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744.瑠璃色の一撃

「ハイパワースラッシュ!!」


 鞭を持った、軍人ぽい隠れNPCシャドウを切り殺す。


「知らない隠れNPCだったな」


「マスター、そのデカい剣持ってる奴を倒して!」 


 メルシュからのリクエスト。


『“昼夜逆転”』


 なんらかのスキルを使った?


「防御能力は無効化されるよ!」


 そういえば、前にそんな話を聞いたような。


『“亜流手鍍人名覇砥(アルティメットナハト)斬”!!』


 なんだ、その名前?


「“神代の剣”」


 “サムシンググレートソード”で受け流す!


「――“剛力竜衝”」


 胴部分に左掌底を叩き込み、右腕と首を刎ね落として終わらせた。


「今のが、以前に話していた“亜流手鍍人名覇砥”という隠れNPCですか?」

「そうそう。カナの持ってる、“殲滅のノクターン”と相性が良いんだよ」


 トゥスカとメルシュの会話。


「さすがアテルのライバル。アイツら程度じゃ、危なげなく倒しちゃうね」


 鎧の胸部分を、ラウラに軽く拳の裏で叩かれる。


「ラウラ、背後から“アイアンバリエーションズ”の集団だよ!」


 パイレーツの隠れNPC、メアリーが教えてくれた。


「一々相手にしてたら先を越される。このまま進もう、コセ」

「だな」


 ここに来るまでに倒されたモンスターの死体をたくさん見た上、この先の通路にまで“アイアンバリエーションズ”の残骸が転がっている。


 一方で、プレーヤーの死体は一切見当たらない。


 既に、何者かが最深部に到達しているということ。


 ラウラ率いるパーティーと共に、最終部屋の前へと到着。


「どうすんだよ、ノリユキ!」

「クソ、SSランクさえ使えれば、こんな奴等!」


 イズミとかいう女が居るかもと用心していたけれど、予想に反して男が三人に女が一人のパーティーらしい。そのうち、女とエルフ男が一人ずつ死んでいる様子。


 口ぶりからして、ノリユキと呼ばれた満身創痍の異世界人がSSランク所持者か。


 彼等と対峙しているのは、アルファ・ドラコニアンだけと。


《お前ら、もう失せろ。メインディッシュが来たようだからな》


 俺達以外は、眼中に無いらしい。


「……クソ! 一旦、ここを出るぞ!」


 慎重に、端を伝うように出入り口に近付いてくる二人の異世界人。


「あっちは私達が引き受けるから、アルファ・ドラコニアンをお願いして良いかな?」

「そうだな」


 この部屋でSSランクを使えない以上、ラウラ達じゃ荷が重いだろう。


「メルシュ、ナターシャ、後ろは任せた」

「うん」

「お任せください」


 トゥスカとシューラと共に、アルファ・ドラコニアンと対峙する。


《SSランクさえ使えなければ、貴様らなど雑魚だ》


「言ってくれるな」


 “メタモルコピーウェポン”で作った“名も無き英霊の劍”、二振りを手にし――片方をトゥスカに投げ渡す。


 コピーはSだからか、やはりSSランクが使えないルールには引っ掛からないらしい。


《そう上手く行くかな?》


 白い広大な部屋の側面の壁、両側の複数箇所が開いて――アルファ・ドラコニアン・アバターが二体、見たことないタイプの蜥蜴ロボットも二体現れる!


挿絵(By みてみん)



「舞え踊れ――“雄偉なる精霊と剣は千代に”!!」



 黒蔦の白麗剣を顕現。


 共鳴精錬を成功させたトゥスカとシューラに謎の蜥蜴ロボットが一体、もう一体はラウラ達の方へ。


「てことは……」


 俺の相手は、アルファ・ドラコニアンとドラコニアン・アバターが二体か。


「三対一かよ」

《女共を襲わせた方が良かったか?》


 それが一番困る。


「いいや――まとめて相手してやる! “竜王剣”! “振動切断剣”! “波動王剣”! “大地王剣”! “黄昏王剣”! “混沌王剣”!」


挿絵(By みてみん)


 “予備欄干渉”で六振りの浮遊剣を呼び出し、“剣踊”で強化しつつ――“技能剣支配”で操る!!



●●●



「まずいな。あれは、“アルファ・ドラコニアン・アバター”の上位機種だ!」


 メアリーからの情報。


「てことは、念能力を使うな――メアリーとマサコは、男共の相手を!」


 マサコは何故か神代文字が刻めないから、ドラコニアンの相手はさせられない。


「私達三人でやるぞ!」


 私、ユイリィ、トキコの三人で迎え撃つ!


「――食らえ!!」


 青緑の銃打、“消えゆく未来に馳せる想い”と“消えゆく過去に馳せる想い”の二丁拳銃を構え――それぞれに十二文字刻んで引き金を引く!


 “上位魔法マガジン”を仕込んであるため、この銃の“魔力弾丸”は、マガジンに入れた上位魔法と同じ系統と属性を得ているうえ、威力も1,5倍になっている。


 私が仕込んでいるのは“隕鉄魔法”だから、鉄と古代属性、隕鉄系統になっているのよね!


『貴様!』


 神代の力もあって、バリアを貫通して僅かにダメージを与えられている。


『原始的な銃などで――消えろ!!』


 肘辺りからワイヤーが伸びて、腕が迫ってきた!


「氷河の盾! 隕鉄の盾!」


 両指から巨盾を呼び出し、防ぐ。


「“隕鉄魔法”――ダマスカスカノン!!」


 隕鉄の砲弾が簡単に避けられるも、紅の血脚、“血を以て血を禊ぎ続けろ”に十二文字刻んだユイリィが先回り。


挿絵(By みてみん)


『なに!?』


 ユイリィの奴、両腕の血甲である“血肉の全てを喰らいける”にも九文字、三つの武具に同時に刻んでいる。


 アイツ、いつの間に。


「――“色竜咆牙”!!」


 “五色竜の咆牙”の必殺能力で、左腕の肘先を粉々にしやがった!


『雑魚がぁぁッ!!』


 ユイリィに向かって、口から青白い砲撃!


「――こんのッ!!」


 神代の力を溢れさせて、なんとか直撃は外したか。


「来な――古代鸚哥(インコ)


 “瑠璃色森林の古代鸚哥の指輪”から、インコの瑠璃色ロボットを呼び出す!


挿絵(By みてみん)


「“六腕”――装備セット2」


 全ての腕に金棒を装備したトキコが、“生者を肉塊に・万物を散りに”に九文字刻んで突っ込んでいく!


挿絵(By みてみん)


「“瑠璃色羽根”!!」


 銃撃で牽制しつつ、古代鸚哥の機械翼から羽根を飛ばし、念能力を引き付ける!


『く、クソったれがぁ!!』



「“六重武術”――“暗黒棒術”、ダークネスブレイク!!」



 トキコの武術が、綺麗に決まる!


『ガガ……――ギガ!!』

「――ガッ!!!?」


 トキコが蹴り飛ばされた!?


「あの状態でもまだ――“機械弓化”」


 瑠璃色森林の古代鸚哥を、瑠璃色のボウガンへ。


『――ギガーッ!!』


 右腕からガトリングが出て来た!?


「“隕鉄盾”! “砂鉄盾”! “鋼鉄盾”!」


 弓が大型だから回避行動が取れないため、呼び出した浮遊盾に腰のホルスターに収めた銃から神代文字を流し込んで防がせる!


『ニ、ニゲ――』

「“凄愴苛烈”――“万象飛拳”!!」

「――“鬼哭咆哮”!!」


 ユイリィとトキコの攻撃が両脇から迫り――念能力でかろうじて防いでいるのか!


「「やれ、ラウラ!!」」


 三人の神代文字が共振していく!!


「“ニタイカムイ”――これで終わりだ!!」


挿絵(By みてみん)

 

 瑠璃色の大型機械弓から放った蒼い一撃が、ドラコニアン・アバターのボディーを貫通し――爆散させた。


「ハアハア」


 強化型とはいえ、アバターでもこの脅威……オリジナルのドラコニアンに加え、アバター二体を一人で抑え込んでいるコセとか……アテルがライバルと認めるだけはあるわ。


おまけ

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

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