表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン・ザ・チョイス~デスゲームの中で俺達が見る異常者の世界~  作者: 魔神スピリット
第19章 才能と正義

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

850/956

793.方針変更

「“暴食肥大”!!」

『なんだ!?』


 “グロトネリアの宿斧”を投げ付け、黒山羊の人獣を食い断つ。


「“暴乱惨禍”!!」


 麒麟の人獣をひき肉に。


『ふ、ふざけやがって!』

「“穿孔脚”!!」

「“飛剣・靈光”!!」

 

 ケルフェさんとマリナさんの援護。


『コイツら、最近来た奴らか!』

『部外者のくせに、邪魔しやがって!』

「子供を犠牲に生き残ろうとしておいて!」

『俺らだってそうなんだよ!』


 え?


『なんとしても、拠点を奪って自分達の家族だけは生き残らせる! 綺麗事じゃ誰も生き残れねぇんだよ!!』


 勝手に、攻め入ってきた人獣集団を悪者と決めつけていた!


「ど、どうしたら……」


「――提案なんだけれど、私達のチームに寝返らない?」


 マリナさんからの突然の提案。


「ど、どうやってだ?」

「この二時間くらいで、“鞍替えの$金貨”を七枚手に入れたでしょ? それを人数分、手に入れればいいのよ」

「そっか! 私達の陣営に加えるんですね! あなた方の人数は?」


「さ、33人です」

『……18人だ』


「全部で41枚。他のメンバーにも聞いてみましょう! あなた方は何枚持ってます?」

「へ? ……ぜ、0です」

『俺達は3枚だ……』

「あなた方も、仲間が何枚持ってるか確認してください!」


 レイナさん達のお知り合い、絶対に全員で生き残りますよ!


「あ……」


 ここの結界が復活しちゃった。



●●●



「……エレジーめ」


 そこの陣地を手に入れれば、私達はこのクエストから抜けられたのに。


『どうする、コトリ?』


 レリーフェさんに尋ねられる。


 コセさんなら――ギルマスなら、全員を救ってみせたはず!


「所有する金貨の枚数を急いで確認する」


 通話を繋いでいたジュリーさん、ルイーサさんにも伝える。


『あの……私、“鞍替えの$大金貨”というのを持ってるよ?』


 ジュリーさんの発言。


「大金貨? 効果は?」


『別チームの“地球儀”に使用すると、その“地球儀”所属のチーム全員を丸ごと鞍替えできるみたい』


 なんて都合の良い!


「何枚持ってる?」

『大金貨は1枚。金貨は六枚』

『私達は金貨が2枚』


 大金貨を攻め込まれた側のチームに使えば、なんとか足りる。


「チョイスプレートで金貨をエレジーに送って。ケルフェ達三人には、金貨を持って獣人達の屋敷へ行くよう伝えて、レリーフェさん」

『それだと、今ケルフェ達が居る屋敷が手薄になるだろう?』

「すぐに援軍を送るから、合流しだい内部から結界を破壊して、獣人達を屋敷に向かわせるようにしよう!」


 どんどん、この屋敷の防衛戦力が下がっていくけれど。


「サトミさん、リンピョンとメグミさんを率いて、すぐに向かって欲しいんですけど!」


「ええ! 子供たちにいっぱい、美味しいご飯を食べさせてあげるわ!」


「よ、よろしく」


 サトミさん、やっぱ大物だ。


「もう、十五時半を過ぎた」


 情報通りなら、早いと十六時には大量のモンスターが現れるかもしれない。


「間に合えば良いんだけど……」



●●●



「へいへいへーい!」


挿絵(By みてみん)


「た、助けてくれぇぇ!!」

「いやー、死にたくなーい!!」


 エルフの男、フェアリーの女、ホーン族の男が、得体の知れない液体? 個体なのかも判らない薄茶色味の何かに絡み取られ、動きを封じられたのち……口の中に流し込まれ……窒息死させられたみたい。


「雑魚だなー」


 小柄な痴女みたいな人が、あの妙な液体? を消しながら、その液体の発生源と思われる剣を掲げる。


「さすがSSランク。苦労して手に入れたかいがあったよ」


 あのデタラメな能力、やっぱりSSランクなんだ。


 それにしても、この周囲に漂う甘ったるい匂いは……。


「で、そこでなにしてんのかなぁ!」


 剣の形状が蛇のように変化し、私がいた店の屋根を破壊する。


 あの感じ、やっぱり液体じゃなくて固体?


「姿を消してないで出て来なさいよ、卑怯者」


 卑怯者呼ばわりは……ちょっと嫌かな。


 “透明化”を解いて、姿を晒す。


「…………イケメンだ」

「へ?」


 イケメンて、私は女……あ、今は“男体化”してた。


「それもイケメンポニーテール!」


 この人、イケメンのポニーテールが好きみたい。


「貴方はどこかのレギオン所属ですか? それともパーティー? 僕を仲間に入れてください!」


 さっきまで殺意を向けてた相手に、仲間に入れてって……この人、凄く変な人だ。


「……神代文字って知ってる?」

「なんですか、それ?」

「武器に青い文字を刻めたこと無い? できたら仲間に入れてあげる」


 あれができるかどうかで、ある程度、人として信用できるかどうか判断できる。


「青い文字? あの丸い絵の事です? 装備セット1」


 武器をあの甘ったるい剣から、飴のような透けた刀身の細剣に変え……そこから、飴細工のような色鮮やかな刀身が生えた?


「――こうだっけ?」


 飴の剣に、神代文字が九文字も刻まれた?


「ハアハア、ハアハア……やっぱキッツぅ……」


 あの疲労具合、無理して九文字が限界っぽい。


「良いよ。仲間にしてあげる」


 “鞍替えの$金貨”を投げると、相手が黄金の光に包まれて……向こうにチョイスプレートが表示されたみたい。


「もちろん、YESだよ!」


 同じチームになったみたいで、彼女を覆う光が消えた。


「まずは自己紹介だね! 僕はキャロル」


「……外国の人?」


「違う違う。キラキラネームってやつ? 僕の親がさ、パリピーって言葉が擬人化したような人達でさぁ。ノリでこんな名前にされちゃったんだよ。おかげで、小学校ではよく虐められたんだよ」


 なんかもう可哀想。


「……私はユイ」


「女の子みたいな名前だね。あ、ごめん! ユイさんもきっと、名前で苦労しただろうに……」


 なんか勘違いされてる……そろそろスキルを解こっかな。


「……あれ、なに?」


 空を覆う勢いで、黒い影が数千……それとも数万? も集まって――


「来るよ!」


 まるで空で竜巻が発生したみたいに、黒い影の集団が地上へと落ちてくる!!


「任せて! 装備セット2――“軍粮精(ぐんろうせい)支配”!!」


 また出た茶色味の何かが、コウモリみたいな集団をハエのように絡め取り、身動きを封じていく。


「どうです? 僕って良い女でしょう!」

「ダメ……数が違いすぎる」


 どこか隠れられる場所――プレーヤーが居る宿が目に入った!



「刻みつけろ――“雄偉なる波紋夜の交渉緑”」



 素早く装備を変え、“偽レギ”で精錬剣を形成!!


「“勇猛大地剣術”――ブレイブグランドブレイク!!」


 九文字刻んだ状態で、宿の結界を破壊!!


「ええ、一撃で!? ユイさん、凄い!」


「こっち、早く!」


 敷地内に入る。


「こいつら、付いてくるよ!」

「結界が復活するまで五分、ここで耐えるよ!」


 半日の間、色々観察してて気付いたことの一つ。


 一つ目と鋭い牙並ぶコウモリみたいなやつ、五分間は絶対に宿に近付けさせない!


「“随伴の勇猛”!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ