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ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第20章 真の悪魔の片鱗

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805.逆さ無重力街の荒れ地

「どこまでも荒れ地だなー」


 街の外に出て暫くしたのち、モーヴがぼやく。


「こっちの街は、魔法実験や戦争で荒れ地と化したっていう設定があるからね」


 “重力コンパス”を頼りに、先へと進む。


「……なんかが大量に来るよ!」


 クレーレ、地響きで察知したか。


「“アーマーリザード”だよ」


 “ケラウノス・ミョルニル”の“雷支配”で、土色の巨大蜥蜴の群れを攻撃……大したダメージにはなってないか。


 魔法耐性と雷耐性が高いモンスターだからな。


「モーヴ、“重力砲”!」


挿絵(By みてみん)


「了解! “稼働”――“重力砲”!!」


 “重力重砲”から放たれた一撃により、群れの五分の一程が吹き飛ぶ。


 “贋作者”のユニークスキルで、モーヴには“エロスハート”を使わせている。


「“氷砕牙の剛毛象”!!」


 クレーレ、MPを大量消費する守護神のスキルを。


「ちゃんとペース配分するのよ、クレーレ!」

「大丈夫、大丈夫!」


 氷鉄のマンモスが、“アーマーリザード”を蹂躙していく……まあ、悪くない判断だとは思ってたし。


「キンちゃん!」


 指輪で呼び出した走金竜に乗ったモモカが、バニラと共に、行軍から離れたはぐれ“アーマーリザード”を始末していく。


 戦士のステータスが半分になっているとはいえ、元のLvが100近いからな……装備もスキルも、オリジナルの通常プレ一より遥かに恵まれてるし、ローゼとマリアも着いてるから問題ないか。


「――モーヴ、“重力隔幕”!」

「“重力隔幕”!!」


 半透明な黒い重力のカーテンで、群れの本体を止めさせる!


「装備セット4――“四重詠唱”、“風光魔法”、シーニックダウンバースト!!」


 “アラストール・ガントレット”で“魔法剣杖ミストルティ”の記憶を読み取り、武具に刻まれていた“風光魔法”を発動!! 一気に殲滅してみせた。


 残党は、サキの契約モンスターとモモカ達に任せるか。


「凄い数だったな」

「ここは見晴らしが良いからか、大群が襲ってくるように調整されてるんだよ」


 オリジナルと比べると、さっきのは多過ぎだった気がするけれど。


「安全エリアまでは遠い。辿り着くまでに、あと何回の襲撃を受けることになるか」



●●●



「“颶風魔法”――ストームブラスト!!」


 荒野に現れたスリムな四メートル程の機械ゴーレムに、嵐の砲弾を放つ!


「え、魔法が消えた?」


 当たる直前、溶けるように私の魔法が……。


「サトミさん、ソレは“マジックアンチゴーレム”です!」


 ウララちゃんが教えてくれる!


「つまり、魔法が効かない敵ってわけね」


 魔法使い優位のルートに、魔法が効かない敵とか……ジュリーちゃんのご両親、ちょっと意地悪過ぎないかしら?


 一緒に現れた“大ムカデ”と“デザートラビット”の二つの群れのせいで、みんな手一杯だし。


「“颶風の雷撃”」


挿絵(By みてみん)


 カードダセで手に入れたスキルを行使――青緑色の雷を放って、細長い左腕を焼き焦がす。


「このくらいじゃダメみたいね」


 スキル攻撃は有効みたいだけれど。


 ――ゴーレムとは思えない素早い動きで、接近される!?


「“万変の霧”!!」


 紫色の霧を壁にして防いだのち、鞭のように操って拘束!


「――“神代の真秀颶風”」


 “紺碧の空は真秀な静寂を求めて”に数秒間だけ十二文字刻み、生みだした颶風の球体で――“マジックアンチゴーレム”の上半身を、捻じ切って粉々にした。


「……フー」


 神代文字は極力使わない方針だったけれど、つい使ってしまったわ。


「“アーマーリザード”は出ないか」


 モンスターを殲滅したメグミちゃんの、残念そうな呟き。


「“アーマーリザード”が、例の能力の対象になるかは判らないんでしょ?」

「まあ、対象は竜だから、トカゲ分類は無理だろうな」


 自分だけが使えるSSランクを手に入れてから、どこか浮かれているように見えるメグミちゃん。


「“マジックアンチゴーレム”が出たなら、そろそろ中間地点のはずです」


 ウララちゃんからの情報。


「もうほとんど、普段の重力と変わらない感覚になってきてる」


 リンピョンちゃんの発言。


「……あっち、見渡す限り、土が黒かったでぇす」


 大岩に乗って遠くを眺めていたクリスちゃんが、降りてきて報告してくれた。


「なら、その手前くらいに安全エリアがあるはずです。そこが今日の攻略の、最終目標地点になります」

「じゃあ、急ぎましょうか」


 もうすぐ夕刻なうえ、今日は歩きっぱなしでしんどい。


「でも、なぁんで黒い? 上の街は森だらけなのにぃ」


 クリスちゃんの疑問。


「魔法使い側の街は、魔法中心に発展した歴史を歩み、結果、魔法戦争が起きて、街の周りが草木の生えない土地へと荒廃してしまった。という設定があるので」


 ウララちゃんも、このダンジョン・ザ・チョイスの相当なマニアって感じがするわね~。


「上の街は、魔法が発展しなかったから豊かな森に囲まれていると……【逆さ無重力街】のこのコンセプトには、なにか意味があるのでしょうか?」


 狸獣人のカプアちゃんからの疑問。


「その辺の答え合わせは、街の地下にあるの! 聞きたい? カプア!」

「へ……」


 やっぱりウララちゃんも、ジュリーちゃん達のように、このゲームの相当なマニアなのね。



○○○



 魔法使い側の【逆さ無重力街】、その中心地に聳える塔の前までやって来た。


「こちら、文化遺産の重力塔となっております」



○入場料、1000Gになります。



 パーティーリーダーである僕が六人分の入場料を受付嬢さんに払って、塔の内部へ。


「上に行けば頭上の街に行けるのよね?」


 目の前のエレベーターを見ながらの、クミンのぼやき。


「らしいね。じゃ、さっさとエレベーターの裏側に行くよ」


 円状の壁を伝って反対側へと行くと、表にあったエレベーターよりも小さい入り口がヒッソリとあった。


「ここで良いんだよね、シレイアさん?」

「ああ、この先が五十五ステージのダンジョンだよ」

「悪いはね、ツグミ。隠れNPCが居ない私達のために……」


 申し訳なさそうなクミン。


「気にしないでください。私にはユニークスキルの“人工知能”があるので」

「あんたらの実力、早めに確認しておきたいしね~」


 あらら、シレイアさんからプレッシャーじゃ~ん。


「ここからはパーティーごとだ。心して進みな」

「ほんじゃ、いっくぞー!」


 元々のパーティーメンバーにユイさんとシレイアさんを加えた面子で、私達はエレベーターに乗り込んで地下へと向かう!


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