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77.風邪で大人しく

「美味かったー!!」

「久し振りに食べると美味しいね」

「疲れてたから余計に美味しい!」


 俺とジュリー、ユリカの順にうな重の感想を述べた。


「ありがとうな、トゥスカ」

「喜んで貰えて嬉しいです♡」


 また、トゥスカと結婚してよかったって思えたよ。


「武器選びで結構時間が掛かっちまったね。もう眠っちまおうか」


 もう二十一時近いしな。


「その前に、突発クエストの報酬を決めちゃおうよ」


 シレイアの提案を一蹴するメルシュ。


「そうだな。決められるときに決めておこう」


 できる限り万全な状態を心掛けないとな。


 改めて、チョイスプレートを開いて報酬一覧を表示。



○突発クエストの報酬です。どれか一つを選択してください。


★”逢魔槍使い”のサブ職業 

★”不意打ち無効のスキルカード”

★“逢魔の波動のスキルカード“

★“逢魔爪使い“のサブ職業

★“逢魔の剣の指輪“

★“咎槍のスキルカード“

★“逢魔転剣使い“のサブ職業

★“狂血剣使い“のサブ職業

★“瞬間再生“のスキルカード

★“咎の転剣“のスキルカード

★”A級武具ランダム袋”



「マスターは“不意打ち無効のスキルカード“で」

「なんで?」


 気になるスキルやサブ職業がいっぱいあるのに、メルシュさんに勝手に決められてしまう!


「レギオンのリーダーになる以上、人一倍生き残るためのスキルを優先するべきだよ」


 ジュリーにまで当然のように!


 グレートソードの能力なのか、あの硬かったデスアーマーの鎧を切り裂けるようになったから、今は無理して攻撃力を上げる必要は無いけれど。


「分かったよ。俺は“不意打ち無効のスキルカード“を選ぶ」


「私は“逢魔転剣使い“ですね。爆裂拳が通じないと、戦う手段が限られるので」

「私は“狂血剣使い“にしよう」

「タマは“逢魔槍使い“を選びます」


 トゥスカ、ジュリー、タマは自分の得物に合ったサブ職業を選択か。


「私は特に無いから、“咎の転剣“のスキルカードを選んで、トゥスカに上げるよ」

「良いの、メルシュ?」

「トゥスカとマスターのメイン武器が、一番ランクが低いからね」


 てことは、ユイもAランク以上の武器を持ってるんだ。


「“咎の転剣“の扱いはSランクだから、今回のデスアーマーのような規格外が現れても十分通じると思うよ」


 黒鬼や突発クエストに出て来る強力なモンスター相手だと、一人一人が強力な攻撃手段を持つ必要があるだろう。


「アタシは“狂血剣使い“にしようかね。マスターは?」

「“逢魔の波動“が良い」


 特に問題もなく決まったな。


 “逢魔の剣の指輪“はデスアーマーのドロップで一つ手に入れているし、無理に選ばなくても良いか。


「そう言えば、“瞬間再生“のスキルカードって……」


 急に目眩が……――ちょっとヤバいかも。


「ご、ご主人……様」


 トゥスカも……フラついている?


 ヤバイ、フラフラが……強くなって……きた。



           ★




○戦士.Lv26になりました。その他の装備欄が1増えます。


○戦士.Lv27になりました。武器への属性付与スキルを一つ修得出来ます。


★光属性付与 ★闇属性付与 ★竜属性付与 

★古代属性付与



「今までの属性付与選択と違うな……メルシュに相談してから決めるか」


 頭もグワングワンして、思考が働かないし。


「ご主人様~」


 突発クエストが起きた日から一夜明けるも、俺とトゥスカは同じベッドで寝込んでいた。


 メルシュ達の見立てでは、只の風邪らしい。


 というわけで、風邪を引いた俺とトゥスカは、今日一日大人しく寝て休むことになってた。


 昨日は海に落ちて、冷えた身体を温めるために裸になって、疲れて帰ろうとしたときに突発クエストによる激闘。


 英知の街を出てから、ろくに休んでいなかったしな。


 ペナルティーまでまだ四日以上あるし、少しゆっくりしても罰は当たらないだろう。


「……ご主人様」

「ごめん、寒かったか?」


 チョイスプレートを操作していた手を引っ込め、毛布を掛け直す。


「身体……あっついです♡」

「そ、そっか」


 なんか、いつもより色気があるような。


「一昨日の夜、ジュリーと……シた?」

「……シてないです」


 一昨日の夜は。


「本当ですか?」

「……昨日の朝…………寝ぼけてキスしました」

「私と間違えたんですね。ジュリーが可哀想」

 

 今言われると、余計にキツい!


「仕方ないですね、私が癒してあげます♡」


挿絵(By みてみん)


 これ、トゥスカの方が参ってるのかも。


「ん、ん♡」


 トゥスカが覆い被さり、口付けを何度もされる。


 トゥスカの唇……柔らかい。


 風邪だからか、ちょっとお口が匂う。


「昨夜もシてないから、溜まってますよね♡」

「……それはトゥスカの方なんじゃ」

「ご主人様のくせに、抵抗しちゃダメですよ♡」


 トゥスカが俺の寝間着を脱がせ、首筋にキスを始める。


 俺も対抗するようにトゥスカの下着を脱がせ、太股を撫で始めた。



●●●



「もっと、ギュッてしてください♡ 痛いくらい、強く抱き締めて♡ あっ♡ ああっ♡」


 寝室扉に耳を当て……中の様子を探る。


「今日は……いつもより抑えめ」


 でも、それが良い!


「マスター……いい加減にしなよ」

「静かに、シレイアさん。どうやら体位を変えるようです」


 耳を研ぎ澄ませねば!


「そこ……クリクリしちゃダメです♡ もっと、ギュッとして♡」


 さすが、未来のハーレム王!


「早く、他の人のあられもない声も聞きたい」


「マスター……なんでこういう時だけイキイキしてんのさ」


 だって、そこに極上のハーレムがあるから!


「ハァー、ダメだコイツ」



●●●



「この“デスメイル“を、素材に分解してください」


「あいよ、2000Gだ」


 鍛冶屋のおじさんNPCにお金を払う。



○”デスメイル”を分解し、”ブラックオリハコン”×2、”魔吸鋼”を手に入れました。



「良かったんですか、分解しちゃって?」


 タマが尋ねてきた。


「マスターの許可は貰ってるよ」


 今度は、現在作製可能な武器のリストを表示。


「あった」


 ジュリー達が持っていた”オリハルコン”と、今手に入れた”ブラックオリハコン”、トゥスカがワーウルフの森で手に入れていた”暗黒石”、”魔吸鋼”、素体に“鉄の大剣“を提供。


125000Gを払って注文を終える。


「受け取りは、明日のこの時間を過ぎてからにしてくれ」


 これで、丸一日はこの港に足止めか。


 マスターの新しい武器。単体で見るとそこまで強力じゃないけれど、現時点なら只振るうだけでも充分に通じる程高性能。


 能力的にも面白く、便利な代物だ。


「突発クエストのおかげで、思いがけず装備が充実した」


 次はお金かな。幾ら有っても困るものじゃないし、タマと少し稼いでから帰るかな。


 問題は、第九ステージまでにどれだけ人材を集められるか……か。


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