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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第21章 傲慢なる理想の権化

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855.性奴隷

「……この格好は」


 やたらいかがわしい囚人服に、全員が強制的に変更させられてしまった……聖剣が無いと不安になってくるな。


「皆さんには、今日からこの国の性奴隷として働いて貰います。この国の男性のために、精一杯ご奉仕するように」


 眼鏡の女が、事務的な態度で説明していく。


「本日は、上級国民の方々を優先して相手をしていただきます」


「ねぇ、相手って……そういう事よね?」

「クソ、自由が利けば素手でも!」


 アヤナとノーザンが騒ぎ出す。


「落ち着きなよ。ゲーム的なイベントなんだから、このまま最悪の強制イベントになんてならないって」


 アオイが宥めに入って冷静になる現世組と、ゲーム的なイベントが理解できないために混乱している異世界組。


「チャンスは必ず来るから、心配する必要は無いって事だ」

「そのチャンスを逃さないよう、冷静を心掛けた方が良いと思う余」


 隠れNPCのフェルナンダとナノカの言葉に、なんとか全員が平静を取り戻してくれた。


「フー……さて、どうするか」

「すぐに移動しますよ」


 女がそう言うと首輪から鎖が生え、女の手に全員分の鎖が集約される。


「大人しくついてきなさい」


 抵抗することもできず、私達は正真正銘の奴隷の如く……収監されていた場所から外へと連れ出された。



●●●



「ここが首相官邸?」

「そうだよ、クレーレ」


 都市の中心部にある、どこか中国っぽさを思わせる黒くて四角い建物。


「で、ここでなにをするんだ?」


 モーヴの問い。


「結果的な殴り込み」

「はあ?」


 困惑を無視して建物の中へ。


「どのようなご用件でしょう?」


 お堅そうな眼鏡のビジネススーツ女性、“女官僚”が、地味に色っぽさを向けながら、カウンター越しに声を掛けて来た。


「出国許可証の発行をお願い」


 本来の流れなら、出入口の門に行った際に、門番が許可証の有無と発行場所がここだと教えてくれる。


「……少々お待ちを」


 受け付けカウンターから、眼鏡の女性が去っていく。


「面倒な手順」


 この後の展開を知っていると、余計にそう思う。


「全員、戦闘態勢を整えて」

「どういう事です?」


 スゥーシャの疑問に答える暇もなく、私達を“黒の警備隊員”が囲いだす。


「申し訳ありません。我が国の首相の命により、貴女方を拘束させて頂きます。この国の法と秩序と平和維持のために」

「申し訳ありませんって言葉の使い方、間違ってるよ」


 申し訳ないっていうのは、言い訳、弁解をしないって意味なんだから。


「この狭い場所で、なかなかの数だな」

「これ、やっちゃっていいの?」


 レリーフェとユリカが武器を構えた。


「身体が動くようになったらね」

「へ? ――ちょ!?」


 私達の身体が動かなくなった直後、遠くで爆発が起こる。


「な、なに?」

「裁判所の方からだ!」


 “女官僚”が慌て、“黒の警備隊員”も怯えだす。


「――革命の時だぁぁ!!」


 窓や入口の硝子が割られ、白い装束の集団が入り込んでくる。


「げ、迎撃しなさい!」


 “女官僚”の指示により、“黒の警備隊員”が“白の革命軍”と激突。


「冒険者の方々、よろしいでしょうか」


 白いシルクハットを被った男が声を掛けてくる。


「なんでしょう?」

「我が国の騒乱に巻き込んで申し訳ないのだが、この国の王と首相の首を取ることに協力してほしい。無論、協力報酬は出させて貰う」



○革命軍に協力しますか?


  YES        NO



「みんな、YESを選択するよ」


 NOを選択すると、両軍の暴動の中をくぐり抜けて城壁の外まで逃げなければならなくなるだけでなく、レアアイテムを得るチャンスまで失う。


「ありがたい! では、我々と一緒に来てください」


 三人の“白の革命軍”と共に首相官邸の奥へと進み、階段を駆け上っていく!



●●●



「ホホホハ! 可愛いのう~」


 連れてこられた部屋に入った先で待っていたのは、バスローブ姿の裁判長。


「イチカちゃんだっけ~? やっぱり、君が一番僕の好みだな~。ホホホホハ!」


 ……気色悪い。


 生理的に受け付けないという感覚が、嫌でも理解できる。


「こっち来なさい! こっち来なさい!」


 まだ身体の自由が利かない……このままじゃ私……。


「あ! そうだった!」


 私が大人しくソファーに座ると、裁判長が立ち上がってデスクに向かっていった?


「あちゃー、やっぱり薬がないじゃないか! この前使ったあと補充し忘れてたよ!」


「薬って……まさか覚醒剤!?」


「違うよー、覚醒剤入りのやっばーい媚薬だよ~ホホホハ! ……自分で取りに行った方が早いか」


 おちゃらけた態度が、余計に醜悪さを際立たせる。


「すーぐに戻ってくるからね、僕のイーチカちゃん! 大人しく待っててね~!  ホホホホホハッ!!」


 気持ち悪い動きで、踊るように部屋を出て行く。


「…………ハァー」


 一人になったせいか、胸の奥から軽い吐き気が込み上げて来た。


「……枕とかやらされていた方々は、こんな気持ちだったのでしょうか」


 少し違うのは、私が自分の意思でここに……ここに……自分の意思で…………。


 ――頬を熱い何かが伝い、すぐに冷たくなって、ポタポタと床に落ちていく。


「………………嫌だ」


 自分が発した言葉の意味に、すぐには気付けなかった。


 意味に気付いた瞬間、もう――歯止めは効かなくなってたッッ!!


 膝を抱えて身を縮めた時には、目が融けそうなくらい熱くて、胸が一秒ごとに冷たくなっていく。


「コセさ……コセさん以外の人……人と……シたくないッッ!!」


 ――扉が、勢いよく開け放たれた!!!?


「イチカ!!」

「イチカちゃん!!」


 レンさんとフミノさんが駆け込んで来る!


挿絵(By みてみん)


「お前……」

「イチカちゃん……」


 二人とも、こんなにも私を心配して……。


「――皆殺し決定ね、レンちゃん」

「――暴れんぞ、フミノ」


 二人の殺気が凄まじい……急にどうしたのでしょう?



○装備が戻ってきました。



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