勇者スキルを取られ、仲間にも捨てたれた
連載版です
『今のフィル様と私とでは釣り合いが取れておりません。教会に帰らせて頂きます』
『勇者じゃなくなったフィル君とだと、ボクの目的が達せられないよ。だから祖国に帰るね。バイバイ』
ぼくの名前はフィル・クロフォード
元、、、勇者だ
剣と魔法がある世界で、ぼくはいわゆる一般的な魔法が使えない
その分、自身を強化する魔法を鍛えていたんだ
幸い魔力量は、母親譲りで他人よりも多くて
父親に剣術と武術の厳しい指導を受けていたから
強くなる方法としては正しかったと思っている
ぼくは貴族の三男だから実家を継ぐ事はないし
魔力はあっても、一般的な魔法が使えないので
戦争で貴族として、魔法を使っての活躍が出来ない
この国では成人する時に
適正を鑑定してもらう儀式がある
その時に言われたのは
『幸運値がとても低い』らしく
運の要素が絡む仕事はしない方がいいと言われた
家族は、貴族として役に立ずなぼくにも
とても良くしてくれたんだけど
ずっと家族の世話になるわけにも行かないから
いままで鍛えてきた中で
唯一自信がある個人の強さで生活する事を考えて
冒険者になった
冒険者になって、最初は雑用しかやらせてもらえなかったんだけど
採取の依頼で初めてモンスターを倒した時に勇者スキルに目覚めたんだ
その時は、勇者の自分だけが出来る事があるってとても興奮した
そこからは人生が好転した
勇者スキルによって、能力はいままでよりも増大し
王国の中で、ぼくに勝てる人はほとんどいないんじゃないかな
さらに勇者スキルは
幸運値にも補正があるので
なにをやってもうまく行っていた
でも、それは借り物の力だったんだ。。。
そんな事は他ならぬ
ぼく自身が知っていた筈なのに、調子に乗っていた
だから、ぼくは仲間に捨てられた