は手にした包丁で、男をめった刺しにした。
殺人があった。
須藤という男が殺された。
犯人は須藤と面識はなく、須藤のアパートも知らなかった証言しているが、須藤のアパートに行く途中で包丁を購入していた。
犯人であることは間違いないが、不可解なことが多すぎた。
四件続いた殺人事件。
それが全部被害者と犯人の面識がまるでないのだ。
動機も不明だし、全員が「身体が勝手に動いた」とか意味不明なことを言っている。
被害者側の共通点は、高校二年の時に同じクラスだったと言うことだ。
しかしその後の交友はないようだ。
加害者側の共通点は特になく、強いて言えば四人とも「はぎわん」という登録者数五百人くらいのユーチューバーの登録者であることぐらいだった。
終