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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第21章 傲慢なる理想の権化

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847.三振りの精錬剣VS骨の巨獣


「撒き実れ――“雄偉なる大地母竜の永劫回帰”」



 左腕に、大地竜の大剣を顕現。


 ――骨の巨獣の口から、巨大な光弾が放たれる。


「“壊光支配”」


 ナターシャが“インテグラル・ロードバスター”の支配能力を使い、複数の赤光線を光弾にぶつけて防いでくれた。


「トゥスカ、マリナとの剣を!」



「写し照らせ――“荒野の秘境に硝子は黄昏れて”――ご主人様!」



 黄昏硝子の剣を右手で掴む。


挿絵(By みてみん)


「問題無さそうだな」


 “連携装備”のおかげか、俺自身が作った精錬剣でなくても力を振るえそうだ。


「――“随伴の黄昏硝子”」


 巨大なSSランク骨モンスター、“アキュムレーション・イービル”に――橙色の硝子杭を無限掃射!


「あれが、“累積成層”か」


 数十メートルの巨体を覆う程の、巨大な半透明のドーム。


 俺の攻撃を食らえば食らうほど、ドームが徐々に小さくなっていく。


「向こうから攻撃できない代わりに、障壁無効の対象外で徐々に削られていくという性質上、簡単には突破できない面倒なスキル」


 メルシュの解説。


「トゥスカ、問題はないか?」

「はい。まだまだいけます」


 “荒野の秘境に硝子は黄昏れて”を維持しているのは、完全にトゥスカ個人。


 おかげで、俺は消耗一振り分で戦える!


「“超同調”」


 ナターシャと表面上の意識を繋ぎ、心で指示を出す……本当に感情豊かになってるな、ナターシャ。


《ありがとうございます♪》

《お、おう》


「――“大地支配”」


 自身のスキルで身動きが取れない骨の巨獣の頭上に、時間を掛けて大地の天空杭を生成。


 黄昏硝子の爪でドームを四方から囲いつつ――天空杭を落とす!!


 スキルを解除し、避けようと動いた巨獣の脇辺りが天空杭に大きく抉られたうえ、避けた先に生えていた黄昏硝子の爪に食い込んでその骨を削る。


「“二刀流”――“飛王剣”!!」


 転げ落ちて起きた粉塵に見舞われながら、勘で斬撃を放っておく。


「――ファイア」


 ナターシャの“インテグラル・ロードバスター”の一撃が空中から地上へと激突――粉塵を吹き飛ばし、巨獣に大ダメージを与え……。


「赤い文字……」


 ナターシャのSSランクに、模造神代文字が幾つか刻まれているように見える。


 本当に、使用人NPCとは別の物に変わってしまったみたいだ。


 この変化を、どう受け止めるべきなのか。


「ご主人様!」

「マスター!」


 骨の巨杭が、無数に迫ってくる。


「“神代の剣”」


 九文字刻んだ青白い双剣で、シューラ達に迫る分も含めて全て切り払う。


「メルシュ、シューラ、魔法を!」

「“混沌魔法”――カオスレイ!」

「“焱竜魔法”――サラマンドルイラプション!」


「“黒竜霊”!!」


 二つの魔法を、永劫回帰の剣に取り込ませる。


「――ハイパワースラッシュ」


 十二文字刻み、感覚で百メートルまで伸ばし――横から左に切り払った。


「デカいせいで仕留めきれなかったか」


 身体の七割が完全に吹き飛んでいたら、大半のモンスターは消滅するだろうに。


 ――背から無数の骨杭が上空に放たれ、孤を描きながら落ちてくる!


「“黄昏硝子剣術”――トワイライトグラスブレイド」


 右手の剣を長大化し、大火力でまとめて消――一本しくじった!


「“不撓の恵み”!」


 待機させておいた金銀のEX大剣、“ウェポン・クラスター”でシューラに迫る骨杭を防ぐ!


 ――今度は魔法陣が展開された!?


「“骨魔法”が来るよ!」



「舞え踊れ――“雄偉なる精霊と剣は千代に”」



 巨大な魔法陣より、無数の骨の奔流が迫る。


「“黒呪い”」


 間一髪、生成した白き黒蔦の剣で“骨魔法”を吸収。


「――ハイパワースラッシャー!!」


 頭蓋を基点に、残っていた骨格と村部分を爆ぜさせ……ケリを着けた。


「やったね、コセ坊!」

「……」

「どした?」


 シューラに声を掛けられていたのに気付き、向き直る。


「俺専用の精錬剣、左手でしか振るえないのもそうなんだけれど……両方同時に精錬できたらなって」


 切り替えが間に合わなかったら、少し危なかった。


「偽レギでも、ご主人様の剣は生成できませんもんね」

「ああ……」


 トゥスカの言うとおりで、おそらくは俺の左手から、対応するデータを吸い出して“名も無き英霊の劍”の姿を変えるっていう過程が必要だからなんだろう……合ってるかな、この考え。


「お疲れ、ナターシャ」


 戻ってきたナターシャを労う。


「お疲れ様です、ユウダイ様。その……」


 あのナターシャが言い淀んでいる?


「凄く格好良かったです、私のユウダイ様♡」

「お、おう……」


 普段澄ましたクール侍女のナターシャが、フニャフニャ顔で赤面している……なんて凶悪なんだ。


 黄金の宝箱が、地面からパーティー人数分出現。



○“大地の斧の指輪”を手に入れました。

○“アームリングリング”を手に入れました。

○“鎧装備の腕輪”を手に入れました。

○“効能狩りの十手”を手に入れました。

○“魔術師殺しの大鎚”を手に入れました。



「皆、場所が変わるよ」


 回収した途端に周囲の景色が歪みだし、気付けば巨大な河の中心……滝の上部分にある平らな黒巨岩の上に転移していた。


「“アキュムレーション・イービル”を倒した事で、道のりの三分の二をすっ飛ばせたよ」


 辺りが、さっきまでの荒野と違って緑に溢れている。


「この岩の上は安全エリアだけれど、どうする?」


 メルシュの問いに、メンバーの様子を確認。


「少し休もう」


 精錬剣を使った消耗。感覚的には大したことないけれど、油断しないほうが良い。


「ユウダイ様、膝枕しましょうか?」

「ええ……」

「トゥスカは、アタシが膝枕してやろう」

「ええ……」


 思わずトゥスカと顔を見合わせ、笑みが込み上げた。



●●●



「“万雷の鳴神”!!」

「“重力砲”!!」


 轟く雷と重力の砲撃で、スカルモンスターの群れを薙ぎ払う。


 ■堅実なる大いなりし荒れ地ルートを選択した私のパーティーは、ほぼ止むことのないスカルモンスターの大群との戦いを強いられていた。


「よし、今のうちに行くよ!」


 私とクレーレはゴルドライトニング、エリーシャとモーヴは世紀末リブートに乗り、その他の三人、テイマーのサキ、モモカ、バニラは重装甲飛行戦車で荒野をひた走る。


「ジュリー! 次の安全エリアまで、ずっとこんな感じってマジか!」


 エリーシャが操る三輪バイクを近付け、後ろに乗るモーヴがわざわざ口頭で尋ねてきた。


「まあね!」


 モモカ達が居る状態で“アキュムレーション・イービル”を相手にしたくなかったというのもあるけれど、向こうのルートは早く進める分、色々デメリットもあるからね。


「風が気持ちいいよ、ジュリー姉!」

「走っている間の迎撃はお願いね、クレーレ」


 後ろに乗る雪豹獣人にお願いする。


「まっかせてよー!」


 本当に大丈夫かな……。


おまけ 目の表現を間違えたバージョン

挿絵(By みてみん)

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