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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第21章 傲慢なる理想の権化

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878.ヴェアヴォルフ・ザイン


○630KPを手に入れました。



「これで四千五百越え」


 宝箱だけで二千KP近く貯められたのは、運が良かったのかどうか。


 “太陽光支配”で、多種多様なゴブリンの群団を一瞬で焼き払う。


「お前達も、そろそろ消しておこうか」


 “ゴブリンキング”と“ゴブリンクイーン”が揃うと、ランダムにゴブリン系のモンスターを出現させるため、遭遇した(つがい)三組をわざと生かしておいた。


「うん?」


 最後の番のキングとクイーンが変異を始め、レジェンダリーモンスターの特徴的な黒い皮膚へと変わり、額に紅い宝石まで出て来る。


「レジェンダリー・ゴブリンキングに、レジェンダリー・ゴブリンクイーンて所かな?」


 太陽光線を当てるも、頑丈な皮膚を焼くに留まってしまう。


「さすが、基礎能力に関してはSランク最強のレジェンダリー」


 “アマテルの太陽剣”の剣先に、太陽光を収束させる。


『グジャァァァ!!』


「――[絶視光]」


 収束させたレーザーを発射し、突っ込んできたクイーンの胸を貫き、一撃で終わらせた。


『グギャアアッ!!』

「君も後を追いなよ」


 キングのハグを避け、“アマテルの太陽剣”の刃に太陽光を浸透させる。



「――[絶視閃]」



 レジェンダリーの身体を、なんの抵抗もなく焼き切り――真っ二つにした。


 支配の力とは相性が悪いアルファ・ドラコニアンに対抗すべく編み出した、瞬間火力特化の二つの秘技。


「五千までもう少しか」



「“聖剣支配”」



 輝く無数の剣が、天より降り注ぐ!!


「“神代の巨翼”!!」


 “五葉手の九鬼の黒翼”から青白い大翼を形成――数多の剣の雨から身を守る!


「彼の仕業か――“太陽光支配”」


 無数の太陽光線を、遠くの三人組に対して放射!!


「“聖盾支配”」


 今度は無数の輝く盾が出現し、僕の攻撃を防ぎきられる。


「まさか……SSランクを二種類所持しているのか」


「どうするんだよ、マサハル。三人でアイツを殺るのか?」

「KPの分配が出来ない以上、僕は宝箱探しを優先すべきだと思うけれどね」


 鎌を持った野性的な男に、黒いバトルパペットを従えた眼鏡の男が、騎士然とした優男の指示を待っている様子。


「彼を相手にするのは割に合わなそうだ。時間も無いし、先へ進むとしよう」


 背を向けて去っていく三人組。


「……」


 チョイスプレートを開き、SSランク欄を確認。


「“聖神剣・ゴッドブランド”、“聖王盾・エンデュアーブランド”、“アダマスハルパーズ”、“アナイアレーションパペット”……全員がSSランク所持者だったか」


 キクルと彼女からの情報を加味すると、奴等の正体は……。


「あれが、《聖王騎士団》のレギオンリーダーと、その幹部」


 デボラの情報通りなら、あれがもっとも観測者達に贔屓にされている最大手レギオン。


「模造神代文字の存在も考えると……やっぱり、僕のレギオンだけで対抗するのは現実的じゃないか」



●●●



「――紫電一閃」

「――ハイパワースラッシュ!!」


 アサヒさんと二人で……ベータを斬り殺す。


「今ので三千五百を超えました、ユイさん」

「なかなか集まらない」


 二人で行動しているおかげで、危なげなくここまで来られたけど。


「私は四千二百ちょい……あ」


 モンスターの大群が迫ってくる。


 見えるだけでベータが二体。


「アレを一人で片付ければ、ユイさんは五千を突破できそうですね」

「見付けたぁ!!」


 モンスターとは反対側から……明らかに目がイっているおかしいのが、真っ直ぐに駆けてくる。


「プレーヤーなら、千以上は手に入りそう」

「では、あちらは僕が貰います」


 互いに、反対方向へと駆け出す。


 せっかく一人になったんだし、アレを使うかな。



「“守護神/平将門(たいらのまさかど)”」



 青い炎を纏う武者を、私の背後から呼び出す。


 突発クエスト・乱天を超えよで手に入れ、譲って貰った私のお気に入り……なんとなくだけれど。


「来た」


 “守護神/平将門”の能力は、私に近付くほどステータス、全ての耐性の低下というもの。


 特に耐性は、私に接触するほどの距離になるとゼロ、ステータスは最大でも40%低下する……て、シレイアさんが言ってた。


 逆に言えば、平将門はそれだけの能力だとも。


 周囲に味方が居ると迷惑掛けちゃうから、これまで実戦で使用する機会が無かった。


「“太刀神降ろし”」


 腕輪の能力で“波紋龍閃の太刀”を巨大化し、九文字刻む。



「“太刀風”――紫電一閃」



 巨太刀の横薙ぎ一閃により、大型モンスターは両断――“太刀風”によって放たれた斬撃の余波を食らった小型モンスターの大半が絶命。


「4893KP……か」


 困った……かろうじて生き残っているモンスターを全滅させても、ちょっと足りないかも……。



○○○



「“活性化”」


 第三回大規模突発クエストのKPと引き換えに手に入れたSSランク、“アライブ・ザ・スラッシャ”に宿る二人の姉に起きて貰う。


『一日に何度も起こされるの、慣れないわね』

『そう言うな、ツカサ』

「ごめんね、ツカサ姉さん――“超同調”」


 武器に宿る二人の意識と、自分の意識を繋げる。


「ハハハ、ヒヒヒ」


 様子のおかしい男が、目玉が飛び出しそうな形相で僕を見ている。


『何コイツ、ラリってんの?』

『何をしでかすか、自分でも判らん精神状態かもな』


 二人の警戒心が上がっていく。


「お、お前も殺す」

「お前も?」

「足りなかった……から、仕方なかったんだ……ヒヒ。代わりに、願いで生き返らせれば……ゆ、許して貰える……また仲間に、ヒヒヒヒハハハ!」


 事情は分からないけれど、仲間を殺したうえで生き返らせたいらしい。


「悪いけど、願いを叶えるのは僕だ」


 このSSランクを手に入れる直前、第三回大規模突発クエストで……殺されてしまった二人を生き返らせるために――僕が願いの権利を掴み取る!!


『――アサヒちゃん!』


 ツカサ姉さんが持つサブ職業、“大賢者”が読み取った情報が、“超同調”を通して僕に伝わってきた。


「“ヴェアヴォルフ・ザイン”?」


 奴が手にしている半面が、SSランク!?


「ヒヒヒヒヒ……俺のSSランクだ――“人狼支配”」


 奴が仮面を装着すると、身体が変異していき……筋肉が膨れ上がった巨軀の人狼に!!


挿絵(By みてみん)


『さあ来い、俺の下部(しもべ)ぇぇ!!』


 突然現れた黒い塵煙が収束していき、大半がBランクの“ワイルドワーウルフ”、上位種の“マサカーワーウルフ”が八に、“レジェンダリー・ワーウルフ”が三体。


『奴のライブラリにあるワーウルフタイプを、理論上、好きなだけ呼び出せるみたい』

『倒してもきりが無いってわけだ』

「ならば、狙うは」


 “ヴェアヴォルフ・ザイン”、所持者の首!!


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