表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

自動車とは人生であり、歴史である!!

 皆さん、自動車は好きですか?


 私は、子供の頃から自動車が大好きです。何のご縁か、10年程自動車業界の片隅で仕事をさせて貰っています。


 本当は、中学生の頃は親父が地方公務員で、運輸支局の事務所に勤めていた事もあり、車の話を聞くのをウンザリしていた。


 その頃、お年玉で買って貰ったPC-9801が私の宝物でした。


 16bitセンセーションのキャラ、守君と同じような人生ですねぇ。あれはキチガイだけど。


 ともあれ、コンピューターの仕事がしたい。そういう言い訳をして当時40万円もするパソコン一式を買って貰いました。


 当時は、当然のように5インチフロッピーでしたよ。今の子には分からないでしょうね。


 OSと言えば、MS-DOS。ゲームと言ったらフロッピー三枚位でした。


 ……時代ですねえ。液晶ディスプレイが熱暴走するまでゲーム三昧でした。


 ともあれ、本来自動車との接点なんてありません。


 就職前に運転免許証を取るために頑張ったくらい? 補習ばっかりでしたねwww。


 念願のシステム屋になったのは良いが、やる事は工場のラインでのシステム導入。


 車の話はどうなったって? もうちょっと待って欲しい。


 リーマンショックの頃、会社が潰れた。無職となった私は、仕事を求めて東へ西へ。


 初めての東京での就職活動で見つけたのが、今の職場なのだ。


 当時、システム立ち上げから3年……やっつけ仕事であちこちの穴を塞ぐ仕事ばかりだったのは、仕方が無い。


 なにせ、日本国内にある全ての自動車7500万台と、すでに解体された車一億台を管理するシステム。巨大すぎたのだ。


 日本国中の自動車系エンジニアが集まり、システムは2005年に稼働。


 だが、現場の状況とシステムの運用は、噛み合っていない事が暫くしてわかった。


 もちろん、車を買ったり中古車市場の動向、廃車にする際の鉄スクラップ市況など、一年間に処理する車の予測もしなければならない。


 日本でしか、このような組織は存在しない。どんな組織なのかは機密なのだ。



 そんなこんなで、変動するそれらの数値を纏め上げ、排気される台数を予測する事……。


 これが難しい。日本では、年式の新しい中古車を下取りに出して、新車を買う。


 中古車は、それぞれの機種や色、走行距離で判別されて、初めて中古車市場に並ぶ。


 また、部品取りの為に山詰みする事も良くある話。


 自動車業界というのは、魔窟である。


 新車を作る側、中古車を売る側、廃棄してゴミとして処分する側……。様々な人が絡み合う。


 それでも、傾向らしきものは見つけられる。例えば車検。


 車検が切れる前に中古車市場に並べるのが一般的。


 中古車として下取り価格を上げるために、好きでも無い色にする事だって多い。


「いつかはクラウン」なんて言葉もある。自動車は、その人のステータスシンボルである。


 金持ちほど、車にはこだわるのだ。


 メルセデスベンツに乗って、ジーパン履いてるスティーブジョブス。


 ミニクーパーやコブラに乗って、人生を謳歌するイギリス貴族。


 ビートを愛する日本人に、軽トラを田舎のベンツと呼ぶ人達。


 古いアメ車をガレージで修理しながら、カスタマイズするアメリカ人。


 数え上げればきりがない、車とは人生であり、伴侶と言っても良い存在なのだ。


 貧乏人は、軽に乗れ!! などと極論を言うつもりも無い。人の選択は尊重されるべきである。


 都会暮らしは、シェアカーを乗り回しているが、田舎の人にとって、車は必需品だ。


 燃費やマニュアルに拘るオタクだって、山ほどいるだろう。


 ……自分は、もう18年も乗り続けている。その車は愛娘が生まれる時に買った車だ。


 若い頃は、深夜の高速をたばこを吸いながら、トラックの群れを避けて深夜料金で旅行した。


 ループという夢で、あちこち集まった人と思いを共有した事もある。


 人生の中での何割かを車と共に生きたのだ。それは確かに自らの出自であり、生きた証である。


 

 技術の進化は、日進月歩だ……。パワステにエアコン、ウーハーやらカーナビやら。


 いつの間にか、車とは生活するのに最適な先進的な存在となった。


 そこには、暖かな優しい車のエンジン音は無い。


 無機質なモーター音、巨大なバッテリー。ぶつかれば、炎上する可能性を秘めた凶暴な獣。


 それが今のEVのイメージだ……。もちろん、個人的な感想である。


 近未来を象徴する最先端技術の塊と言う人もいるだろう。


 だが、そこには車に対する愛は無い。カッコいい・環境にやさしいというイメージ戦略に資本主義的な思想が見え隠れする。


 そして、スマホ感覚で乗り換えるのだ。愛情も無く、マウントを取るためにだけ購入されるEV。


 金のために、修理する訳でも無く乗り捨てられる車。


 ……そこには、かつて自分の愛車を嫁よりも愛した人達の想いは無い。


 財産だから。ステータスシンボルだから……それだけの理由で高い金を出して買うEVに本当に価値はあるのか?


 ビンテージ車やクラシックカーを愛好する人達が、EVに心を奪われる事は無いと思う。


 そこには、人の心を置き去りにした工業製品しかないのだから。


 だから、簡単に売り払う。コツコツとメンテナンスやカスタマイズをする楽しみも無い。


 家族で過ごした旅行の楽しみも無い。


 ただ、充電量を気にしてイライラするだけの無機質な移動を行うだけの運転。


 ……そこに愛はあるのかい? 美しい思い出は残るのかい?


 別にEVが悪いとは言っていない。技術の進歩は素晴らしいと思う。


 ただ、まだ未完成の技術を弄り回して、欠陥品を売って儲ける資本主義の本質をおぞましいと思うだけだ。


 都合が悪くなると、手のひらをひっくり返してEVを悪者に仕立て上げる。


 ちょっと電気代が高くなったら、用済みだ。


 日本と外国の中古車事情は、かなり異なる。


 大事に使う事を美徳とする日本では、中古車市場が強い。


 ビックモーターの様な悪質業者はいるが、基本的に物に魂が宿るという、日本の精神性があるから、中古車でもちゃんと市場が出来て管理されている。


 一方のアメリカは、新しい物を消費する事が正義だ。自然と中古車の価値は低い。クラシックカーならともかく、ちょっと古くなったらすぐに捨てるのだ。


 もちろん、物持ちの良いアメリカ人だっているだろう。国民性の違いはあるが、長く使われる自動車は、環境に優しくないのか?


 日本のトラックやバスと言った商業車の使用年数は、最低でも20年は超える。大事に大事に使うのだ。金が無いとも言うが……。


 そして、アジアなどの後進国では、日本車は大人気だ。壊れなくて、無理がきいて燃費も良い。


 海外にとっては、日本の中古車の部品は、喉から手が出るほど欲しいのだ。アメリカでは、ピックアップトラックよりも、日本の古い軽トラが人気である。


 資本主義的に言えば、海外に部品を輸出した方が利益は上がる。


 間違いなく、ゴミ扱いの車だって価値があるのだ。


 だが、その後進国ではきちんと使えなくなった車を処理する仕組みも覚悟も無い。


 そこら辺に放置したり、使える物だけ取って捨てる。


 ……それの何処がSDGsなんだ?


 作ったら、きちんと処分して出来るだけ使えるところを資源として使う。


 それがSDGsってものでしょう?


 正月番組でNHKの「解体キングダム」を見た人はいるでしょうか?


 あそこで、解体業者や研究者の努力と矜持を拝み見る事が出来ました。

 もし、再放送されたらおすすめです!! カッコいい仕事人を堪能できますから。



 EVにはそれが無い。作ったら作ってお終い……。


 リチウムイオン電池は、凄い勢いで劣化する。そしてリチウムやマンガンと言った希少金属をリサイクルする術は、まだ未完成だ。


 そんな状態で、補助金を出して大量にEVを作れば、環境破壊待ったなしである。


 何のためにEVを作るのか。それを求めるのか?


 そういう根本的な事は、自由と正義のアメリカさえ理解していない。あくまで、環境問題は売るための看板なのだ。


 日本の自動車メーカーや解体業者、廃棄物処理業者はその辺をしっかりと理解している。


 かつて、それが大問題になったからだ。


 豊島事件というのをご存じか?


 ある業者が、金になる廃車の鉄や部品だけを抜き取り、売って大儲けして残りは野焼きした。


 当然ダイオキシンも出るし、環境破壊も起きる。住民は猛反対する。


 結局数十年それを繰り返し、その処理のために膨大な税金を投入する事になった。


 この顛末の末に、SDGsが叫ばれるようになったともいえる。


 同じくオゾン層破壊。フロンガスを輩出しないために、世界中の国々が協力して、環境を守ろうと必死になった。唯一世界規模で成功した環境対策の事例だろう。


 もう、オゾンホールという言葉自体を聞く事も無い。有害な物質を生み出して埋め立てる悪質な業者もいない。


 それが、数十年前の状況だった。


 よく、日本はSDGsに消極的と言われる。


 西洋や北欧諸国に比べ、遅れていると言われる。


 違うのだ! 君達が騒ぐもっと前から、法律を整え管理して処分を徹底しているから、やる事が無いのだ。


 ゴミ箱が見つからなかったら、ポケットにしまって家に持ち帰る日本人に驚く外国人がいる。


 昔は、日本だって汚かったのだ。


 オリンピックや万博の頃、海外に恥ずかしくない様、徹底的に教育したのだ。


 SDGs後進国などではない。高度に進み過ぎて、当たり前の事を力説されているので困惑しているだけなのだ。


 中古車市場だってそうだ。EVやHVと言ったバッテリーを回収する仕組みを今も模索している。


 資源化する為の研究も進めている。


 日本という国は、元々環境に恐ろしい程敏感なのだ。


 諸外国の行動は極端だ。クジラの話と同じ。


 環境なんか気にせずにお金儲けに走る。お金を掛けて環境を何とかしようと叫ぶ。


 ……馬鹿じゃねーの?


 だから、アメリカには中古車市場というものが存在しない。


 新しく買うのが、かっこいいからだ。作った後のゴミなんて見向きもしない。


 ペットボトルを使わない! 使い回しできる食器を導入する!! なんて、日本人なら当たり前の感覚だ。


 騙されてはいけない。奴らは未開の人種なのだ。


 環境に対して無頓着だったり、極度に厳しくしたり……そういう矛盾を振り返らない。


 過去も未来も無い、今だけを生きる人々なのだ。


 価値観の違いと言ってしまえば、それまでである。


 だが、本当に賢い人間というものは、古代から愛されている。


 半端に頭がいい人間というものが、如何に始末に負えないものか……そういう話は数千年前から語られているのだ。


 という訳で、情報に踊らされずに自分自身の考えをもって、本当に大事なものを見つけて欲しい。


 それこそが人類の進化、という奴なのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] EVは日本ほどのエンジンを作れないから、 規制して車を売りたい手段だとか言われてますね。 SDGsも二酸化炭素は嘘っぱちで、ただ便利に 庶民に浪費させたくないだけ。 人口削減もワクチンでや…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ