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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第20章 真の悪魔の片鱗

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822.ヴォイニッチ手稿の力

「“植物支配”」


 島の木々や草花を操り、襲い来る“ハレム・レオン”や“スカイピューマ”、“スタンピードラット”達を拘束。絞殺していく。


「“四重詠唱”、“星屑魔法”――スターダストシューティング!!」


 上空から迫る“ダークバット”、“スカルドラゴン”、“吸血バット”を消し去る。


 周囲から鈍重な気配。


「……今度は古生代モンスターですか」


 ――上空から炎が降り注ぎ、辺りの植物を燃やしてしまう!?


「“湖水王盾”!」


 水の浮遊盾で防ぐ。


「……七十二柱の魔神、“フェネクス”」


 紫の炎を纏う巨鳥。この炎はあれの仕業ですか。


「“後輪光輝宮”!!」


 弧を描くように追尾する光弾を背後から発射。回避行動を取られつつも翼に当てて、墜落させる!


「崩壊の腕――崩壊拳!!」


 指輪で生みだした巨大な左腕で、フェネクスの頭に一撃を見舞う!


 倒れるフェネクスの横で、右手で持っていた“ヴォイニッチ手稿”を開く。


「“養分吸収”」


 開かれたページから飛び出た植物のワームが、動きの鈍っているフェネクスを呑み込み、本の中へと消える。


挿絵(By みてみん)


 HP半分以下の生物モンスターにしか通用しない、“ヴォイニッチ手稿”の能力の一つ。


「MPの供給源は手に入れました」


 これで、“星屑魔法”を存分に放てる。


 などと考えつつ、急ぎLvアップ報酬で“古代属性付与”を取得。


「“星屑魔法”、“古代属性付与”――スターダストシュート!!」


 最高威力の“星屑魔法”を、総MPの半分と引き換えに放って“古生代コング”、“古生代コブラ”、“古生代ベアー”の身体を削っていく。


 “陣属性付与”で魔法に古代属性を付与したことで、“古代の力”によるダメージ減少の対象から外れている。


「フェネクスのおかげで、暫くはポイントの消費を気にせず戦えます」


 七十二柱の一柱であるフェネクスなら、暫くは優秀な養分の供給源として私のTP、MP、肉体を再生してくれるでしょう。


「なんとか、勝ちの目が見えて来ましたね」



●●●



「“煉獄王輪剣”――“煉獄転剣術”、インフェルノブーメラン!!」


 “バインプラント”、“トレント”、“フラワー・モル”、“ディヴィジョンワーム”、他の知らないモンスターもまとめてぶった切る!


 切られるのに強いモンスターもいたけれど、直後に燃えれば関係ないでしょ。


「それにしても、完全に分断されたわね」


 見える範囲に、仲間の姿は無い。


 まあ、パーティーの半数が自分から離れていったように見えたけれど。


「日付が変わるまで、残り三十分切ったか」


 島に残るって私の判断、どっちに転がるかな。


「うん?」


 頭のデカい白カバのモンスターが、随分と離れた位置で止まって、こっちに向けて大口を開けた?


「――“瞬足”!」


 私がさっきまでいた場所の大気が揺れ、地面が削れていく!?


 “ライブラリ・グラシズ”で確認。


「“エアバスター・ヒポポタマス”? さっきのは、空気砲とかそんなんてこと?」


 いずれにせよ、バカみたいな威力と射程。


「“煉獄の翼”!」


 黒紫の炎翼を呼びだして空に舞い上がり、二射目を回避。


「“煉獄魔法”――インフェルノブラスター!!」


 上空を狙うのは苦手らしく、私の方が先に決まった。


「一発じゃダメか――“獄卒の形相”」


 バカでかい頭、“煉獄にて嘲笑う獄卒の形相”を出現させ、三射目を防ぐ。


挿絵(By みてみん)


「“煉獄弾”、“連射”!!」


 形相から炎弾を放つことで威力を強化――連続で発射して反撃の隙を奪いつつ、確実に削っていく。


「新手のモンスターが……」


 まだまだ、空からも地上からも集まってくるし。


 こんなとき、精錬剣か“マスターアジャスト”が使えれば――カバ野郎を仕留めきって間もなく、何か巨大なのが……モンスターの群れを突き破って空中を泳いでくる!?


「“レジェンダリー・サーペント”? Sランクモンスター!?」


 ペース配分している場合じゃない。


「“煉獄円輪”――“煉獄の業火炎”!!」


 真っ直ぐ突っ込んでくるだけの海蛇野郎に、大火球をぶつける!


「まだ突っ込んで来るのか――“神代の炎爪”」


 コセのように、十二文字刻んだ状態で青白く燃ゆる刃を長大化!!



「“煉獄爪術”――インフェルノスラッシュ!!」



 十メートルを優に超えるだろう竜蛇を、横薙ぎに切り裂いた。


「ハア、ハア……」


 一気にキツくなってきた。


「私、やっちゃったかな……」


 大人しく、次の島を目指していれば……。


「“六重詠唱”、“星屑魔法”、“古代属性付与”――スターダストシャワー!!」


 この場に集まり出していた何百というモンスターが、一瞬で消え去る。


「ご無事ですか、マスター?」

「ヨシノ……」


 合流しようと地面に降り立つと、島は淡い光を放ち始めた?


「これって……安全エリアの光?」


 光が、島全体へと広がっていく。


「条件は不明ですが、この島は安全エリアへと転じたようですね」


「もしあのまま進んでいたら、また何時間も飛びっぱなしになっていたかもな」


 いつの間にか、レリーフェも居るし。


「ハハ、結果オーライってわけね」


 何かを判断するって、本当に難しいわ。



●●●



 深夜0時近く、俺達は【上級国民街】から持ち込んだ食糧で軽く夜食を取っていた。


 大半がコンビニ弁当やパスタ。俺はクリームシチュー味のカップ麺。


 モモカはバニラにハンバーグなどを食べさせてあげながら、ジャンクフードを頬張っていた。


『列車内にてトラブルが発生! 乗客が次々とアンデッドになっています! このままでは、運転席にまで奴等が! 助けてください!』


 襲われてるのがNPCだと思うと、茶番感が凄いな。



○一時間以内に列車内のアンデッドを全滅させてください。


○時間が経つほど、アンデッドの数が増大します。



 急いで夜食を平らげる。


「一時間以内にアンデッドを全滅できないと、列車がコントロール不能になってゲームオーバーだってさ」


 メルシュ、“英知の引き出し”で突き止めたのか。


「前と後ろ、どっちでアンデッドは発生している?」

「両方。特に前後で難易度の差は無いみたい」

「なら、俺のパーティーが前。後ろはリューナ達。クオリアとレミーシャは、ここでモモカとバニラを守っていてくれ」


 ナターシャも残して行こうか迷ったけれど、さすがに大丈夫だよな?


「了解。行くぞ、お前達」


「どこ行くの?」

「ガウ!」


 モモカ達が着いてこようとしている。


「ちょっとアンデッド退治にな」

「私も行く!」

「ガウ~!」


 困ったな。


「アンデッドはここにも来るかもしれない。俺達が居ない間、この場所をモモカ達に守っていて欲しいんだ」


 レミーシャにローゼ、マリアに目配せし、二人を頼む。


「分かった! 任せて!」

「アウ!!」


 聞き分けが良くて助かった。


おまけ

挿絵(By みてみん)


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