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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第20章 真の悪魔の片鱗

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819.VS空賊

 前側の車両に乗り込んだ直後、“空賊”らしき奴等が剣を振り下ろしてきたけど、ハユタタが“霧散のクリアシールド”で受け、その隙に私が“腹の一物をぶちまけろ”で喉を刺す。


挿絵(By みてみん)


「“万雷投槍術”――サンダラスジャベリン!!」


 ハユタタの“ヴァジュランス”が、奥にいた二人の“空賊”を貫く。


「よわ」

「油断すんなよ、ハユタタ」

「そっちこそ」


 SSランクの“エロスハート”が無い以上、今までのツグミによる、火力のごり押し戦法は使えない。


 なら、私達が雑魚処理を担当して、ツグミのMPをいざというときまで温存させないと。


 一応、NPCの乗客は巻き込まない方が良いだろうし。


「ツグミ、“空賊”の数は?」


 ユニークスキル、“人工知能”を持つツグミは、一度遭遇しモンスターと同種のモンスターの居場所が判るようになる。


「この先、列車内に二十以上。でも、列車の外と思われる場所には百以上だって」

「これ以上乗り込まれないよう、急いだ方が良さそうね」

「前はよろしく、ハユタタ。セリーヌは、念のため後ろ担当ね」

「良いだろう、任せろ」


 その強がりな口調、微妙に似合ってないんだよな~、このフェアリー。


 奥の扉が開き、“空賊”が四人、入ってくる。


「――“狂血針”!」


 放った無数の血の針で、“即死”に関係なく片付いた。


「本当に弱いな」

「でしょ」


 なんだかんだで、ハユタタとも長い付き合い。


 ある意味、一番気を遣わなくて良い存在なんだよね。


 次の車両に移って、数十人の“空賊”を二人で始末。


「セリーヌ、後ろは問題ない?」

「問題ない所か、なにも来ねーよ」


 後ろから乗り込んだ“空賊”はコトリ達が相手してるだろうし、あんま気にしなくても良かった?


「……列車の上を、“空賊”が通り過ぎてます」


 ツグミからの情報。


「全滅させなきゃいけない以上、見逃すわけにはいかないわよね」


「その必要は無いようです、ハユタタさん。後ろの扉から全員来ます」


 情報通り、背後から“空賊”が入ってきた。


「一人は“空賊幹部”です。周囲の“空賊”の能力を強化します」


 “人工知能”からの情報か。


「前からも、なんか来るわよ」


 ドアを突き破って、四足の獣が姿を表す。


「“スカイピューマ”。動きが素早く、滑空能力もあるようです。あれは“空賊”のペット? バージョンらしいです」


 賊はモンスターまで従えてんのか。


 まあ、賊もモンスターの一種って扱いなんだけれどさ、このゲーム。


「“泥土魔法”――ベリアルバイパー」


 ハユタタの魔法を俊敏に避けて、接近してくる白毛の“スカイピューマ”。


「“狂血纏い”」


 血を身体の周囲に纏わせ、血のコーティングを施した腕に噛み付かせる。


「ネロ!?」


「“狂血刀剣術”――吸血鬼断ち」


 噛み付いてきた時の衝撃を逃がすために後ろに跳びながら、首を切り落とす。


 “狂血纏い”は狂血系の威力も大きく上げる代わりに、狂血系の攻撃を使うと消えてしまう。


「あんた、自分にも“即死”が適用されるんでしょ!? なに捨て身の戦い方してんのよ!」


「大丈夫、大丈夫。“狂血纏い”でダメージ入ってないから」


 ダメージが入らなきゃ、“死の宣告の指輪”の効果は発動しない。敵にも、私にも。


「だからって……」

「ほら、行くよ」


 次の車両に移ると、社内なのに突風が吹き荒れる!?


「ここが目的地か」


 列車の一部が食い破られるように無くなっていて、代わりに、繋がれたロープの先に空飛ぶ帆船?


「おい、早く戦利品を持っていけ!」

「おう、任せろ!」


 賊の一人が、袋を担いで船に逃げようとしている?


「パワーフリング」


 “道化の投げナイフ”を袋持ちの首に当て、仕留めた。


「お、俺達の財宝を返しやがれ!」

「なに言ってんの、アイツ?」


 疑問を感じてそうなハユタタだけれど――


「ネロさんがさっき倒した敵から、この列車で盗んだ物を手に入れられたみたいです」

「やっぱり?」



○“蒼穹の指輪”を手に入れました。

○“蒼穹神の指輪”を手に入れました。

○“守護神/平将門”を手に入れました。

○“障壁無効の腕輪”を手に入れました。

○“光輝神の指輪”を手に入れました。

○“天空竜の指輪”を手に入れました。

○“アイテム起爆の指輪”を手に入れました。

○“神宿りの腕輪”を手に入れました。

○“浮遊落としの指輪”を手に入れました。

○“Sランク倉庫の指輪”を手に入れました。

○“レベル・グラシズ”を手に入れました。

○“アームリングリング”を手に入れました。



 ほぼアクセサリー類だけれど、悪くないラインナップ……たぶん。


「“万雷の鳴神”!!」


 列車にいた“空賊”を、まとめて焼き殺すハユタタ。


「後は頼んだわよ、ツグミ!」

「うん!」



●●●


 ようやく私の出番。


挿絵(By みてみん)


「――“桜火・切線”!!」


 右手の手刀を振り抜き、それによって生まれた赤い線が――空飛ぶ船の前半分を切り裂いて発火させる。


 さすがにこの巨体だと、一撃では切り裂けないか。


「“桜火爆撃”!!」


 翳した手の数十メートル先で、連続爆発が起きて船を悲鳴と共に粉々に。


 残った部分も燃えだし、やがて光へと変わり出す。


「さすが、ユウダイさんから貰ったスキルです」


「「そこは“桜火砲”じゃないのかよ!」」


「はい?」


 

●●●



「“大鬼肩腕”!」


 両肩辺りに浮くように出現させた腕で、“空賊”をぶちのめす。


「コトリ、そっちに行ったぞ!」


 エトラの叫びによって間一髪、“スカイピューマ”の襲撃を止められた。


「“光輝弾”」


 口の中に撃ち込んで、内部から炸裂させる……血が周囲に飛び散っちゃった。すぐに光に変わるけれど、親を殺した時の感覚を思い出して嫌になっちゃう。


「“邪光線”!」


 袋持ちの“空賊”を始末してくれるエトラ。


「――“竜炎砲”!!」


 エトラの一撃が決まって、船が半壊。


挿絵(By みてみん)


「“果物爆弾”、“蜃気楼”」


 パイナップルを十倍くらいの大きさに見せるマリナ。


「“観測透鏡”」


 透明な望遠鏡のような物を頭上に生みだした瞬間、マリナが思いっ切り振りかぶった。


「――死に去らせッ!!」


 巨大パイナップル爆弾が、半壊状態の船にゴールイン。一瞬遅れて大爆発を起こし、“空賊”を全滅させてしまう。



『全ての“空賊”が撃退されました。皆様、ありがとうございました。謝礼をお受け取りください』



○謝礼として3000000(三百万)Gを受け取りました。



「ナイス、エトラ。ナイス、マリナ」


 二人を労う。


「……私、寝直したい」


 そういえばマリナって、寝起きは機嫌が悪くなりやすかったっけ。


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