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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第20章 真の悪魔の片鱗

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808.灰燼の厄災

「“精霊剣術”――サラマンダースラッシュ!!」


挿絵(By みてみん)


 マクスウェルのフェルナンダによる“精霊のファルシオン”の一撃が、“ヒューマノイドギア”の胴を両断する。


「フフフ。私のシャドウから手に入れた“精霊魔法”と、さっき手に入れた“免許皆伝”のおかげで、ようやく作り出せたぞ、“精霊の卓越者”!」


 珍しくフェルナンダがはしゃいでいるな。


「新手です! 敵は“ガードボール”」


 アルーシャが教えてくれるも、聞き覚えの無いモンスター名。


「アレか」


 直径一メートル程の金属ボールが、奥から六体も転がってくる。


「“竜技”、ドラゴンブレス」


 アオイの攻撃が直撃するも、弾き飛ばしただけで傷付いた様子が無い。


「ソイツは、転がっている間は無敵だ」


 フェルナンダの言葉。


「倒すのが面倒なタイプか。どうすれば良い?」

「攻撃を食らわせると、あんな風に手足が生える」


 球体の一部が外れ、中からホース状の手足が出てきた。


「あの状態なら攻撃が効く」

「なら、今がチャンスね――“熱指線”!」


 アヤナの指先から放たれた赤い光線により、容易く“ガードボール”が貫かれて光に。


「転がってなければ脆いらしいな」

「油断しないでください、ザッカル様。一定以上の時間が経つと、再び転がり出します」

「そういう事なら――“四連瞬足”!」


 あっという間に距離を詰め、一跳びごとに剣槍を突き刺して全滅させるザッカル。


「段々と身体の重みも戻ってきたし、元の感覚で動けるようになってきたぜ」


「下に行くほどに、重力が強くなっている気がするな」


 フワフワした感覚だと戦いづらかったから、正直に言って助かる。


 この前のボス戦の時は、“ヴリル・ジェット・ヘイロウ”のおかげで私はなんとか戦えたが。


「また新手か」


 今度は、以前に見た覚えのある脚つき戦車か。


「数メートル進むたびに連戦で、さすがに疲れて来たわ」

「アヤナはMPを温存しておいて――来い、聖王騎士!」


 《子羊を愛でよう》のリーダーを殺して手に入れたEXランクの指輪、“聖王騎士の指輪”から純白の騎士を召喚。


挿絵(By みてみん)


 使用者と同じスキル、サブ職業を使用できる半自動タイプで、MPやTP、肉体の回復能力も術者に依存する形で設定される。


「蹴散らせ!」


 いきなり“精霊魔砲”を使い、“フットパンツァー”の半数を消失させてしまう聖王騎士……MPの回復速度が半分になっているのに。


 盾で砲撃を受けつつ距離を詰め、手にする剣で“極光剣術”を発動。あっという間に殲滅してくれる。


「フェルナンダ、聖王騎士を一度消してからすぐに呼び出した場合、TPやMPの消費具合はどうなる?」

「消す前と変わらないな。消している間に徐々に回復してはいくが」

「そう上手くはいかないか」


 取り敢えず、聖王騎士を先頭に攻略を続けよう。



●●●



「“高機動移動砲台”が四機、来ますえ!」


 九尾のタマモからの情報。


 “高機動移動砲台”って、モンスターエレベーターの報酬でコセが手に入れてたヤツだよな。


「“灰燼壁”!」


 灰の壁を前面に展開し、砲撃を防ぐ。


「――“硝子の霊廟”」


 無数の硝子欠片が、一定空間に上から下まで出現。


 砲撃に砕かれながらも、マリナの新たな能力が私達を守ってくれる。


「“熱光線”!!」


 マリナが放った一筋の光が硝子に反射され、空中を飛び回る三機の“高機動移動砲台”を爆発させた。


「“ミケカムイ”――“斬脚”」


 移動砲台以上の速度で距離を詰め、右足の蹴り上げで真っ二つにしてしまうケルフェ。


「マリナはん、MP管理は大丈夫かえ?」


「ごめん、半分以下になっちゃった」


 戦士のコトリがリーダーだから戦士側の街に転移したが、私達のパーティー六人中、四人が魔法使いだからな。


「皆、本命が来たわよ」


 モーラのリンカの視線の先から、細身の高身長ロボットが現れる。


「“マーシャルアンチゴーレム”。武術が通じないやつどす」


 コイツが出るって事は、ここが目標地点か!


「出番だよ、エトラ!」

「おう!」


 コイツを相手取るために、私はMPと体力を温存させられていたんだ!


「――“厄災の枝”」


挿絵(By みてみん)


 “スルト”からドロップしたというアイテム、“レーヴァテインの腕輪”の強力無比な能力を行使――腕輪から吹き上がる炎を、私の意思で巨大な投槍に変える!


「“灰燼投槍術”――アッシュジャベリン!!」


 耐性を無視する厄災の業火を、向かってくる細身のゴーレムに向かって放つ!


「おっしゃ!」


 瞬間的に伸ばされた鋭利な左腕ごと、厄災の一撃で肩、胸部の半分以上を吹き飛ばした。


「消費が大きい分、さすがの威力だな」

『ギギギィ……』

「“大紅蓮剣”――“灰燼剣術”、アッシュブレイク!!」


 生みだした炎の大剣で、死に体だった“マーシャル・アンチゴーレム”を光に還す。


「大技を連発したが、やり過ぎだったか?」

「いんやぁ、“マーシャル・アンチゴーレム”は見た目以上に強いかんねぇ。制限が掛かっているこの状況なら悪くはないえ」


 タマモがそう言うならそうなんだろうが、コイツはどことなく胡散臭い。


「あ、安全エリアに変わった」

「今日はここまでですね」


 コトリとケルフェの会話。


「ところでエトラ、職業は決めたん?」


 私のご主人様に尋ねられる。


「ああ……まだ決めかねてる」


 憧れのリーダーに近付けるだろう魔法戦士にするか、瞬間火力重視の大魔導師にするか。


 ウララや隠れNPCに色々訊いてみたりしたけれど、決定打になるなにかが……。


「まあ、ゆっくり決めれば良いよ。悩んでいるうちは、無理に決めても良いことないしね」

「……おう」


 コトリはそう言うけれどさ、早めに決めて強くなっておく方が良いだろ。


 いつ、何が起きるか判んねぇんだから。


 只でさえ私は、燃費が悪いうえに精錬剣も作れねぇし……リーダーみたいに十二文字も刻めないんだからさ。


「え!?」

「どうした、コトリ?」


 珍しく慌てて。


「今日の19時から、第四回大規模突発クエストの案内があるってメッセージが……」


「大規模突発クエスト……」


 私が知っているのは第三回だけだが、あれは今までの中でも大規模な物だったらしい。


 果たして、今回はどうなるか。


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