表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
836/956

779.あからさまな罠

『第二十試合、ゴブリンキングとゴブリンクイーンとの戦闘を開始します』


「最終戦がゴブリンとは……」


 ホーン族には、自分達が最強のオーガの末裔という伝説がある。


 その伝説を信じている者もいれば、胡散臭いデタラメと軽んじる者も居るが、何故か奴等は、私のような者に対してだけは一丸となるんだ。


 ホーン族の中でごく稀に生まれる皮膚が緑色の人間は、ゴブリンの末裔だと罵る時だけは!


「“重力支配”!!」


 動きを封じて、“重力砲”で吹っ飛ばしてやる!


『『ギャギャギャギャギャ!!』』


 クイーンとキングが同時に笑い出した瞬間、赤い光が出現し――多種多様なゴブリンが出て来た!?


「二対一じゃなかったのか……だが!」


 纏めて吹っ飛ばすだけだ!


「“稼働”――“重力砲”!!」


 ――“ゴブリンジャイアント”が出現と同時に盾になった!?


 他のゴブリン共が、大挙して押し寄せて来る!


「クソ!」


 只のゴブリンなら“重力支配”の重圧だけでも始末できるが、重圧が自分から離れれば離れるほど弱くなってしまうのもあり、上位種のゴブリン多数相手には大した決め手にならん!


「――“重圧圧壊”!!」


 上段からの振り下ろしの際に一気に威力が上がる一撃で、突出して来たゴブリンブレイダーを始末。


「“四重・重力球”!!」


 カードダセとかいうので手に入れたらしい“重力球のスキルカード”四枚で手に入れたスキルを行使! 私の前面に四つの引力球を用意。


 突っ込んできたゴブリンが“重力球”に吸い寄せられ、球の限界容量を超えた所でゴブリンごと消滅。


『『ギャギャギャギャギャ!!』』


「まだ増えるか!」


 クイーンとキング、どちらかだけでも始末できれば!


「――やってやる!」


 まだ上手くやれない、神代文字の力を他の武具に移して強化する技術!


「“稼働”――――“重力砲”ッ!!」


 大量のゴブリンの肉壁をぶち抜いて、キングの上半身を吹っ飛ばした!


「ハアハア。よし、上手くいった――おい、ふざけるな」


 既に召喚されたゴブリンの中に、キングやクイーンよりも強い“ゴブリンジェネラル”が居るだと!?


 ジェネラルは存在するだけで、キング以上にゴブリン共を強化するのに!


「だが、これ以上は増えない! 装備セット2!」


 “重力重砲”と“この重圧に堪えきれるか”を

消す。


「“可変”!!」


挿絵(By みてみん)


 “カラミティーアーマー”の両甲手の上部分が回転し、肘向きに付いていた爪部分を前に持ってきて固定される。


「――重力連拳!!」


 正面から、多種多様なゴブリン共を始末していく!


 ――奴等の後方で魔法陣が展開して――“ゴブリンシャーマン”共、仲間ごと吹っ飛ばすつもりか!


「――“魔力障壁”ッ!!」


 後方に跳びながら前面に障壁を展開――放たれた十を超える魔法に、前線のゴブリンはほぼ全滅した。


「ハアハア、ハアハア」


 魔法の余波、完全には防ぎきれなかったか。


「――オールセット2!!」


 “マキシマム・ガンマレイレーザ”にした“レギオン・カウンターフィット”を装備し――チャージ三割でぶっ放す!!


 厄介なゴブリンシャーマンと……ゴブリンジェネラルまで仕留められたのは、運が良かったな。


「ハァー、ハァー、ッ――」

『――ギャギャギャ!!』


 クイーンの爪が眼前に!!


 ――首を、頸動脈をザックリと――急いで治療しないと死――それよりもッ!!!!


 死の瀬戸際だというのに、私は酷く冷静で……落ち着いていた。


「“重力爪術”――グラビティースラッシュ!!」


 すれ違い様に、クイーンの腹の贅肉を大きく切り裂く。


『ギギャー!!』


 デブ雌が。脂肪に救われたな。


「装備セット2」


 “この重圧に堪えきれるか”を手にした瞬間、十二文字が刻まれ――“最後までこの重圧に堪えてろよ”へと強化!!


挿絵(By みてみん)


「“超重圧”――“重圧圧壊”」


 重力系を強化する“最後までこの重圧に堪えてろよ”の能力、“超重圧”適用状態で上段からの振り下ろしをぶつけ――クイーンの頭を粉砕した。


「ハッ、ハッ、ハッ、ハイ……ヒール」


 正気に戻った瞬間、上手く呼吸できなくなった喉で無理矢理に言葉を紡ぎ……なんとか一命を取り留める。


「ハアー、ハアー……ジュリー、全然楽勝じゃなかったぞ」


 後で文句言ってやる。


「……レギオンリーダーの男、最上級コースなんて選んでないよな?」


 せっかくできた居心地の良い場所なんだ。


 私が帰還したら全員死んでたなんて事になったら……絶対に赦さないからな。



●●●



「守護の名の下に排せ――“雄偉なる銀翼の凶兆極右”! 守護の名の下に黙せ――“雄偉なる銀翼の吉兆極左”!」


挿絵(By みてみん)


 “贋作”と“ディグレイド・リップオフ”で、双子の精錬剣をこの手に!


「“随伴の光線”!! “随伴の水銀”!!」


 高さ二メートル越えの大きな石像、“狛犬・吽形”と“獅子・阿形”の二体の連携を、水銀と光線の奔流で乱す!


「“水銀大地剣術”――マーキュリーグランドスラッシュ」


 狛犬の胴を両断。


「“光線大地剣術”――レーザーグランドスラッシュ!!」


 射程無視の超距離上段降ろしで、獅子は正面から一刀両断。十九試合目を終える。


「フー、ちょっと焦った」


 二体の連携の凄まじさは本当に容赦がなかったし、口が開いている方にしかダメージが入らないとか……何気に初見殺しだろ。


「……やっぱりか」


 すぐさま倒した敵の情報を確認すると、ダメージ無効は二体が揃った時にのみ発動する特殊能力である事が判明。


「少し休も」


 TPとMPの総量が凄まじいとはいえ、ここまで来るのにだいぶ消費してしまっている。


「俺は“世間師”のおかげもあってまだまだ余裕あるけれど、全員が最上級コースを選んでたら間違いなく脱落者が出てたろうな」



○二十試合目のルールを、以下から選択可能です。

・Sランクモンスター五体

・SSランクモンスター二体



 最悪の選択肢しか用意されてない。


「数か質か、か」


 俺が知っているSSランクモンスターは、“湖の主”と“イービルヘキサドラゴン”くらい。


 “アンラ・マンユ”に関する情報もあるけれど、三体ともとにかく巨大でタフなのが共通、て所か。


「SSランク二体よりは、Sランク五体の方がマシな気がするけれど」


 それが証拠に……。



○・SSランクモンスター二体 をクリアされた場合、素敵なEXランクアイテムを進呈致します。



 後者を選ばせる気満々じゃん。


「……まあ、良いか」


 軽く食事をしたのち、俺はSSランク二体との勝負を選択した。


おまけ

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ