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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第20章 真の悪魔の片鱗

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807.新入り達の実力

「“蜂蜜魔法”――ハニーカノン」


 機械と生物が融合したようなバイオモンスター、“バイオフェイリアーキマイラ”の脚に命中させて、機動力を封じるキャロル。


「クミン!」

「任せて!」


 “薬液ショットガン”でバイオモンスター特効の“死活液”を放ち、仕留めちまうクミン。


 パーティーとしては悪くないが、中々個々の実力を見る機会に恵まれないねー。


 お菓子、甘味に関する能力、ネタ装備で統一しているキャロルに、薬液と魔法で様々な敵に対応可能なクミンという対称性。


「“二刀流”――“魂魄剣術”、オーブスラッシュ」


 取り回しやすい円剣の二刀流で、ゾンビの上位モンスターである“レヴナント”を蹴散らすロフォン。


 動きだけなら、四人の中で一番良い。


「“雷岩鎚術”――ロックボルトブレイク!!」


 長柄のハンマーで、“レヴナント”を一網打尽にするメリー。


挿絵(By みてみん)


 パーティーのパワーと打撃担当がメリーってとこかい。


 ロフォンとメリーは、一芸特化ではあるが強味のあるビルドだし……キャロル以外は、それなりに堅実かね。


「どうですか、シレイアさん? 私達の力は」


 クミンに尋ねられる。


「悪くないね。装備の質を上げれば、うちのレギオンでも充分に活躍できそうだ」


 ネタ装備のキャロルは装備が元々少ないし、ロフォンとメリーも、サポート系の装備を渡せば今より底上げしてやれそうだ。


「クミンが一番多芸だね。薬液武器と高火力魔法担当。役割が集中して大変じゃないかい?」


 サポートとまとめ役も、実質クミンの負担になっちまってるし。


「まあ、私以外は面倒な武具を扱いたがらなかったし……おかげで、レギオン内でも装備はかなり充実してたけれど」


「前はレギオンに居たのかい?」


 進みながら会話する。


「攻略のために、かなり無理してね。ちなみに、レギオンリーダーはキャロルだったんだけれど」


 冒険者ギルドで確認したレギオンリーダーの中に、キャロルは居なかったはずだけれどね。


「手に入れたアイテムの分配とか、攻略の方針なんかで揉めてな。元々出入りの激しいレギオンだったが、そういう連中だったからか、五十三ステージでメンバーがごっそり抜けた」

「あそこで、たくさん仲間も死にましたしね」


 ロフォンとメリーの言。


「個々の実力が無いと突破できないモンスターエレベーターで、一気に脱落者が増えたってわけかい」


 アタシらは、裏技でコセとモーヴにだけ戦わせたけれど。


「おーい、安全エリアじゃないんだから、さっさと行くよー」


 緩んだ空気を引き締めるキャロル。


 何気に、ちゃんとリーダーやってるんだね、あの子。


「何か来るぞ!」


 再び歩き始めて暫く、広い空間に出た途端にロフォンからの警告。


「バイオモンスターの群れか」


 生物と機械の融合したタイプのバイオモンスター、バイオ・フェイリアーの群団がなだれ込んでくる。


「キャロル、SSランクを使っても良いよ」


 実力を見るために封じていたSSランクを解禁。


「やった! 装備セット2――“軍粮精支配”!」


挿絵(By みてみん)


 キャラメルの短剣より、液体と固体の中間のキャラメルが大量に発生――甘ったるい匂いを漂わせながら、バイオ・フェイリアー共を一気に捕獲。そのまま一纏めにしてしまう。


「私がやる! 装備セット2」


挿絵(By みてみん)


 この前のクエスト中にコセが手に入れた“フリーリー・オービットソード”の輪剣バージョン、“フリーリー・オービットサークル”を装備するロフォン。


「“五盛円環(ごせいえんかん)”、“魂魄回転術”――オーブローリング!!」


 回転するほどに威力と攻撃範囲が増し、五回転目で最大威力・範囲に達するスキル、“五盛円環”。


 ただし、六回転目に入ると威力上昇がリセットされてしまうため、最大効果を発揮させるのが地味に難しい玄人向けの能力でもある。


「よし、勘は鈍っていないな」


 にも拘わらず、五回転目でバイオモンスターをまとめて葬ってみせるかよ。


 キャロルが動きを封じていたとはいえ、並大抵の技量じゃないね。


 思念で操作可能なフリーリー・オービット系の武器ならある程度調整もしやすそうだし、武器とスキルの組み合わせも中々。


 うちのマスターが芋ずる式で拾った奴等だが、中々の逸材揃いじゃないか。


「新手です!」


 最奥から現れた、細身でありながら巨軀の人型。


「“マジック・アンチゴーレム”だ! ソイツに魔法は通じないよ!」


 忠告する。


「だったら!」


挿絵(By みてみん)


 腰のホルスターから“スチームガン”を抜き、鉄球を撃ち出すクミン。


 威力はそこそこながら、なんの消費もなく繰り出せる、まあまあ優秀な武器。


 とはいえ、ゴーレムのような防御力のある敵にはイマイチなうえ、次に撃ち出せるのは発射から十秒後。


 腰の“スチームホルスター”に戻せば、再射までの時間を半分にできるが。


「少し罅が入っただけか。“スチームガン”であの程度なら、かなり厄介よ」


 なるほど。“スチームガン”を、敵の脅威度の目安に使っていたのか。


 隠れNPCもオリジナルプレーヤーも居ないパーティーによる、生き残るための工夫ってわけだね。


 伊達に、ここまで生き残ってきた連中じゃないか。


「“グミ撃ち”!!」


 キャロルによる“グミ撃ちの指輪”での攻撃。指輪から様々な色の、拳大のグミを連射してゴーレムを牽制している。


「ネタ装備の“グミ撃ちの指輪”であの威力……相当にランクを上げてるな?」


「メリー!」

「はい! ――“千本返し”!!」


 はね返る性質のあるグミを、メリーがハンマーで器用に打ち返す!?


 打ち返す事で威力を1,5倍にするスキル、“千本返し”。


 グミの特性を利用した良い連携じゃん。


 現に、足止めしつつダメージが少しずつ蓄積していっている。


「いつもなら、ここでクミンの大火力魔法をぶつけるところだけれど……」


 やっぱり、このパーティーの火力担当はクミンなんだねー。



「私がやる――紫電一閃」



 グミの嵐の中を駆け抜け、十二文字刻んだ“波紋龍閃の太刀”で決めるアタシのマスター。


「「「「凄い……」」」」


「……まったく」


 キャロル達の実力を見るため、手を出すなって言っといたのに。


「あ、安全エリアになりました!」


 驚いているメリー。


「本日のノルマは達成。この先の攻略は明日だよ」


 ここから先は、今日以上に過酷だからねぇ。


「シレイアさん……もしかしてこのレギオンて、みんなユイくらい凄いの?」


 神妙な顔のクミンに尋ねられる。


「いやぁ……戦闘技能においては、うちのマスターは頭一つ抜けてるかねぇ」


 逆に、うちのマスターはスキルや武具効果を軽視しがちというか、あまり戦闘に組み込みたがらない傾向があるけどねぇ。


「そ、そうですか……良かった」


 まあ、能力の使い方はそれぞれが独自の道を行っているから、一概にうちのマスターより下とは言えないんだけれどねぇ。


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